【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間については、新型コロナウイルス感染症の流行拡大が長期化しているものの、行動制限が緩和されたことを受けて、経済活動は正常化に向かい、個人消費には持ち直しの動きがみられました。一方で、世界的な資源価格の高騰やウクライナ紛争など国際情勢の緊迫、円安の進行、新型コロナウイルス感染症の度重なる変異株の流行拡大などにより、依然として先行きは不透明な状況は続いております。当社グループにおいては、行動制限の緩和に伴い、主力の外食事業を中心に各事業セグメントで需要は回復に向かっておりますが、原材料費や光熱費の急激な上昇、需要回復に応じた労働力の確保など、事業環境は依然として厳しいものとなっております。
このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の売上高は74,373百万円(前年同期比+26.4%)、営業利益は416百万円(前年同期営業損失7,159百万円)、経常利益は780百万円(前年同期経常損失6,724百万円)となりました。また、投資有価証券売却益151百万円を特別利益に、固定資産除売却損118百万円、閉鎖を決定した店舗等の固定資産の減損損失35百万円を特別損失に計上したほか、法人税等484百万円を計上し、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は294百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失4,437百万円)となりました。
セグメント別の状況については、次のとおりであります。
(外食事業)
当社グループの基幹である外食事業におきましては、ホスピタリティ・レストラン「ロイヤルホスト」、天丼・天ぷら専門店「てんや」、ピザレストラン「シェーキーズ」、サラダバー&グリル「シズラー」などのチェーン店のほか、ビアレストラン、カフェ、各種専門店等の多種多様な飲食業態を展開しております。
主力の「ロイヤルホスト」におきましては、1号店の開業から50周年を迎えたことを記念したフェア「洋食小皿&厚切りステーキ」の第4弾や旬の果物を使った季節感を感じるデザートなど、高付加価値な商品の提供を行いました。また、新たな需要の創出として、テイクアウトメニューやデリバリーサービスを拡充し、中食市場の開拓に注力いたしました。
「てんや」におきましては、播磨灘産「牡蠣」や三陸産「秋刀魚」など、ご当地食材を使用したメニューの提供を行うとともに、引き続き、テイクアウト需要拡大の取り組みを行いました。また、フランチャイズ形式で「TENYA SM Megamall Food Court(フィリピン)」を出店し、海外事業の拡大を進めました。
「専門店」におきましては、ミドルサイズチェーンの「シズラー」において、アメリカの食文化や料理を紹介するフェアとして「Aloha! Hawaiian Fair」を実施いたしました。また、「アペティートカフェメトロ(福岡県福岡市)」と「ミセスエリザベスマフィン博多駅マイング店(福岡県福岡市)」の2店舗を既存店からの業態転換で開業いたしました。
当第3四半期連結累計期間におきましては、行動制限の緩和に伴い、外食需要が回復したことや営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金を計上したことなどにより、売上高は38,940百万円(前年同期比+21.2%)、経常利益は2,833百万円(前年同期比+479.0%)となりました。
(コントラクト事業)
コントラクト事業におきましては、法人からの委託等により、空港ターミナルビル、高速道路サービスエリア、コンベンション施設、オフィスビル、医療介護施設、百貨店、官公庁等において、それぞれの立地特性に合わせた多種多様な飲食業態を展開しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、都道府県を跨ぐ移動や海外からの入国制限などが緩和され、各業態で売上高は増加いたしました。また、空港ターミナルビルでは、国際線の運航再開を受けて、「あご出汁うどん那の福 福岡空港国際線ターミナル店(福岡県福岡市)」の営業を開始いたしました。加えて、百貨店内店舗では、「ロイヤルホスト名古屋星ヶ丘店(愛知県名古屋市)」を既存店からの業態転換で開業いたしました。上記施策を実施したことや営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金を計上したことなどにより、売上高は16,645百万円(前年同期比+39.5%)、経常利益は977百万円(前年同期経常損失876百万円)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業におきましては、「ひとと自然にやさしい、常にお客様のために進化するホテル」を経営理念とし、全国に「リッチモンドホテル」等を47店舗展開しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束していないことを受けて、ホテル8棟を感染軽症者、無症状者の宿泊療養施設として各自治体に提供いたしました。また、都道府県を跨ぐ移動や各種イベントが再開され、国内のビジネスおよび観光需要が緩やかに回復したことから、売上高は16,180百万円(前年同期比+37.8%)、経常利益は113百万円(前年同期経常損失2,643百万円)となりました。
