【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
新型コロナウイルス感染症対策の規制緩和により、経済活動の正常化が進みましたが、資源価格の高騰による物価上昇、欧米を中心としたインフレの進行や金融引き締め、ウクライナ情勢等の地政学的リスクにより、依然として、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境下、OKIグループは、新たに中期経営計画2025を策定するとともにマテリアリティをアップデートしました。そして、マテリアリティと事業の関係をより明確にするため、「安心・便利な社会インフラ」「働きがいと生産性向上」「地球環境の保全」の3つの貢献分野を設定し、社会インフラを止めず、その維持に貢献する企業として、3つの貢献分野での社会課題の解決につながる価値の提供に取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間の業況は、売上高は1,749億円(前年同期比121億円、7.4%増加)となりました。部材調達難による生産減影響の改善やスタートした大型案件等の物量増により増収となりました。
利益面につきましては、前期調達部材によるコスト増の影響や人件費等の増加があったものの、増収により営業利益は10億円(同50億円良化)となりました。なお、第1四半期連結会計期間に計上した中国向けATM債権に対する貸倒引当金戻入額43億円による一過性収益を除いても前年同期比増益となりました。
経常利益は、為替差損益の良化等により、5億円(同54億円良化)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、3億円(同60億円良化)となりました。
事業別の外部顧客に対する売上高及び営業利益は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
<パブリックソリューション事業>
売上高は393億円(前年同期比1億円、0.3%増加)、営業損失は8億円(前年同期比2億円悪化)となりました。防衛は第1四半期に引き続き増加、道路、消防、防災の領域でも増加した一方、通信キャリア向け案件が減少し、セグメント全体では売上高、営業利益ともに前年並みとなりました。
<エンタープライズソリューション事業>
売上高は639億円(前年同期比161億円、33.9%増加)となりました。サプライチェーン影響の改善、大型案件等により、前年比増収となりました。
営業利益は、39億円(同66億円良化)となりました。部材コスト増の影響が残るものの、物量増や貸倒引当金戻入額による一過性収益により、前年比増益となりました。
<コンポーネントプロダクツ事業>
売上高は349億円(前年同期比60億円、14.7%減少)、営業利益は5億円(同10億円、70.0%減少)となりました。IoTは部材価格の高騰影響が減少したことにより利益が改善しましたが、プリンターにおいて、海外での需要停滞、流通在庫過多による減収影響が大きく、セグメント全体では前年比減収減益となりました。
<EMS事業>
売上高は365億円(前年同期比18億円、5.2%増加)、営業利益は9億円(同4億円、86.2%増加)となりました。サプライチェーン影響の改善等により前年比増収増益となりました。半導体市況や中国経済の減速による一部市場での停滞感はあるものの、その他堅調な市場でカバーしました。
<その他>
売上高は2億円(前年同等、6.7%減少)、営業損失は4億円(同6億円悪化)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に対して1億円増加の3,905億円となりました。自己資本は、その他の包括利益累計額が53億円良化した一方で、普通配当を17億円実施したこと等により、前連結会計年度末に対して39億円増加の1,030億円となりました。その結果、自己資本比率は26.4%となりました。
資産では主に、受取手形、売掛金及び契約資産が90億円減少した一方で、棚卸資産が98億円増加しております。
負債では主に、支払手形及び買掛金が56億円減少した一方で、借入金が64億円増加しております。なお、当第2四半期連結会計期間末の借入金は1,244億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に運転資金が増加したことにより、10億円の支出(前年同期123億円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出があったことにより、102億円の支出(同104億円の支出)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは112億円の支出(同227億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入れによる収入があったことにより、11億円の収入(同190億円の収入)となりました。
以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加14億円により、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末の375億円から288億円となりました。
(3)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間のOKIグループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の金額は、5,535百万円であります。
主な研究成果として、信越化学工業株式会社が独自改良したQST®基板(注1)からOKIのCFB®技術(注2)を用いてGaN(窒化ガリウム)機能層のみを剥離し、異種材料基板へ接合する技術を開発しました。本技術によりGaNの縦型導電が可能となり、大電流を制御できる縦型GaNパワーデバイスの実現と社会実装への道が大きく開けました。
なお、本取組みは将来事業の創出に向けた新規領域であり、既存の報告セグメントに含まれない事業であります。
(注)1.QST基板:Qromis社(米国カリフォルニア州、CEO Cem Basceri)により開発されたGaN成長専用の複合材料基板。2019年に信越化学工業株式会社がライセンス取得。
2.CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。
