【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、国内においては新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上の分類が5類へ移行するなど社会経済活動の正常化が進んでおり、インバウンド需要の回復や設備投資意欲の高まりなど、景気は緩やかに回復傾向にあります。一方で、原材料価格の高止まりや物価の上昇、不安定な国際情勢による地政学的リスクに加え、為替相場の急速な変動や金利の上昇、中国の経済成長鈍化など、世界経済の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループでは企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」の実現に向け、2030年を見据えた経営ビジョンとして、「Dr.Sound -社会の音を良くするプロフェッショナル集団-になる」を掲げております。お客さまに選ばれる良い音体験の継続的提供を通じ、社会課題の特定、解決、改善の一連のサイクルをお客さまと共に実現してゆく頼れるパートナーとして、人々の安心・信頼・感動の価値実現を目指しております。
当第2四半期連結累計期間では、国内においてPCに文章を入力するだけで簡単に放送アナウンス音源を作成できる「YUTTE」のβ版サービスの提供を開始いたしました。観光施設や公共交通機関で試験的に導入していただいており、様々な場所や用途に応じて手軽に、かつタイムリーな情報の発信が可能となります。さらに、ネットワーク上の様々なシステムと連携し、制御することができる放送システム「IPオーディオシリーズ」のラインアップ拡充や、他社製品とのコラボレーションによる自動放送システムの提供を開始いたしました。
また、世界5地域でのマーケティング活動の効率化に向け、情報インフラ基盤を活用し、各国の市場環境に応じてユーザーの満足度をより高いレベルで実現させる取り組みを進めています。さらに、昨年度開催したバーチャル展示会のコンテンツを拡充し、常設のバーチャルショールーム「TOA CONNECT Showroom」を開設いたしました。
このような状況の下、当第2四半期連結累計期間における売上高は21,891百万円(前年同四半期比+1,584百万円、7.8%増)となりました。利益については、営業費用は増加しましたが、販売価格改定の影響もあり、営業利益は693百万円(前年同四半期比+647百万円)、経常利益は1,191百万円(前年同四半期比+735百万円、161.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は739百万円(前年同四半期比+110百万円、17.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(日本)
売上高は11,812百万円(前年同四半期比+424百万円、3.7%増)、セグメント利益(営業利益)は2,087百万円(前年同四半期比+324百万円、18.4%増)となりました。
北米の鉄道車両向けの売上は減少しましたが、半導体を中心とした工場や病院、交通市場向けの売上が伸長したことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
(アジア・パシフィック)
売上高は4,638百万円(前年同四半期比+465百万円、11.2%増)、セグメント利益(営業利益)は818百万円(前年同四半期比+170百万円、26.2%増)となりました。
イスラム圏においては、ラマダン需要の取り込みにより宗教市場向けの販売が伸長しました。また、ベトナムでは大型都市開発プロジェクト、タイでは教育市場向けの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は3,119百万円(前年同四半期比+532百万円、20.6%増)、セグメント利益(営業利益)は404百万円(前年同四半期比+188百万円、87.4%増)となりました。
欧州での販売が堅調に推移し、イギリスでは国立図書館、南部アフリカでは病院向けの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
(アメリカ)
売上高は1,287百万円(前年同四半期比+132百万円、11.5%増)、セグメント利益(営業利益)は83百万円(前年同四半期比+93百万円)となりました。
アメリカでは官公庁や教育市場向け、カナダでは病院や教育市場向けの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
(中国・東アジア)
売上高は1,033百万円(前年同四半期比+29百万円、2.9%増)、セグメント利益(営業利益)は89百万円(前年同四半期比+2百万円、2.9%増)となりました。
