【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、国内においては新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上の分類が5類へ移行するなど社会経済活動の正常化が進んでおり、インバウンド需要の回復や設備投資意欲の高まりなど、景気は緩やかに回復傾向にあります。一方で、原材料価格の高止まりや物価の上昇、ウクライナ情勢の長期化をはじめとする地政学的リスクに加え、為替相場の急速な変動や金利の上昇など、世界経済の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループでは企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」の実現に向け、2030年を見据えた経営ビジョンとして、「Dr.Sound -社会の音を良くするプロフェッショナル集団-になる」を掲げております。お客さまに選ばれる良い音体験の継続的提供を通じ、社会課題の特定、解決、改善の一連のサイクルをお客さまと共に実現してゆく頼れるパートナーとして、人々の安心・信頼・感動の価値実現を目指しております。
当第1四半期連結累計期間では、国内においてPCに文章を入力するだけで簡単に放送アナウンス音源を作成できる「YUTTE」のβ版サービスの提供を開始いたしました。観光施設や公共交通機関で試験的に導入していただいており、様々な場所や用途に応じて手軽に、かつタイムリーな情報の発信が可能となります。
また、世界5地域でのマーケティング活動の効率化に向け、情報システム基盤の導入・稼働を展開し、それぞれの市場環境に応じてユーザーの満足度をより高いレベルで実現させる取り組みを継続しております。
このような状況の下、当第1四半期連結累計期間における売上高は10,042百万円(前年同四半期比+958百万円、10.5%増)となりました。利益については、営業費用は増加しましたが、営業利益は△114百万円(前年同四半期比+188百万円)、経常利益は169百万円(前年同四半期比+207百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は△63百万円(前年同四半期比△330百万円)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期に土地売却益を計上したこともあり減益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(日本)
売上高は4,770百万円(前年同四半期比△24百万円、0.5%減)、セグメント利益(営業利益)は493百万円(前年同四半期比+41百万円、9.3%増)となりました。
病院や工場、交通市場、教育市場向けの売上は伸長しましたが、北米の鉄道車両向けの売上が減少し、セグメント全体での売上高は減少しました。
売上高は減少しましたが、営業費用の減少もあり、セグメント利益は増加しました。
(アジア・パシフィック)
売上高は2,646百万円(前年同四半期比+538百万円、25.6%増)、セグメント利益(営業利益)は555百万円(前年同四半期比+274百万円、97.9%増)となりました。
インドネシアやマレーシアなどのイスラム圏においては、ラマダン需要の取り込みにより宗教市場向けの販売が伸長しました。また、ベトナムでは大型都市開発プロジェクトへの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は1,473百万円(前年同四半期比+288百万円、24.3%増)、セグメント利益(営業利益)は146百万円(前年同四半期比△17百万円、10.6%減)となりました。
欧州での販売が堅調に推移し、サウジアラビアでは宗教施設向け、南部アフリカでは病院向けの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加しました。
売上高は増加しましたが、営業費用の増加により、セグメント利益は減少しました。
(アメリカ)
売上高は652百万円(前年同四半期比+120百万円、22.6%増)、セグメント利益(営業利益)は54百万円(前年同四半期比+60百万円)となりました。
アメリカでは官公庁向け、カナダでは病院向けの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。
(中国・東アジア)
売上高は498百万円(前年同四半期比+35百万円、7.7%増)、セグメント利益(営業利益)は46百万円(前年同四半期比△8百万円、16.1%減)となりました。
香港では市況の回復により販売が堅調に推移し、台湾では半導体を中心とした工場向けの納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加しました。
売上高は増加しましたが、営業費用の増加により、セグメント利益は減少しました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は63,895百万円となり、前連結会計年度末に比べ9百万円の減少となりました。資産の部は、棚卸資産や投資有価証券の増加などありましたが、現金及び預金や売上債権の減少などにより減少しました。負債及び純資産の部は、その他有価証券評価差額金の増加などありましたが、配当金の支払いなどによる利益剰余金の減少や短期借入金の減少などにより減少しました。
(2)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、687百万円であります。
なお、これらの研究開発活動は全報告セグメントを対象とするものであり、当第1四半期連結累計期間における主な成果は以下のとおりです。
・文章を入力するだけで簡単に放送アナウンス音源を作成できる「YUTTE(ゆって)」のβ版サービスの提供を開始しました。
「YUTTE」は、PCでテキスト入力を行い、話者の性別、感情、抑揚のレベルなど合計26パターンから選択すると、簡単にアナウンス音源が作成でき、その場でダウンロードして利用することができます。そのほか、チャイムやBGMなどを加えたアレンジも可能なため、公共施設、イベント会場、商業施設など、アナウンスを流す場所に応じた音声のカスタマイズが可能です。「YUTTE」をご活用いただくことにより、さまざまな状況変化に応じて放送内容の変更をタイムリーに行うことができ、マイク放送業務の低減や、アナウンサー録音と比べて短納期・低コストであるなど、放送に関わる業務の効率化に貢献できます。
「YUTTE」はユーザーの皆様が実際に操作いただき、機能を実感いただけるようβ版サービスをおおよそ1年間提供いたします。すでに観光施設や公共交通機関では試験的に導入いただいており、今後はチャイム・BGMの楽曲数や話者バリエーションの拡充といったアップデートを予定しております。