(食品事業)
食品事業におきましては、主に当社グループの各事業における食品製造、購買、物流業務等のインフラ機能を担っているほか、グループ外企業向けの「業務食」および家庭用フローズンミール「ロイヤルデリ」の製造も行っております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、ロイヤルホストを中心としたグループ向けの製造販売量が増加したものの、原材料や包装材、光熱費などの仕入価格が上昇したことにより、売上高は6,943百万円(前年同期比+12.6%)、経常損失は218百万円(前年同期経常損失217百万円)となりました。
(その他)
その他の事業は不動産賃貸や機内食等の事業であり、売上高は252百万円(前年同期比△48.0%)、経常損失は384百万円(前年同期経常損失666百万円)となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5,374百万円増加し115,141百万円となりました。内訳は、流動資産が5,607百万円増加し、固定資産が233百万円減少しております。流動資産の増加は、未収入金の減少等によりその他流動資産が942百万円減少した一方、双日株式会社による新株予約権の行使に伴う新株の発行等により現金及び預金が6,415百万円増加したことなどによるものであります。また、固定資産の減少は、関係会社ハイウェイロイヤル株式会社の株式を追加取得したこと等により投資有価証券が2,185百万円増加した一方、減価償却が進んだこと等により有形固定資産が1,986百万円減少し、また、閉店に伴う回収等により差入保証金が343百万円減少したことなどによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ2,222百万円減少し73,545百万円となりました。内訳は、流動負債が2,986百万円増加し、固定負債が5,208百万円減少しております。流動負債の増加は、季節的な要因等による買掛金の減少520百万円があった一方、上記、関係会社株式の追加取得資金としての短期借入金の増加1,892百万円、長期借入金からの振替による1年内返済予定の長期借入金の増加960百万円があったことが主な要因であります。また、固定負債の減少は、約定に従った返済や上記、振替等により、長期借入金が3,625百万円、リース債務(固定負債)が1,452百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。純資産は、新株の発行8,307百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上294百万円等の増加要因、配当金の支払い513百万円等の減少要因のほか、「収益認識に関する会計基準」等を適用したことによる累積的影響額として、第1四半期連結会計期間の期首に利益剰余金の減少532百万円を計上しております。これらの結果、純資産全体では7,596百万円増加し41,595百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比5.1ポイント上昇し36.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6,415百万円増加し、29,535百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間は5,840百万円の支出でしたが、当第3四半期連結累計期間では4,745百万円の収入となりました。法人税等の支払・還付前のキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間は6,634百万円の支出でしたが、当第3四半期連結累計期間では5,224百万円の収入となりました。また、法人税等の支払・還付によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間は793百万円の収入でしたが、当第3四半期連結累計期間では479百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間は2,157百万円の収入でしたが、当第3四半期連結累計期間では3,504百万円の支出となりました。これは、当第3四半期連結累計期間には、関係会社ハイウェイロイヤル株式会社の株式追加取得に伴い、関係会社株式の取得による支出2,542百万円を計上したことに加え、前第3四半期連結累計期間に比べ投資有価証券の売却による収入が2,391百万円減少したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間から5,388百万円収入が減少し、5,174百万円の収入となりました。これは、当第3四半期連結累計期間には、双日株式会社による新株予約権の行使に伴う、株式の発行による収入8,300百万円があった一方で、前第3四半期連結累計期間には、普通株式及び優先株式の発行による収入15,685百万円があったことなどによるものであります。
なお、手元流動性の充実を図り財務健全性を確保するために金融機関との間に総額10,000百万円のコミットメント契約を締結しており、当第3四半期連結会計期間末時点において全額未使用であります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
特記すべき事項はありません。