【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動拡大の両立を模索しつつ、徐々に持ち直す傾向がみられました。一方で、電気料金をはじめとするエネルギー価格の高騰や物価の上昇によるインフレ懸念、それに伴う各国の金融引締めによる景気後退リスク、加えてウクライナ紛争の長期化や半導体をはじめとするサプライチェーンの動向にも引き続き注意を要し、未だに先行き不透明な状況が続いています。
当社の事業領域である情報通信分野については、社会全体のデジタル化進展に伴い、あらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラとしての安定的なサービス提供やその前提となるネットワークの強靭化は重要な課題となっています。また、行政におけるデジタル化推進など今後もデータ需要がますます高まっており、大量のデータを蓄積・処理するデータセンターの重要性も増大しております。
建設分野におきましては資材価格の高騰が続いているものの、民間設備投資は持ち直しつつあり、道路等社会インフラ老朽化対策のための維持・更新に向けた公共投資も底堅く推移していく見通しです。さらに、エネルギー関連事業においては、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー拡大に向け、蓄電池や送配電インフラ等の関連投資が今後加速すると想定されます。
このような事業環境のなか、当社グループは、引き続き新型コロナウイルスの感染防止に努めながら、社内のテレワーク環境を最大限に活用した慎重かつ柔軟な事業運営を行ってまいりました。通信キャリア事業におきましては、NCC各社を含むモバイル分野については、通信キャリア様の設備投資抑制の動きが見られるとともに半導体等の不足による物品納品遅延も一部で発生しているものの、完成促進に努め、年度末の繁忙期に向けた準備も進めています。一方、アクセス分野については、高度無線環境整備推進事業は終了したものの保守工事を含めて堅調に推移している状況です。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンター構築や新築ビル等の電気工事の受注などが引き続き好調に推移しており、将来に向けた投資として取り組んでいる木質バイオマス発電所の建設や電力線技術者の育成なども順調に進展しております。システムソリューション事業におきましては、当社グループが強みを持つお客様に対して引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、上流から下流までの一気通貫でのサービス提案を行うため、子会社を含めた事業の再編を実施しました。また、グローバル分野では、デジタル貿易プラットフォームをはじめとするソリューション事業が順調に成長しており、2020年11月より実施してきたカンボジア王国の港湾近代化のための電子情報処理システムの構築が完了するなど、更なる事業拡大を目指してまいります。
当社グループは、2022年5月、社会の中で果たすべき役割・存在意義を表す“志”としてのパーパス『“つなぐ力”で創れ、未来の“あたりまえ”を。』を制定しました。グループ内の技術をつなぎ、グループ会社やお客様、パートナー企業の人をつないで、当社グループだけでは成しえない価値を創り上げていきたい、という想いを込めています。このパーパスの下に持続的成長に挑戦し続け、「2030ビジョン」及び「中期経営計画(2021~2025年度)」の達成に向け取り組みを進めてまいります。
これらの取り組みの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、受注高は4,628億8千6百万円(前年同期比104.0%)、売上高は4,173億2千6百万円(前年同期比105.6%)となりました。損益面につきましては、営業利益は152億6千5百万円(前年同期比62.1%)、経常利益は189億7千万円(前年同期比71.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は107億8千2百万円(前年同期比66.3%)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の概況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメント
通信キャリア
都市インフラ
システム
ソリューション
金額
前年
同期比
金額
前年
同期比
金額
前年
同期比
受注高
(注)
186,408
82.9%
128,319
122.8%
148,157
128.0%
売上高
(注)
182,846
93.7%
105,154
109.5%
129,324
124.3%
セグメント利益
10,469
72.8%
3,419
45.0%
1,375
52.8%
(注)「受注高」「売上高」については外部顧客への取引高を記載しております。
(通信キャリア事業の概況)
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野では光回線工事等が順調に推移しました。NCC各社を含むモバイル分野では、モバイルキャリア事業者の投資の抑制により足元では弱含みの状況ではありますが、5G拡大に向けた取り組みも一部みられており、手持ち工事を消化し、効率的な業務運営に努めております。
なお、2022年10月に開催された「第46回技能五輪国際大会」において、情報ネットワーク施工職種で当社の海老原社員が当社として通算6個目となる金メダルを獲得したことに続き、2022年11月、光通信設備工事における若手社員育成の功績が認められ、厚生労働省による令和4年度卓越した技能者(通称「現代の名工」)として、当社の中山社員が表彰されました。当社グループは、今後もさらなる技術力の強化・向上ならびに優秀な技術者の育成を推し進め、社会に貢献してまいります。
(都市インフラ事業の概況)
都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターに関する引き合いを引き続きいただいているほか、高速道路トンネルの通信線路工事等道路インフラ工事も堅調に推移しました。また、当社グループはオフィスビルやプラントの自動制御設備、衛生・給排水設備、電気設備等に強みを持つ株式会社サンエツの株式を追加取得し、グループ会社化しました。これにより、当社グループの都市インフラ事業を強化・拡大すると共に付加価値の高いサービスをお客様に提供してまいります。
(システムソリューション事業の概況)
システムソリューション事業におきましては、システム開発・運用保守における中核会社2社を中心に、上位コンサルから保守運用までワンストップでのサービス提供を行うことで更なる収益向上を目指す取り組みを続けるとともに、当社グループが強みを持つ自治体や文教系のお客様等に対して引き続き積極的な営業活動を行いました。また、グローバル分野におきましては、物価高騰や納期遅延等による影響はあるものの、ASEAN地域において大型レーダー工事を受注し現地サブコンと連携して工事を進めるなど、概ね順調に事業を展開しております。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ 149億4百万円増加し、5,505億2千2百万円となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等の減少、未成工事支出金等及びのれんの増加によるものであります。 負債は、前連結会計年度末と比べ 188億5千万円増加し、2,474億1千5百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金等の減少、長期借入金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ 39億4千6百万円減少し、3,031億6百万円となりました。これは主に自己株式の取得による減少、資本剰余金の減少及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、449百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
