【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況①経営成績当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)における世界経済は、ウクライナ問題が長期化する中、エネルギーと食料品を中心とする価格上昇圧力は依然として強く、またインフレを抑制するための急速な政策金利引き上げ等も重なり、先行きの不透明感が増しております。日本経済においては、世界経済が失速する懸念はあるものの、米欧に出遅れて、経済活動の正常化を加速させており、また金融緩和が継続される見込みであることから、設備投資やサービス消費の拡大、更にはインバウンド需要回復が牽引し、経済全体の回復が期待できます。このような状況の中、当社グループにおきましては、2021年5月に公表した「第3次中期経営計画」に基づき、中長期的な成長戦略の実現に向けた基盤構築を進めつつ、各地域や取引先の状況に応じた弾力的な生産体制の維持に努めてまいりました。この結果、売上高は45,054百万円(前年同期比115.8%)となり、営業利益は552百万円(前年同期比62.9%)、経常利益は1,064百万円(前年同期比93.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は405百万円(前年同期比71.2%)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。 (日本)ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては、物価高騰が続く中、消費者の節約志向は依然として根強く、消費財における消費回復の動きが鈍いこともあり、売上は減少しました。工業品合成樹脂製品分野においては、半導体不足等の影響が徐々に緩和され、売上は微増に転じました。利益面につきましては、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品の売上減少に加え、昨年度に実施した価格改定以降の更なる原材料価格の上昇等もあり、前年同期を下回りました。この結果、当セグメントの売上高は9,689百万円(前年同期比95.1%)となり、セグメント損失(営業損失)は104百万円(前年同期はセグメント利益317百万円)となりました。
(中国)ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては、上海等におけるロックダウンの影響で物流も停滞し、売上が減少しました。一方、工業品合成樹脂製品分野においては、コロナ禍の影響があったものの、総じて取引先の生産活動が復調していること、また一部取引先における東南アジアからの生産移管が寄与していること、更には円安効果もあり、売上が増加しました。利益面につきましては、日本と同様、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品における原材料価格高騰の影響はあったものの、工業品合成樹脂製品分野における売上増加で吸収し、前年同期を上回りました。この結果、売上高は11,729百万円(前年同期比124.2%)となり、セグメント利益(営業利益)は465百万円(前年同期比109.2%)となりました。
(東南アジア)地域によって差はあるものの、電子部品等の供給不足が緩和され、生産活動が復調した取引先も多く、また中国と同様、円安効果もあり、売上が増加しました。利益面につきましては、増産対応のための人件費増加等があったものの、売上増加で吸収し、前年同期を上回りました。この結果、売上高は23,636百万円(前年同期比122.7%)となり、セグメント利益(営業利益)は797百万円(前年同期比113.3%)となりました。 ② 財政状態の分析(資産)当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて7,531百万円増加し、101,515百万円となりました。これは現預金が2,989百万円、建物及び構築物が1,782百万円、原材料及び貯蔵品が769百万円、それぞれ増加したこと等によります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計期間年度末に比べて1,765百万円増加し、22,552百万円となりました。これはリース債務337百万円、支払手形及び買掛金が208百万円、未払法人税等が171百万円、それぞれ増加したこと等によります。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて5,766百万円増加し、78,963百万円となりました。これは為替換算調整勘定が6,875百万円、控除項目である自己株式が431百万円、それぞれ増加し、また利益剰余金が528百万円減少したこと等によります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金同等物は、前連結会計年度末に比べて5,790百万円増加し、21,071百万円(前年同期は12,996百万円)となりました。 各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)仕入債務の減少803百万円等がありましたが、減価償却費1,909百万円、売上債権の減少1,483百万円、税金等調整前四半期純利益975百万円等があり、2,824百万円の増加(前年同期は2,287百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)定期預金の預入7,692百万円、有形固定資産の取得1,364百万円等の支出がありましたが、定期預金の払戻11,238百万円等の収入があり、2,121百万円の増加(前年同期は4,170百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払額934百万円、自己株式の純増額431百万円等の支出があり、1,508百万円の減少(前年同期は1,867百万円の減少)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、219百万円であります。
(5) 経営方針・経営戦略等当社グループは2021年5月13日に第76期(2024年3月期)を最終年度とする3ヶ年の「第3次中期経営計画」を公表いたしました。「百年企業への歩み」をテーマとして「人とプラスチックの調和する豊かな社会」の実現を長期ビジョンに掲げ、「サステナブル経営の推進」と「成長基盤の構築」を基本方針としております。目標の達成に向けては、6つの全社戦略(「①人財への取り組み」、「②環境問題への取り組み」、「③ガバナンス強化」、「④DX(デジタルトランスフォーメーション)と自動化の推進」、「⑤技術開発の推進」、「⑥ビジネス領域の拡張」)を着実に推し進めております。