【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化等による物価上昇及び欧米各国の金融引き締め、 加えてゼロコロナ政策の影響や不動産不況等による中国経済の一時的な失速により、停滞が続きました。わが国経 済については、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで個人消費や設備投資を中心に持ち直 しの動きが続きましたが、エネルギーや原材料価格の高騰、急激な為替の変動、世界経済の減速などから回復のペ ースは緩やかなものにとどまり、先が見通せない状況が続きました。
このような中で、当社グループの当連結会計年度における受注額は海外部門が増加しましたが、主に官需部門が 減少したことから、前連結会計年度比97.2%の23,482百万円となりました。
また、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,659百万円増加し、34,014百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ392百万円増加し、10,096百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,266百万円増加し、23,917百万円となりました。
(b)経営成績
売上高は、23,874百万円(前連結会計年度比104.6%)を計上しました。
利益については、営業利益は2,545百万円(同104.9%)、経常利益は2,654百万円(同103.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,871百万円(同99.7%)となりました。
また、期末受注残高は24,643百万円(同98.4%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、6,036百万円となり、前連結会計年度末より150百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,573百万円の増加(前年同期 キャッシュ・フローの増加162百万円)となりました。
これは、売上債権の増加963百万円、法人税等の支払額853百万円などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益2,688百万円、仕入債務の増加777百万円、減価償却費551百万円などの増加要因が多かったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、886百万円の減少(前年同期 キャッシュ・フローの減少788百万円)となりました。
これは、投資有価証券の売却による収入457百万円、定期預金の払戻による収入139百万円などの増加要因があったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出924百万円、定期預金の預入による支出555百万円などの減少要因が多かったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、523百万円の減少(前年同期 キャッシュ・フローの減少490百万円)となりました。
これは、配当金の支払508百万円などによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは風水力機器の製造・据付・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載していません。
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績を部門区分別に示すと次のとおりです。
部門区分
生産高(百万円)
対前期増減率(%)
官需部門
18,414
12.2
国内民需部門
3,411
0.1
海外部門
2,048
△31.8
計
23,874
4.6
(注) 当社グループはすべて受注生産であるため、生産実績は販売実績と同一となっています。
(b)受注実績
当連結会計年度における受注実績を部門区分別に示すと次のとおりです。
部門区分
受注高(百万円)
対前期増減率(%)
受注残高(百万円)
対前期増減率(%)
官需部門
16,809
△10.4
19,248
△7.7
国内民需部門
3,336
△4.1
2,528
△2.9
海外部門
3,336
72.3
2,866
81.7
計
23,482
△2.8
24,643
△1.6
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績を部門区分別に示すと次のとおりです。
部門区分
販売実績(百万円)
対前期増減率(%)
官需部門
18,414
12.2
国内民需部門
3,411
0.1
海外部門
2,048
△31.8
計
23,874
4.6
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
東京都
2,475
10.8
3,345
14.0
大阪府大阪市
-
-
3,271
13.7
㈱守谷商会
2,294
10.1
2,998
12.6
(注) 前連結会計年度の大阪府大阪市に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ1,659百万円増加し、34,014百万円となりました。
これは、売掛金の減少877百万円、投資有価証券の減少405百万円、受取手形の減少377百万円などがあったものの、契約資産の増加2,140百万円、現金及び預金の増加552百万円、建設仮勘定の増加180百万円、建物及び構築物の増加149百万円などがあったことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の総負債は前連結会計年度末に比べ392百万円増加し、10,096百万円となりました。
これは、支払手形及び買掛金の減少979百万円、契約負債の減少277百万円などがあったものの、電子記録債務の増加1,756百万円などがあったことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,266百万円増加し、23,917百万円となりました。これは、退職給付に係る調整累計額の減少90百万円などがあったものの、利益剰余金の増加1,363百万円などがあったことによるものです。
(b)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高については、海外部門が2,048百万円(前連結会計年度比68.2%)と、前年度に比べて減少しましたが、国内民需部門が3,411百万円(同100.1%)と前年度並みを維持できたことと、期初の受注残高が豊富で年間を通じて工程を計画的に進めることができた官需部門が18,414百万円(同112.2%)と、前年度に比べ大幅に増加した結果、全体の売上高は23,874百万円(同104.6%)と増加しました。
(売上総利益)
