【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかに回復しながらも、地政学的リスク、中国の景気減速、欧米の利上げ影響、国内外のサプライチェーン寸断、為替相場等の複合的な要因が相俟って、先行きが不透明な状況が継続した。線材加工製品業界においては、普通線材製品は一部在庫調整の進展が見られたものの、フェンス及び土木の二大需要分野の低迷が続いた。特殊線材製品は国内自動車向け需要が回復途上にあるものの、電力通信向けの需要が減少した。鋲螺線材製品は、大型物件が比較的堅調に推移しているものの、中小物件の停滞が継続し、需要が減少した。一方で、22年度までに大幅に上昇した主副原料及びエネルギー等の価格が高止まりしており、コスト面ではさらに厳しさを増している状況にある。このような状況の中、当社グループは、これらのコスト上昇を踏まえた販価改善、海外電力プロジェクト物件の受注拡大を含めた販売数量確保、変動費・固定費両面でのコスト低減対策等を積極的に推進した。
a.財政状態 (資産の部)当第1四半期連結会計期間末の総資産は70,941百万円となり、前連結会計年度末に比べ307百万円の増加となった。流動資産は36,664百万円となり、前連結会計年度末に比べ503百万円の減少となった。これは主に受取手形及び売掛金の減少によるものである。固定資産は34,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ811百万円の増加となった。これは主に投資有価証券の増加によるものである。 (負債の部)当第1四半期連結会計期間末の負債合計は18,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ290百万円の減少となった。流動負債は12,152百万円となり、前連結会計年度末に比べ232百万円の減少となった。これは主に電子記録債務の減少によるものである。固定負債は6,570百万円となり、前連結会計年度末に比べ58百万円の減少となった。これは主に長期借入金の減少によるものである。 (純資産の部)当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は52,217百万円となり、前連結会計年度末に比べ598百万円の増加となった。この結果、自己資本比率は68.8%となった。
b.経営成績当第1四半期連結累計期間の売上高は8,188百万円と前年同期に比べ383百万円(4.9%)の増収となった。利益面においては、販価改善等の増益要因が、変動コスト上昇、販売数量減少、在庫評価差等の減益要因をやや上回ったことにより、営業利益は304百万円と前年同期に比べ31百万円(11.6%)の増益となった一方、経常利益は海外投資損益の悪化や為替差益の減少等により、553百万円と前年同期に比べ21百万円(△3.7%)の減益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は302百万円と前年同期に比べ55百万円(△15.4%)の減益となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。 また、セグメント利益は、営業利益ベースの数値である。 普通線材製品普通線材を素材とした各種めっき鉄線、また、めっき鉄線を素線とした加工製品からなり、公共土木向けのかご、落石防護網及び民間向けを含めた各種フェンス等に使用されている。売上高は、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価改善により、2,158百万円と前年同期に比べ198百万円(10.1%)の増収となった。セグメント利益は、販価改善等の増益要因が、上記コスト上昇及び在庫評価差等の減益要因を上回ったことにより、20百万円と前年同期に比べ8百万円(76.7%)の増益となった。 特殊線材製品特殊線材を素材とした硬鋼線、各種めっき鋼線、鋼平線、鋼より線、ワイヤロープ等からなり、自動車向け、電力通信向け及び公共土木向け等、多岐に渡って使用されている。 売上高は、電力通信向け等の販売数量が減少した一方で、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価改善により、4,257百万円と前年同期に比べ211百万円(5.2%)の増収となった。 セグメント利益は、販価改善等の増益要因が、上記コスト上昇、在庫評価差及び販売数量の減少等の減益要因を上回ったことにより、103百万円と前年同期に比べ85百万円(454.6%)の増益となった。 鋲螺線材製品鋲螺線材を素材としたトルシア形高力ボルト、六角高力ボルト及びGNボルト等からなり、主として建築向けに使用されている。 売上高は、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価改善の一方で、販売数量の減少により、1,593百万円と前年同期に比べ20百万円(△1.3%)の減収となった。 セグメント利益は、上記コスト上昇、販売数量の減少及び在庫評価差等の減益要因が、販価改善等の増益要因を上回ったことにより、148百万円と前年同期に比べ63百万円(△30.1%)の減益となった。
不動産賃貸主に賃貸用不動産を所有・経営している。 売上高は、41百万円と前年同期とほぼ同額となり、セグメント利益は24百万円と前年同期に比べ2百万円(△7.8%)の減益となった。 その他めっき受託加工及び副産物の売上高は、151百万円と前年同期に比べ16百万円(△9.7%)の減収となったものの、セグメント利益は6百万円と前年同期に比べ3百万円(109.8%)の増益となった。
(2) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は12百万円である。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。