【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国及び欧州では、インフレ抑制に向けた各国中央銀行による利上げ、ウクライナ情勢の影響による資源・エネルギー価格の高騰等により減速傾向が続いています。中国経済は、ゼロコロナ政策の終了により正常化に向けた動きも見られますが、個人消費や生産活動に弱さがみられ、景気回復のペースは緩やかなものになっています。わが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動規制の緩和により、持ち直しの動きはみられるものの、金融引き締めや資源価格高騰などによる世界経済減速の懸念が広がっており、依然として先行き不透明な状況が続いています。このような状況下、当社グループにおきましては、中期経営計画(2021年度~2023年度)に掲げた「効率的な生産体制の構築」、「新製品の開発および既存技術の向上」等の重点戦略を推し進めるとともに、資源・エネルギー価格の高騰に対応するため販売価格の見直しを行いました。この結果、当連結会計年度における売上高は、巣ごもり需要が落ち着いた住宅資材用チップソーの売上減少を主因に、13,530百万円(前年同期比6.0%減)となりました。利益面では、原材料・エネルギー価格の高騰、人件費の増加等により、営業利益は1,736百万円(前年同期比37.7%減)、経常利益は2,345百万円(前年同期比24.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,655百万円(前年同期比22.3%減)となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本巣ごもり需要が落ち着き、住宅資材用チップソーの売上が減少したことにより、売上高は10,593百万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益(営業利益)は、原材料・エネルギー価格高騰等の影響により、822百万円(前年同期比17.9%減)となりました。
中国ゼロコロナ政策の影響等による金属用チップソーの販売減少と住宅資材用チップソーの受注減少により、売上高は5,035百万円(前年同期比13.8%減)、セグメント利益(営業利益)は、原材料価格の高騰や為替の影響により、615百万円(前年同期比57.6%減)となりました。 アジア住宅資材用チップソー・金属用チップソーともに販売は減少しましたが、円安現地通貨高の影響により、売上高は1,513百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益(営業利益)は、184百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
アメリカエネルギー産業向け金属用チップソーの販売が堅調に推移し、売上高は1,843百万円(前年同期比9.8%増)、セグメント利益(営業利益)は、販売力強化のための増員などによる経費の増加により、77百万円(前年同期比44.9%減)となりました。
ヨーロッパ金属用チップソーの販売が回復したことなどにより、売上高は825百万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益(営業利益)は、83百万円(前年同期比20.5%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度に比べ0.1%増加し、18,444百万円となりました。主な要因は、「売掛金」が735百万円減少した一方、「有価証券」が500百万円、「原材料及び貯蔵品」が432百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、前連結会計年度に比べ7.3%増加し、16,295百万円となりました。主な要因は、「機械装置及び運搬具(純額)」が897百万円増加したことなどによるものです。この結果、総資産は前連結会計年度に比べ3.3%増加し、34,739百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度に比べ24.7%減少し、1,755百万円となりました。主な要因は、「未払法人税等」が241百万円減少したことなどによるものです。固定負債は、前連結会計年度に比べ1.5%減少し、1,181百万円となりました。主な要因は、「繰延税金負債」が24百万円減少したことなどによるものです。この結果、負債合計は前連結会計年度に比べ16.8%減少し、2,936百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度に比べ5.7%増加し、31,802百万円となりました。主な要因は、「利益剰余金」が1,007百万円、「為替換算調整勘定」が828百万円増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益の計上などにより、1,895百万円のキャッシュを得ました。(前連結会計年度は、2,409百万円を得ました。)投資活動によるキャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得による支出などにより、1,794百万円のキャッシュを使用しました。(前連結会計年度は、1,498百万円を使用しました。)財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当金の支払いなどにより、646百万円のキャッシュを使用しました。(前連結会計年度は、369百万円を使用しました。)以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、8,054百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.
生産実績
セグメントの名称
金額(千円)
前期比(%)
日本
4,793,612
△2.0
中国
5,727,959
△15.3
アジア
1,125,036
0.9
アメリカ
―
―
ヨーロッパ
―
―
合計
11,646,608
△8.8
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記金額は、平均販売価格によっております。
b. 受注実績
セグメントの名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
日本
7,334,988
△22.7
1,230,724
△44.5
中国
1,938,837
△9.6
461,572
△8.7
アジア
558,843
71.3
35,922
3.1
アメリカ
1,628,104
△3.0
58,308
△78.6
ヨーロッパ
780,038
0.1
414,238
△9.7
合計
12,240,811
△15.1
2,200,766
△36.9
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。コロナ禍とともに発生した巣ごもり特需が落ち着きを見せ、流通在庫が過剰となったため「アメリカ」の受注残高が減少しております。
c. 販売実績
セグメントの名称
金額(千円)
前期比(%)
日本
8,323,399
△9.3
中国
1,982,852
△19.0
アジア
557,753
57.4
アメリカ
1,841,933
9.9
ヨーロッパ
824,563
11.7
合計
13,530,502
△6.0
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
㈱マキタ
2,693,367
18.7
2,638,514
19.5
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を下回る結果となりました。a. 売上高売上高は、巣ごもり需要が落ち着いた住宅資材用チップソーの売上減少を主因に、前連結会計年度に比べ6.0%減の13,530百万円となりました。b. 売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は8,920百万円で、原材料・エネルギー価格の高騰、人件費の増加等により、売上原価率は65.9%となり、前連結会計年度に比べ4.3ポイントの増加となりました。販売費及び一般管理費は2,873百万円で、人件費の増加等により、対売上高比率は21.2%となり、前連結会計年度に比べ2.1ポイントの増加となりました。その結果、営業利益は1,736百万円で連結売上高営業利益率は12.8%となり、目標とする経営指標で具体的な数値目標としている連結売上高営業利益率16%以上を下回る結果となりました。c. 営業外損益営業外損益は、前連結会計年度に比べ309百万円(純額)の増加となりました。主な要因は、為替差益が増加したことなどによるものです。d. 特別損益特別損益は、前連結会計年度に比べ3百万円(純額)の減少となりました。主な要因は、固定資産除却損が増加したことなどによるものです。e. 親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ22.3%減の1,655百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。b. 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。当連結会計年度における運転資金及び設備投資資金等は全額自己資金をもって充当しております。