売上総利益については、前年度に比べ売上高が増加したことから、5,923百万円(前連結会計年度比103.6%)と増加しました。しかし、前年度に比べて材料・購入品の価格が上昇したことなどから、売上総利益率は24.8%(前連結会計年度から0.3ポイント減少)と、若干低下しました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、販売手数料や荷造運送費などの減少があったものの、人件費、旅費通信費などの増加により、3,378百万円(前連結会計年度比102.5%)と増加となりました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、2,545百万円(同104.9%)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取利息や受取配当金などの増加があったことから22百万円増加し、201百万円(前連結会計年度比112.8%)となりました。営業外費用は、固定資産処分損や投資有価証券売却損などの増加があったことから51百万円増加し、92百万円(同223.7%)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、2,654百万円(同103.6%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、投資有価証券売却益46百万円を特別利益で計上しています。また、解体処分の意思決定を行った事業用資産について減損損失12百万円を特別損失で計上しています。
また、当連結会計年度における法人税等については、法人税等調整額が増加したことなどから74百万円増加し、816百万円(前連結会計年度比110.0%)となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、6百万円減少し、1,871百万円(前連結会計年度比99.7%)となりました。
上記認識のもと、官需営業については、ビジネスパートナーとの連携を強化し、効率的でメンテナンス性の優れた設備計画を積極的に提案し、大型案件の受注に注力します。また、防災・減災、国土強靱化基本計画に基づく水害対策やインフラ長寿命化計画による需要など、公共インフラ分野でのシェア拡大を目指していきます。国内民需および海外の営業については、納入データを活用して当社の得意分野であるオイル&ガス事業向けや海水ポンプ市場を中心とした老朽化設備の更新提案や、お客様のニーズに沿った改良・保全の提案を推進していきます。さらに、電力、鉄鋼、石油、化学分野における製造現場でのCO2削減に向けたアプローチを進めていきます。海水淡水化ビジネスについては、インド工場を活用して、エネルギー回収装置(DeROs)のコスト競争力を高めて、高品質な当社製品の優位性をPRするとともに、拡販に注力していきます。
(c)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは風水力機器の製造・据付・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載していません。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性にかかる情報につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要です。
運転資金需要は、当社グループの売掛債権の入金時期が期末前後に集中する季節性を有することから、期中の労務費や社外流出費などの支払資金が不足した場合に備えるための短期的な需要です。設備資金需要は、主として生産設備の新設や老朽更新、研究開発費などによる資金需要です。
(財務政策)
資金需要については、フリー・キャッシュ・フローの累積である内部留保資金で賄うことを基本としています。資金の流動性については、資金の元本確保を優先した運用により、運転資金や不測の事態にも機動的に対応できる手元流動性を確保することを基本としています。また、長期的に運用可能な待機資金については、リスク及び投資効率を考慮した株式・債券・投資信託による運用を行うこととしています。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「中期経営計画2025」において目指す連結経営数値目標は、次のとおりです。
連結経営指標
目標値
受注高
270億円
海外受注比率
20%
営業利益
27億円
売上高営業利益率
11%
ROE
9%
配当性向
30%
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は貸倒債権、棚卸資産、投資有価証券、法人税等、退職金、財務活動、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対しては、継続して評価を行っています。経営陣は過去の実績等を斟酌し、より合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
(a)収益の認識
当社グループは、顧客との受注契約に対し、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗率に基づき収益を認識しています。一定の期間にわたり履行義務を充足し認識する収益の基礎となる進捗率は、総製造原価の見積額を基にしています。また、履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、発生原価に基づくインプット法を採用しています。なお、履行義務の充足に係る進捗率を合理的に見積もることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識しています。期間がごく短い工事契約については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しています。
(b)受注損失引当金
当社グループは、連結会計年度末の手持受注工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な受注工事物件について、損失見込額を受注損失引当金として計上しています。受注工事物件の採算性が悪化した場合、追加引当が必要となる可能性があり、利益を減少させることになります。
(c)製品保証引当金
当社グループは、完成後の工事に係る将来の無償保証工事費用の支出に備えるため、費用見込額を過去の実績を基礎に計上しています。工事完成後、想定した額を上回る無償保証工事費用が発生した場合、利益を減少させることになります。
(d)貸倒引当金
当社グループは、顧客等の支払不能時に発生する損失の見込額について、貸倒引当金を計上しています。顧客等の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
(e)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産についてスケジューリング不能及び回収可能性が低いと思われる場合は、評価性引当額を計上しています。評価性引当額の計上額算定に当たっては、回収可能性並びに将来の課税所得を慎重に判断し、将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整額により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
(f)退職給付費用
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、退職給付債務を計上していますが、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率・将来の給与水準・退職率・死亡率・運用収益率等があります。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を与えます。
