【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響はあったものの、段階的な行動制限の緩和による経済活動正常化の動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の緊迫化が長期にわたっていることに加え、世界的な資源価格の値上がりや円安が大幅な物価上昇を招き、個人消費が低迷するなど、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社グループにおきましては、自社品種「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)の生食用販売、業務用販売を中心に、いちご果実及びその他青果物の販売に注力してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,116,305千円(前年同期比3.1%減少)、営業利益140,831千円(前年同期比7.9%増加)、経常利益143,534千円(前年同期比9.0%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益99,739千円(前年同期比2.5%減少)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(いちご果実・青果事業)
いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。当第3四半期連結累計期間においては、夏秋期は「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)、「コア」(品種登録名「ペチカエバー」)などの自社開発品種と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、紅ほっぺなど)を主に販売しております。
夏秋期の自社品種については、生産面積の減少はありましたが、「夏瑞/なつみずき」の販売が引き続き好調に推移いたしました。また、8月中旬から9月にかけての出荷数量の落ち込みが昨年に比べ少なかったことで、販売数量は確保されました。しかしながら、残暑の影響を受けて苗の回復が遅れ、10、11月の出荷数量が伸び悩んだことで、自社品種の販売数量は、前年同期に比べ減少することとなりました。
12月のクリスマス期におきましては、促成いちごの生育が前進傾向であった昨年に対し、今年は残暑による定植の遅れと定植後の天候不良により生育が遅れることとなり、業務用サイズの入荷量が品薄傾向で推移いたしました。このため、業務用サイズのいちご市場相場価格は前年に比べ上昇いたしました。クリスマス期のケーキ需要は、原材料価格の高騰による商品売価の上昇に加え、全般的な物価上昇が個人消費の動向に影響を及ぼし、大手洋菓子メーカーを中心に減少いたしました。これにより、いちご果実の販売数量は減少することとなりましたが、いちご市場相場価格による販売単価が上昇したことで売上高、利益ともに前年同時期を上回りました。
全般的な物価の上昇による個人消費動向への影響は年明け以降も否めず、1~3月のいちご果実の販売数量は前年同期に比べ減少いたしました。
その他の青果物におきましては、コンビニエンスストアをはじめとした既存取引先において、フルーツの使用量が増加したことで、売上高、利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、いちご果実・青果事業の売上高は1,834,735千円(前年同期比4.0%減少)、営業利益は207,574千円(前年同期比8.7%増加)となりました。
(種苗事業)
種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)と「ペチカエバー」(商品名「コア」)の生産販売を主力としております。栽培方法には、秋に苗を定植し翌年春から秋にかけて果実を生産する秋定植と、春に苗を定植し夏から秋にかけて果実を生産する春定植の、概ね2体系の作型があります。当第3四半期連結会計期間においては、秋定植用苗の販売を終え、春定植用苗の販売を行っております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、「ペチカほのか」「ペチカエバー」の種苗販売本数の増加により種苗売上高が微増いたしました。また、引き続き夏秋いちご品種の共同開発事業に伴う収入が発生しております。
この結果、種苗事業の売上高は73,539千円(前年同期比3.2%増加)、営業利益は43,412千円(前年同期比13.6%増加)となりました。
(馬鈴薯事業)
馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなります。主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。当第3四半期連結会計期間におきましては、主に春作種馬鈴薯の販売を行っております。
秋作向けにおいては、種馬鈴薯生産のための原種の供給不足や、産地である青森での豪雨による生産数量減少の影響はありましたが、仕入数量の確保に努めた結果、販売数量は前年同期に比べ増加させることができました。メインとなる春作向けは、青森での豪雨による生産数量の減少により一部品種の仕入数量の確保が困難となったほか、取扱量が減少した主要取引先もあり、販売数量は減少することとなりました。
この結果、馬鈴薯事業の売上高は116,972千円(前年同期比10.1%減少)、営業利益は9,423千円(前年同期比4.4%減少)となりました。
(運送事業)
運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託も行っております。当第3四半期連結累計期間におきましては、一般荷主からの配送業務受託の増加により売上高は増加しました。一方で、外注費の増加、配送車両の増車に伴う減価償却費の増加及び燃料費の高騰などの影響により、利益は減少することとなりました。
この結果、運送事業の売上高は91,058千円(前年同期比25.8%増加)、営業利益は699千円(前年同期比91.4%減少)となりました。
(2)財政状態に関する説明
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比較して62,659千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で986,660千円となりました。これは売掛金が減少したものの、現金及び預金が増加したことが主因であります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末と比較して8,994千円減少し、当第3四半期連結会計期間末で148,373千円となりました。これは有形固定資産、投資その他の資産が減少したことが主因であります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比較して5,099千円減少し、当第3四半期連結会計期間末で212,047千円となりました。これは未払法人税等が増加したものの、買掛金が減少したことが主因であります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末と比較し1,034千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で145,882千円となりました。これは長期借入金が減少したものの、役員退職慰労引当金が増加したことが主因であります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して57,729千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で777,103千円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の66.5%から68.5%となっております。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は23,879千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C1382JP #ホーブ #水産農林業セクター