【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ワクチン接種が進んでいることで個人消費にとって明るい兆しは見えてきているものの、新たなコロナウイルス変異株が発生し、感染が再拡大する等、いまだ、先行きは不透明な状況にあります。また、米中間の対立、ウクライナへのロシアの侵攻、米露間、欧州・ロシア間の対立等、不安定な国際情勢等の影響及び米国長期金利の値上げによる世界経済のさらなる悪化が懸念される中、景気についてもいまだ不透明な状況が続いております。このような経済情勢の中、当社サービスの基盤となる、インターネット及びブロードバンド関連の環境につきましては、着実に増加しており、2022年6月末時点で固定系ブロードバンド契約数が約4,410万(前年同期比2.4%増)とインターネットを利用する機会が広く普及しております。また、スマートフォンやタブレット端末の利用者の増加により移動系超高速ブロードバンド契約数は約1億3,505万(前年同期比9.7%減)、第5世代携帯電話契約数は5,151万(前年同期比2,906万人増加)等、インターネットを利用する環境は引き続き拡大基調にあります(出所:総務省電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表)。一方、2022年9月の雑誌全体の販売状況は前年同期比で約6.0%減少となっており、定期誌では約5.2%減にとどまっております。一方、書店からの返品率は39.4%となり(前年同期比1.8ポイント減)、返品率については改善されつつある状況となっております(出所:出版月報2022年10月号)。このような環境の中、当社グループは、当第3四半期連結累計期間においても、雑誌の定期購読者の囲い込み、新規読者の獲得のため、第20期事業年度に引き続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施して参りました。さらに、出版社の配送支援業務及びWEB経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために、出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を当社に移管し、当社グループが購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開及び法人顧客開拓についても、引き続き注力して参りました。 この結果、雑誌出版市場が大きく前年比で縮小する中、当社グループの当第3四半期連結累計期間における総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,897,500名、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、9月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は605,864名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びているものの、ユーザー獲得コストは増加しております。一方、アクティブユーザー数については、月額払いの増加、法人の雑誌購読入れ替えの影響、休刊誌の増加の影響もあり、前年同期と比べて減少しております。
また、デジタル雑誌関連の事業(「第2の矢」事業)については、2018年第2四半期連結会計期間より、新たに株式会社電通と合弁で設立した株式会社magaportの事業開始に伴い、従来の「Fujisan.co.jp」上でのデジタル雑誌販売のみならず、他電子書店向けのデジタル雑誌取次分野及び派生するサービス領域事業に注力しております。本事業は主に雑誌読み放題サービスにおいて着実に成長を続けており、当社グループの第2の柱に育ちつつあります。また、既存の雑誌読み放題サービスへの取次だけではなく、記事単位の提供サービスのトライアル、株式会社図書館流通センターが手掛ける電子図書館事業へのサービス提供が決定する等、新たなサービス領域の開拓も継続して行っております。 雑誌購読者情報を用いた事業(「第3の矢」事業)については、株式会社イードと立ち上げた株式会社イデアが手掛ける出版社ECサイトの運営支援事業がビジネススキームの見直し、ベンダーの変更等の影響等による投資の先行及び他社ECサイトと同様にカード詐欺の増加による影響により利益率が悪化しました。こちらについては、収益改善に向けて運営の効率化、セキュリティ強化等の対応を行っております。また、雑誌情報を用いたマーケティング分野においてもカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社グループの株式会社Catalyst・Data・Partnersとデータ検証作業を引き続き、継続して実施しております。 コスト面においては、主にマーケティングの効率化により発生するコストを抑えております。 上記の施策の結果、当第3四半期連結累計期間における取扱高(連結取引消去前における当社から出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社が出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は8,869,809千円(前年同期比0.1%減)、売上高は4,425,621千円(同1.6%増)となりました。利益面につきましては、営業利益305,772千円(同12.9%減)、経常利益305,697千円(同12.7%減)、四半期純利益213,394千円(同12.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益199,037千円(同12.4%減)となりました。
注. 当社は単一セグメントであるため、セグメント別の業績の状況については記載しておりません。
(2)財政状態の分析(資産の部) 当第3四半期連結会計期間末の総資産は5,246,525千円(前連結会計年度末比211,552千円減)となりました。総資産の内訳は、流動資産が4,487,646千円(同235,493千円減)、固定資産が758,879千円(同23,940千円増)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が53,020千円減少したこと、売掛金が11,044千円減少したこと、未収入金が183,181千円減少したこと等によるものであります。
(負債の部) 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は3,174,984千円(前連結会計年度末比372,631千円減)となりました。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ未払金が191,166千円減少したこと、契約負債(前連結会計年度末は「預り金」)が14,154千円減少したこと、未払法人税等が100,736千円減少したこと等によるものであります。
(純資産の部) 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,071,541千円(前連結会計年度末比161,079千円増)となりました。主な変動要因は、四半期純利益等の計上に伴い利益剰余金が192,106千円増加したこと等によるものであります。
(3)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた事項はありません。 (4) 研究開発活動 該当事項はありません。
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