【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況①経営成績当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)における世界経済は、ウクライナ問題の長期化を主因とするインフレの加速、またインフレを抑制するための政策金利の引き上げ等を背景に減速傾向を強めております。また中国がゼロコロナ政策からウィズコロナ政策に実質的な方針転換を図る中、新型コロナウイルス感染症の再拡大も見られ、先行きの不透明感が拭えない状況です。日本経済においては、インバウンドも含めたサービス需要の拡大に加え、企業の設備投資も増加が見込まれており、また半導体の需給改善による自動車生産の増加の余地もあり、経済全体の回復が期待できます。このような状況の中、当社グループにおきましては、2021年5月に公表した「第3次中期経営計画」に基づき、中長期的な成長戦略の実現に向けた基盤構築を進めつつ、生産体制の維持・強化に努めてまいりました。この結果、売上高は73,751百万円(前年同期比122.7%)となり、営業利益は1,744百万円(前年同期比146.7%)、経常利益は2,527百万円(前年同期比161.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,611百万円(前年同期比208.9%)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)インバウンドを含めたサービス需要に回復の兆しが見られるものの、物価高騰が続く中、消費財における消費回復の動きは依然として鈍く、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては売上が減少しました。工業品合成樹脂製品分野においても、半導体不足等の解消に時間を要しており、売上は微増に止まっております。利益面につきましては、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品の売上減少に加え、原材料価格の高止まりや電力費の上昇等もあり、前年同期を下回りました。この結果、当セグメントの売上高は15,124百万円(前年同期比96.7%)となり、セグメント損失(営業損失)は88百万円(前年同期はセグメント利益493百万円)となりました。
(中国)ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては、コロナ禍の影響で物流も停滞し、売上が減少しました。一方、工業品合成樹脂製品分野においては、総じて取引先の生産活動が復調していること、また円安効果もあり、売上が大幅に増加しました。利益面につきましては、日本と同様、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品における原材料価格高騰の影響はあったものの、工業品合成樹脂製品分野における売上増加で吸収し、前年同期を大きく上回りました。この結果、売上高は19,412百万円(前年同期比126.9%)となり、セグメント利益(営業利益)は1,075百万円(前年同期比143.5%)となりました。
(東南アジア)電子部品等の供給不足が緩和され、生産活動が復調した取引先も多く、また中国と同様、円安効果もあり、タイ・ベトナム・インドネシアの3ヵ国全てで売上が増加しました。利益面につきましては、売上増加に加え、コロナ禍における取引先での生産調整による当社工場稼働率の低下等、非効率な生産体制が概ね解消され、前年同期を大きく上回りました。この結果、売上高は39,214百万円(前年同期比134.5%)となり、セグメント利益(営業利益)は1,674百万円(前年同期比206.9%)となりました。
② 財政状態の分析(資産)当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて13,858百万円増加し、107,842百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が5,108百万円、現預金が4,102百万円、建物及び構築物が1,706百万円、それぞれ増加したこと等によります。
(負債)当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計期間年度末に比べて5,868百万円増加し、26,655百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が3,254百万円、その他流動負債が1,624百万円、それぞれ増加したこと等によります。
(純資産)当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて7,990百万円増加し、81,187百万円となりました。これは為替換算調整勘定が8,507百万円、控除項目である自己株式が721百万円、それぞれ増加したこと等によります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、338百万円であります。
(4) 経営方針・経営戦略等当社グループは2021年5月13日に第76期(2024年3月期)を最終年度とする3ヶ年の「第3次中期経営計画」を公表いたしました。「百年企業への歩み」をテーマとして「人とプラスチックの調和する豊かな社会」の実現を長期ビジョンに掲げ、「サステナブル経営の推進」と「成長基盤の構築」を基本方針としております。目標の達成に向けては、6つの全社戦略(「①人財への取り組み」、「②環境問題への取り組み」、「③ガバナンス強化」、「④DX(デジタルトランスフォーメーション)と自動化の推進」、「⑤技術開発の推進」、「⑥ビジネス領域の拡張」)を着実に推し進めております。