【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響はあったものの、段階的な行動制限の緩和による経済活動正常化の動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の緊迫化が長期にわたっていることに加え、世界的な資源価格の値上がりや円安が大幅な物価上昇を招き、個人消費が低迷するなど、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社グループにおきましては、自社品種「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)の生食用販売、業務用販売を中心に、いちご果実及びその他青果物の販売に注力してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高1,401,614千円(前年同期比4.6%増加)、営業利益103,618千円(前年同期比18.5%増加)、経常利益105,415千円(前年同期比19.3%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は72,513千円(前年同期比5.5%増加)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(いちご果実・青果事業)
いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。当第2四半期連結累計期間においては、夏秋期は「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)、「コア」(品種登録名「ペチカエバー」)などの自社開発品種と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、紅ほっぺなど)を主に販売しております。
夏秋期の自社品種については、生産面積の減少はありましたが、「夏瑞/なつみずき」の販売が引き続き好調に推移いたしました。また、8月中旬から9月にかけての出荷数量の落ち込みが昨年に比べ少なかったことで、販売数量は確保されました。しかしながら、残暑の影響を受けて苗の回復が遅れ、10、11月の出荷数量が伸び悩んだことで、当第2四半期連結累計期間を通しての自社品種の販売数量は、前年同期に比べ減少することとなりました。
12月のクリスマス期におきましては、促成いちごの生育が前進傾向であった昨年に対し、今年は残暑による定植の遅れと定植後の天候不良により生育が遅れることとなり、業務用サイズの入荷量が品薄傾向で推移いたしました。このため、業務用サイズのいちご市場相場価格は前年に比べ上昇いたしました。クリスマス期のケーキ需要は、原材料価格の高騰を受けた商品売価の上昇に加え、全般的な物価上昇が個人消費の動向に影響を及ぼし、大手洋菓子メーカーを中心に減少いたしました。これにより、いちご果実の販売数量は減少することとなりましたが、いちご市場相場価格による販売単価が上昇したことで売上高、利益ともに前年同期を上回りました。
その他の青果物におきましては、コンビニエンスストアをはじめとした既存取引先において、フルーツの使用量が増加したことで、売上高、利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、いちご果実・青果事業の売上高は1,229,927千円(前年同期比5.9%増加)、営業利益は160,947千円(前年同期比16.8%増加)となりました。
(種苗事業)
種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)と「ペチカエバー」(商品名「コア」)を生産販売しております。栽培方法には、秋に苗を定植し翌年春から秋にかけて果実を生産する秋定植と、春に苗を定植し夏から秋にかけて果実を生産する春定植の、概ね2体系の作型があります。当第2四半期連結累計期間におきましては、主に秋定植用苗を販売しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、種苗の販売本数が若干増加したことで、売上高、利益ともに微増いたしました。また、いちご新品種の共同開発業務に関わる収益が引き続き発生しております。
この結果、種苗事業の売上高26,805千円(前年同期比0.5%増加)、営業利益は19,764千円(前年同期比5.2%増加)となりました。
(馬鈴薯事業)
馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と青果馬鈴薯の仕入販売からなり、主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。当第2四半期連結累計期間におきましては、秋作及び春作種馬鈴薯販売を行っております。
秋作向けにおいては、種馬鈴薯生産のための原種の供給不足や、産地である青森での豪雨による生産数量減少の影響はありましたが、仕入数量の確保に努めた結果、販売数量は前年同期に比べ増加させることができました。
メインとなる春作向けは、青森での豪雨による生産数量の減少により一部品種の仕入数量の確保が困難となったほか、取扱量が減少した主要取引先もあり、販売数量は減少する結果となりました。
この結果、馬鈴薯事業の売上高は84,822千円(前年同期比17.0%減少)、営業利益は7,537千円(前年同期比18.5%減少)となりました。
(運送事業)
運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で、当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託も行っております。当第2四半期連結累計期間におきましては、一般荷主からの配送業務受託を進めたことで売上高は増加しました。一方で、外注費の増加、配送車両を増車したことによる減価償却費の増加及び燃料費高騰の影響などにより、利益は減少することとなりました。
この結果、運送事業の売上高は60,058千円(前年同期比21.8%増加)、営業損失は1,638千円(前年は営業利益2,402千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比較して487,182千円増加し、当第2四半期連結会計期間末で1,411,183千円となりました。これは現金及び預金、売掛金、棚卸資産が増加したことが主因であります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末と比較して7,093千円減少し、当第2四半期連結会計期間末で150,274千円となりました。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比較して448,711千円増加し、当第2四半期連結会計期間末で665,857千円となりました。これは買掛金、短期借入金が増加したことが主因であります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末と比較して759千円増加し、当第2四半期連結会計期間末で145,607千円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して30,617千円増加し、当第2四半期連結会計期間末で749,992千円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の66.5%から48.0%となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較し47,897千円増加して552,927千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は4,790千円(前年同期は8,957千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益105,415千円の計上、仕入債務297,418千円の増加があったものの、売上債権349,594千円、棚卸資産34,477千円の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は3,670千円(前年同期は7,034千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入2,650千円があったものの、有形固定資産の取得による支出5,353千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果取得した資金は56,358千円(前年同期は91,498千円の取得)となりました。これは主に、配当金の支払による支出41,643千円があったものの、短期借入れによる収入100,000千円があったことによるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は16,279千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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