【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取巻く外部環境は、各国での経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復が続きました。一方で、インフレーションの加速を背景とした各国での政策金利の上昇、中国経済の減速やウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格等の高騰等、日本では急速な円安に伴い原材料価格が高騰するなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような環境下、当社グループは、2022年度より、長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2030」および「中期経営計画2024」をスタートさせ、気候変動やデジタル化で変化する社会のニーズに応える高機能開口部ソリューションのグローバルリーダーへ向けた基盤の確立に取り組みました。
「日・米・欧のコア事業の強化、領域拡大」では、原材料高騰に対応した価格転嫁を進めるとともに、将来の事業拡大に向けた体制の強化などコア事業およびサービス事業の拡大に取り組みました。2023年1月には米国で自動ドアの販売、施工、修理サービスを専門とするDoor Control, Inc.およびDoor Concepts, Inc.を買収しました。「アジア事業の成長力強化」では、中国ドア事業にて常熟工場での生産能力拡大、2022年8月に買収した香港・マカオを中心に産業用ドア製品の製造販売を手掛けるAUB社の事業統合に取り組みました。「防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進」では、高い耐風圧性能を備えたアルミガレージシャッター「サンオート静々動々」、ガレージドア用スマートフォン操作システム「RemoSma」をリリースする等、製品の防災・環境対応とスマート化に努めました。「デジタル化とものづくり革新」では、取付工事請負契約システム(EDI)やアジアでのERP導入などのデジタル化投資、日本はドア工場、欧州はドックレベラー工場の生産能力拡大や生産設備の自動化投資を行いました。「サステナビリティ経営の推進」では、ESGマテリアリティに紐づいた各KPIを設定し、気候変動対応商品の拡大やCO2排出量、水使用量などの削減を通じて持続可能な社会の実現に向け取り組みました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同四半期比27.4%増の416,926百万円となりました。利益面では、営業利益は、前年同四半期比85.0%増の35,425百万円、経常利益は、前年同四半期比79.6%増の33,006百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期比94.7%増の22,771百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
なお、セグメント情報等の報告セグメントの変更等に関する事項に記載のとおり、前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後に組替えた数値で比較しております。
① 日本
シャッターやドア等の基幹商品およびメンテ・サービスが堅調に推移し、鋼材価格や各種部材等の価格上昇分の売上転嫁に注力しましたが、売上高は、前年同四半期比6.6%増の171,370百万円、利益に関しましては、前年同四半期比4.5%減の12,234百万円のセグメント利益となりました。
② 北米
サプライチェーン問題の改善による数量増と原材料価格上昇分の売価転嫁が広く浸透したことにより、売上高は、前年同四半期比62.4%増の160,381百万円(外貨ベースでは36.8%増)、利益に関しましては、前年同四半期比424.1%増の21,332百万円のセグメント利益となりました。
③ 欧州
市況の悪化により厳しい受注環境となりましたが、売上高は欧州各国ともに順調に推移し数量増となり、原材料価格やエネルギーコスト上昇分の売価転嫁に注力しましたが、売上高は、前年同四半期比24.2%増の77,814百万円(外貨ベースでは18.4%増)、利益に関しましては、前年同四半期比1.1%減の3,261百万円のセグメント利益となりました。
④ アジア
上海でのロックダウンがあったものの、香港や台湾が順調に推移し、売上高は、前年同四半期比47.0%増の7,312百万円、利益に関しましては、前年同四半期比42.9%増の196百万円のセグメント利益となりました。
財政状態に関する状況は、以下のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、主に売上債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ57,580百万円増加し443,817百万円となりました。負債は、主に仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ18,494百万円増加し201,419百万円となりました。純資産は、主に利益剰余金と為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ39,086百万円増加し242,398百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.0ポイント増加し54.2%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4,566百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。