【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用情勢に改善が続き、個人消費・設備投資にも持ち直しが見られるなど緩やかな景気回復基調が続いておりますが、通商問題の動向や中国経済の先行き、政策に関する不確実性などが世界経済に与える影響により、依然として不透明な状況で推移しました。このような経営環境のもと、電子・通信用機器事業につきましては、昨年商用運用が開始された5G関連市場や公共関連市場を中心とした拡販営業に加え、新型コロナウイルス感染症による非接触型営業として、新規顧客の引合い増加を目的としたホームページの刷新・拡充など、時代の変化に合わせた取組みにより、新規市場や顧客開拓にも力を入れ新たな領域の受注獲得を行ってまいりました。また、継続的に「製品の高付加価値化への取組み」、「事業領域の拡大・開拓」、「業務提携先との共同開発」を推進しながら、自社開発品の提案強化を図ってまいりました。結果、従来のアナログ高周波製品以外に各種業務用無線で使用される光関連製品をはじめ、高速信号処理に不可欠なデジタル信号処理装置、大容量データの無線伝送に必要なミリ波帯域製品等、新規開拓顧客と新しい市場からの引き合いも増加しております。中でも、昨年春に開示致しました『国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構』殿の『次世代放射光施設の線型加速器用低電力高周波回路及びビームモニタ回路システムの製作』の単独落札など、更なる新市場に対しても積極的な取組みを行い、大きな成果を上げております。移動体通信分野におきましては、5G関連市場をはじめ、高周波コンポーネントの需要が増加しております。また海外向け移動体通信設備関連につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、新規顧客への提案が停滞しております。公共分野におきましては、災害対策、業務用無線、監視システム向けに、光伝送装置、デジタル信号処理装置等の需要が増加してきておりますので、公共事業分野における更なる需要拡大を図るとともに5G関連市場の設備向け製品開発をはじめとした自社開発品にも積極的に取り組んでまいります。電子・通信用機器事業全体としての受注状況は増加傾向にあり、安定した事業基盤を確立するべく、引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに自社開発品の提案強化により、収益拡大に向けた活動を継続してまいります。再エネ発電所事業におきましては、長崎県五島市荒神岳太陽光発電所を2021年3月に売却いたしました。1基毎が大規模であるメガソーラー発電所を売却し、1基毎が小規模の小型風力発電所の開発を加速することで、リスク分散や収益性、機動性を確保し、また債務の大幅な削減による財務体質の強化をしながら、新たな再エネ電源の開発を加速することによって社会の要請に応えるという戦略に基づいております。売電収入を獲得しているメガソーラー発電所は、残る北海道登別発電所も2022年3月期に売却を予定しております。また、北海道根室市の大型風力発電所(1.984MW)についても、本格的な風況調査とボーリング調査を実施しており、2022年の連系に向けて順調に開発を進めております。また当社グループは東南アジアにおいても再生可能エネルギー及び環境事業全般について開発を推進しており、インドネシア東ヌサ・トゥンガラ州フローレス島にて開発中の小水力発電所について、施工が開始されております。本事業は、インドネシア国有電力会社に対して売電を行い、温室効果ガス(GHG)の削減や、JCMクレジットの獲得による我が国の GHG 削減に貢献するもので、東ヌサ・トゥンガラ州の電化率は 61.9%とインドネシア国内で最も低い地域であり、電化率の向上にも寄与するものです。さらに、2021年2月にはインドネシアのマルク州における小水力発電所開発プロジェクトが同じく二国間クレジット制度資金支援事業に採択されており、さらなる東南アジアでの再生可能エネルギー発電所開発を計画しております。以上の結果、当連結会計年度における受注高は、4,041百万円(前年同期比10.1%減)、売上高は、6,742百万円(前年同期比6.5%増)となりました。損益面については、営業利益211百万円(前年同期比73.7%減)、経常利益121百万円(前年同期比81.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、90百万円(前年同期比79.5%減)となりました。電子・通信用機器事業につきましては、公共関連市場を中心とした販売拡大活動に加え、新規顧客の開拓に注力しております。特に公共分野においては、需要も安定して増加してきており、今後も堅調に推移していくことが予測されます。引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに自社開発品の提案強化により、収益拡大に向けた活動を継続してまいります。 当社グループは、次なる柱となる再生可能エネルギー及び環境事業全般について国内に加え東南アジアを中心とした海外での展開を積極的に検討しており、同事業の業容拡大を目指しております。当社グループはこれからも CO2 削減、地球温暖化への対策に取り組み、ESG経営及びSDGs社会変革に対応できる事業体制の構築に向けて取り組んでまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 a. 電子・通信用機器事業一昨年度に売上計上が3事業年度にまたがる大型案件を受注した影響で、昨年度の受注高は一昨年度比で減少し、受注高は3,587百万円(前年同期比17.3%減)となりました。また、移動体通信分野と官公庁分野が好調に推移したことから、売上高は4,007百万円(前年同期比17.3%増)となり、セグメント利益は431百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
b. 再エネシステム販売事業太陽光発電所の分譲販売については固定買取価格引き下げなどの影響を受けて、また小型風力発電所の分譲販売については売却を控えて保有を増やしたことから、受注高は454百万円(前年同期比185.2%増)、売上高468百万円(前年同期比46.0%減)、セグメント損失は53百万円(前年同期はセグメント損失27百万円)となりました。
c. 再エネ発電所事業稼働済みの登別市太陽光発電所及び静岡県島田市のソーラーシェアリング発電所をはじめとした各太陽光発電所、及び北海道にて開発を強化している各小型風力発電所は順調に売電しております。また長崎県五島市のメガソーラー発電所をリスク分散や収益性・機動性の確保、債務の大幅な削減による財務体質の強化、新たな再エネ電源として小型風力発電所の開発を加速することによって社会の要請に応える等の戦略に基づいて、利益が想定を下回る価格で売却をしたことを受けて、売上高は増加したものの利益は減少し、売上高2,285百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント利益は154百万円(前年同期比77.9%減)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。(総資産)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,036百万円減少し、8,386百万円となりました。これは主に、投資有価証券及び長期貸付金が増加したものの、商品及び製品が減少したためであります。
(負債)当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2,042百万円減少し、3,224百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が増加したものの、リース債務が減少したためであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産の部は、前連結会計年度末に比べ1,006百万円増加し、5,162百万円となりました。これは主に、新株予約権行使による資本金及び資本準備金の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、株式交付費の支出や貸付による支出等があったものの、長崎県五島市のメガソーラー発電所売却による収入や、長期借入による収入、株式の発行による収入等があり、前連結会計年度末に比べ400百万円増加し、2,364百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は1,234百万円(前年同期は1,499百万円の資金獲得)となりました。これは主に、長崎県五島市のメガソーラー発電所売却に伴うたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は23百万円(前年同期は132百万円の資金獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出や貸付による支出等があったものの、長崎県五島市のメガソーラー発電所売却に伴う長期前払費用の払戻による収入があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は862百万円(前年同期は688百万円の資金支出)となりました。これは主に、長期借入金の増加や株式の発行による収入があったものの、リース債務返済による支出等があったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.
