【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)における世界経済は、依然として高水準であるインフレ率を抑制するための各国中央銀行による高金利政策が経済活動に影響を及ぼし、低成長が続く見通しであります。また地政学リスクの高まりや中国における不動産市況の低迷等、不透明な状況が続いております。
日本経済においては、インバウンド需要の回復は見られるものの、食品等の生活必需品の継続的な値上げに伴う節約志向の高まりや人手不足の長期化、また海外需要の低迷等もあり、景気回復の道筋が見通し難い状況であります。
このような状況の中、当社グループは、2021年5月に公表した「第3次中期経営計画」に基づき、中長期的な成長戦略の実現に向けた基盤構築を進めつつ、生産体制の維持・強化を図ってまいりました。
この結果、売上高は47,286百万円(前年同期比5.0%増)となり、営業利益は936百万円(前年同期比69.5%増)、経常利益は1,742百万円(前年同期比63.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,382百万円(前年同期比241.0%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)
ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては、価格改定効果があった一方、消費者の節約志向の高まり等もあり、消費財における消費回復の動きは鈍く、売上が減少しました。工業品合成樹脂製品分野においては、半導体不足の影響が薄れた自動車業界に生産回復の動きが見られたことから、車両関連売上が牽引し、売上が増加しました。
利益面につきましては、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品における価格改定効果もあり、黒字回復しました
この結果、当セグメントの売上高は9,666百万円(前年同期比0.2%減)となり、セグメント利益(営業利益)は176百万円(前年同期はセグメント損失104百万円)となりました。
(中国)
工業品合成樹脂製品分野においては、取引先の在庫調整や東南アジアへの生産シフトの影響等もあり、売上が減少しました。ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては不動産市況の低迷等がありましたが、売上は微増となりました。
利益面につきましては、人員体制の見直しや自動化等の生産効率改善にも取り組み、また為替相場変動による支払コストの減少もあり、前年同期を上回りました。
この結果、売上高は10,880百万円(前年同期比7.2%減)となり、セグメント利益(営業利益)は517百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
(東南アジア)
円安による円換算金額の増加や前年同期にあった電子部品等の不足による取引先の生産調整も減少し、工業品合成樹脂製品分野の売上高が大幅に増加しました。
利益面につきましては、売上増加に加え、人員削減等による固定費圧縮にも取り組み、前年同期を上回りました。
この結果、売上高は26,740百万円(前年同期比13.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は897百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
②財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて1,333百万円増加し、104,135百万円となりました。これは投資有価証券が1,470百万円、有形固定資産合計が1,370百万円、それぞれ増加し、受取手形及び売掛金が2,078百万円減少したこと等によります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計期間年度末に比べて2,747百万円減少し、21,744百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が2,249百万円減少したこと等によります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて4,080百万円増加し、82,391百万円となりました。これは為替換算調整勘定が4,003百万円、その他有価証券評価差額金847百万円、控除項目である自己株式が667百万円、それぞれ増加し、また資本剰余金が1,824百万円減少したこと等によります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金同等物は、前連結会計年度末に比べて902百万円増加し、23,306百万円(前年同期は21,071百万円)となりました。
各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
仕入債務の減少3,317百万円等がありましたが、売上債権の減少3,609百万円、減価償却費2,316百万円、税金等調整前四半期純利益1,893百万円等があり、3,581百万円の増加(前年同期は2,824百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の払戻8,595百万円等の収入がありましたが、定期預金の預入7,036百万円、有形固定資産の取得1,755百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得694百万円等の支出があり、1,529百万円の減少(前年同期は2,121百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
自己株式の純増額1,258百万円、配当金の支払額915百万円等があり、2,481百万円の減少(前年同期は1,508百万円の減少)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、239百万円であります。
(5)経営方針・経営戦略等
当社グループは2021年5月13日に第76期(2024年3月期)を最終年度とする3ヶ年の「第3次中期経営計画」を公表いたしました。
「百年企業への歩み」をテーマとして「人とプラスチックの調和する豊かな社会の実現」を長期ビジョンに掲げ、「サステナブル経営の推進」と「成長基盤の構築」を基本方針としております。目標の達成に向けては、6つの全社戦略(「①人財への取り組み」、「②環境問題への取り組み」、「③ガバナンス強化」、「④DX(デジタルトランスフォーメーション)と自動化の推進」、「⑤技術開発の推進」、「⑥ビジネス領域の拡張」)を着実に推し進めております。