中国や香港では市況の回復により販売が堅調に推移し、中国では博物館や教育市場向けの納入も進んだことなどにより売上高は増加しました。台湾では半導体を中心とした工場向けの納入は進みましたが、前年同四半期に大型スポーツ施設への納入があった反動により、売上高は減少しました。為替の影響もあり、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は64,538百万円となり、前連結会計年度末に比べ632百万円の増加となりました。資産の部は、売上債権の減少などありましたが、棚卸資産の増加などにより増加しました。負債及び純資産の部は、短期借入金の減少などありましたが、為替換算調整勘定の増加などにより増加しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動では1,328百万円の資金の増加、投資活動では105百万円の資金の増加、財務活動では2,053百万円の資金の減少となり、これらに加え現金及び現金同等物に係る換算差額により前連結会計年度末と比べ280百万円増加し、14,679百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
棚卸資産の増加額1,138百万円などがあったものの、売上債権の減少額1,395百万円、税金等調整前四半期純利益1,191百万円などにより、営業活動による資金の増加は1,328百万円となりました。
前第2四半期連結累計期間との比較では、売上債権の減少による資金の増加が803百万円多かったこと、棚卸資産の増加による資金の減少が766百万円少なかったことなどにより、2,077百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
生産設備および情報インフラ基盤などの固定資産の取得による支出447百万円や関係会社株式の取得による支出400百万円があったものの、定期預金の預入および払戻による収入970百万円などにより、投資活動による資金の増加は105百万円となりました。
前第2四半期連結累計期間との比較では、有形固定資産の売却による収入が490百万円少なかった一方で、定期預金の預入・払戻による収入が1,873百万円多かったことなどにより、1,407百万円の収入の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の減少額1,038百万円や配当金の支払額642百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出243百万円などにより、財務活動による資金の減少は2,053百万円となりました。
前第2四半期連結累計期間との比較では、短期借入金の純増減による資金の減少が1,131百万円多かったこと、配当金の支払額が317百万円多かったことなどにより、1,527百万円の支出の増加となりました。
(3)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,433百万円であります。
なお、これらの研究開発活動は全報告セグメントを対象とするものであり、当第2四半期連結累計期間における主な成果は以下のとおりです。
・文章を入力するだけで簡単に放送アナウンス音源を作成できる「YUTTE(ゆって)」のβ版サービスの提供を開始しました。
「YUTTE」は、PCでテキスト入力を行い、話者の性別、感情、抑揚のレベルなど合計26パターンから選択すると、簡単にアナウンス音源が作成でき、その場でダウンロードして利用することができます。そのほか、チャイムやBGMなどを加えたアレンジも可能なため、公共施設、イベント会場、商業施設など、アナウンスを流す場所に応じた音声のカスタマイズが可能です。「YUTTE」をご活用いただくことにより、さまざまな状況変化に応じて放送内容の変更をタイムリーに行うことができ、マイク放送業務の低減や、アナウンサー録音と比べて短納期・低コストであるなど、放送に関わる業務の効率化に貢献できます。
「YUTTE」はユーザーの皆様が実際に操作いただき、機能を実感いただけるようβ版サービスをおおよそ1年間提供いたします。すでに観光施設や公共交通機関では試験的に導入いただいており、今後はチャイム・BGMの楽曲数や話者バリエーションの拡充といったアップデートを予定しております。
・ネットワーク上の様々なシステムやソリューションと連携可能な放送システム「IPオーディオシリーズ」3機種を発売しました。
「IPオーディオシリーズ」は、放送システムをネットワークに組み込むことで、SIP電話やVMSソフトウェア(防犯カメラ、インターカムシステムなど)といった外部システムからの音声放送や、IoTセンサーやAIによるセンシングと連携した自動放送などが可能です。これまでに発売した本シリーズのスピーカーや音声インターフェースに加えて、新たにマイクロホン2機種と小型アンプを発売しました。ユーザーの利用目的に合わせた音源選択や双方向の音声コミュニケーションを実現したことで、放送ソリューションの柔軟性をさらに向上させています。
また本シリーズの特徴として、機器自身に最大20種類の音源を登録できることや、カレンダー形式での放送スケジュールの設定、放送の優先度設定や音量制御をスピーカー単位で設定できるなど、従来のアナログ放送に比べてより緻密で柔軟なシステムを構築できます。当社製品だけでなく他社製品・システムとも連携し、適切な情報を適切なタイミングと音量で必要な人に届けられる、きめ細やかな放送ソリューションをご提供できます。