生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前期比(%)
電子・通信用機器事業
2,792,916
+18.5
再エネシステム販売事業
-
-
再エネ発電所事業
-
-
合計
2,792,916
+18.5
(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.
受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
電子・通信用機器事業
3,587,018
△17.3
1,410,861
△23.2
再エネシステム販売事業
454,021
+185.2
101,185
△12.2
再エネ発電所事業
-
-
-
-
合計
4,041,040
△10.1
1,512,046
△22.6
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.
販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前期比(%)
電子・通信用機器事業
4,007,591
+17.3
再エネシステム販売事業
468,036
△46.0
再エネ発電所事業
2,285,847
+9.3
報告セグメント計
6,761,475
+6.0
調整額
△19,062
△56.2
合計
6,742,412
+6.5
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
大和ハウス工業㈱
883,000
13.9
-
-
RE100電力㈱
747,962
11.8
-
-
日本電気㈱
692,933
10.9
-
-
㈱南陽マリン
665,999
10.5
-
-
リコーリース㈱
-
-
1,920,000
28.5
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等 当社グループの当連結会計年度の経営成績については、昨年商用運用が開始された5G関連市場や公共関連市場を中心とした拡販営業に加え、新型コロナウイルス感染症による非接触型営業として、新規顧客の引合い増加を目的としたホームページの刷新・拡充など、時代の変化に合わせた取組みにより、新規市場や顧客開拓にも力を入れ新たな領域の受注獲得を行ってきたこと、長崎県五島市のメガソーラー発電所を2021年3月に売却したことにより、売上高は6,742百万円(前年同期比6.5%増)となりました。 セグメントごとの経営成績等の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 営業利益は、電子・通信用機器事業においては増益でありましたが、長崎県五島市のメガソーラー発電所をリスク分散や収益性・機動性の確保、債務の大幅な削減による財務体質の強化、新たな再エネ電源として小型風力発電所の開発を加速することによって社会の要請に応える等の戦略に基づいて、利益が想定を下回る価格で売却をしたことを受けて、売上高は増加したものの利益は減少したため211百万円(前年同期比73.7%減)となりました。
b. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、セグメント毎に中期経営計画を策定し、収益の最大化を目指しております。既存事業の体制を強化しつつ、新規事業への積極的な算入も視野に入れ、2024年3月期に連結売上高10,000百万円、EBITDA 1,500百万円を、2027年3月期には連結売上高20,000百万円、連結EBITDA 3,000百万円を目指しております。経営上の目標の達成状況は、当連結会計年度におけるEBITDA 518百万円となり、中期の経営収益の最大化を目指し、事業基盤の再構築に取り組んでまいります。 電子・通信用機器事業の受注は拡大傾向にあり、安定した事業基盤を確立するべく、引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに自社開発品の提案強化により収益拡大に向けて取り組んでまいります。 また、再エネシステム販売事業においては、一部部材の自社調達による原価低減、新規事業の積極的取組みを通して再生可能エネルギーのみならず、環境事業全般の総合商社を目指してまいります。 さらに、再エネ発電所事業においては、高いFIT価格の権利を有している小型風力案件の開発を強化し、保有数を高めて安定的な売電収入獲得を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、事業活動に係る短期的な運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金の他に外部借入により調達しております。一方、設備投資に係る中長期的な資金については、外部借入、リース取引、割賦購入又は新株予約権の発行などにより必要な資金を調達しております。 今後の投資については、電子・通信用機器事業においては、ミリ波ユニットの開発・製造や、再エネ発電所事業における大型風力発電所、小型風力発電所及び海外における小水力発電所などを設備投資計画等に照らし、資金効率を検討しながら取り組んでまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当社グループでは、各事業拠点において、厳重な対策を実施した上で事業活動を継続しており、当社グループの業績への影響は軽微であると見込んでおります。新型コロナウイルス感染症は、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難でありますが、当社グループでは、外部の情報源に基づき、新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んだ結果、軽微であると考えております。当社グループでは、上述した仮定に基づき、たな卸資産の評価や繰延税金資産の回収可能性判断等の会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
