【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用及び所得環境の改善により緩やかな回復が続いたものの、米中貿易摩擦や消費税増税の影響等により、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。また、2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、経済活動への影響が顕著に見られる様になり、景気の悪化が懸念される状況となっております。
物流ソリューション事業は、EC及び生協向けの物量の増加や人手不足を背景とした自動化設備への需要が堅調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、不透明感が増しております。一方で空港向け手荷物搬送システムは、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた積極的な設備投資が一巡し、今後の設備投資需要は一転して減少することが見込まれます。
機械・プラント事業では、新興国経済の成長や人口増加に伴ったエネルギー需要を見込んで一部に石油・ガス関連設備への投資再開の動きが出てきていたものの、産油国の生産調整交渉が進展しない最中、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により原油価格が異常な水準まで下落したことで、余力を失った石油・ガス関連の市場において大幅な設備投資抑制の動きが顕在化する等、その事業環境はますます厳しさを増しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りになりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ37億71百万円減少し、609億85百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ31億39百万円減少し、263億82百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億31百万円減少し、346億2百万円となりました。
b.経営成績
このような状況の中、2019年度の連結決算の状況は、売上高が465億18百万円(前連結会計年度比2.9%増)、営業利益は物流ソリューション事業における案件の高採算化等により25億91百万円(同84.3%増)、経常利益は29億70百万円(同67.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億17百万円(同67.5%増)となりました。また受注高につきましては、472億41百万円(同9.1%増)となりました
・物流ソリューション事業
空港向け設備案件やEC、生協、小売向けの「マルチシャトル」を組み込んだ庫内自動化設備案件を中心に売上計上されました。プロジェクト管理強化による大型案件の採算改善、メンテナンス事業の拡大、経費の減少等により営業利益は増加しました。
この結果、当事業の売上高は288億87百万円(前連結会計年度比1.3%減)、営業利益は28億12百万円(同47.4%増)、受注高は362億83百万円(同19.0%増)となりました。
・機械・プラント事業
厳しい事業環境によりタンク新設大型案件の受注獲得に至らない中、国内製油所向けのメンテナンス案件が安定的に売上高に寄与するとともに、海外子会社においてタンク以外の鉄鋼製品の加工を請け負うことで売上拡大を図ってまいりました。営業損益については、売上の拡大に加えて過年度に計上した工事案件に係る引当金の戻し利益や、徹底したコスト削減策の効果等により営業損失が縮小することとなりました。
この結果、当事業の売上高は99億50百万円(前連結会計年度比18.1%増)、営業損失は3億5百万円(前連結会計年度は営業損失12億21百万円)、受注高は99億3百万円(同13.4%減)となりました。
・その他(環境・産業インフラ事業を含む)
主に、子会社それぞれの特性を生かして産業用機械や一般建築、環境調査等への事業展開に注力した結果、売上高は76億80百万円(前連結会計年度比2.5%増)、営業利益は8億80百万円(同20.6%減)、受注高は10億53百万円(同22.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて37億93百万円増加し、114億2百万円になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は69億55百万円(前連結会計年度は66億98百万円の支出)になりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上27億88百万円、売上債権の減少78億65百万円、仕入債務の減少34億28百万円、たな卸資産の増加12億21百万円、法人税等の支払額7億72百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に用いた資金は8億12百万円(前連結会計年度は13億15百万円の支出)になりました。主な要因は、固定資産の取得による支出14億24百万円、投資有価証券の取得による支出2億50百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入8億78百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に用いた資金は23億51百万円(前連結会計年度は32億49百万円の収入)になりました。主な要因は、自己株式の取得による支出15億66百万円、配当金の支払9億1百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
1.受注実績
当連結会計年度における各事業の受注実績を示すと、次の通りであります。
なお一部の見込生産を除き、受注生産を行っております。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
物流ソリューション事業
36,283
119.0
29,090
134.1
機械・プラント事業
9,903
86.6
8,977
99.5
報告セグメント計
46,187
110.2
38,067
123.9
その他
1,053
77.3
349
77.3
合計
47,241
109.1
38,417
123.2
2.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
物流ソリューション事業
28,887
98.7
機械・プラント事業
9,950
118.1
報告セグメント計
38,837
103.0
その他
7,680
102.5
合計
46,518
102.9
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する分析・検討
(中期経営計画の目指す経営指標に関する分析)
当社グループは2019年4月からスタートしたグループ中期経営計画(2019~2021年度)を策定しております。本計画期間の3カ年を、長期ビジョンの実現のための飛躍に向けた基盤確立の時期として位置付け、初年度である2019年度はその礎石を据えるべく施策を進めてまいりました。
本計画(2019~2021年度)における各セグメントの目標数値、基本戦略及びそれらの進捗状況、並びに経営者が認識する現状の事業環境については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますので、ご参照ください。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、先行きの不透明感が増していることから、本計画期間の最終年度(2021年度)までの各年度における目標数値について当面は据え置くこととしますが、今後合理的な算定が可能となった段階で適宜見直しを検討してまいります。
2019年度の中期経営計画の目標数値と実績との比較
2019年度(目標)
2019年度(実績)
目標比
売上高
44,700
46,518
+1,818
物流ソリューション事業
27,000
28,887
+1,887
機械・プラント事業
10,300
9,950
△349
その他事業
7,600
7,813
+213
新規事業
-
-
-
営業利益
1,780
2,591
+811
物流ソリューション事業
2,200
2,812
+612
機械・プラント事業
△650
△305
+344
その他事業
980
880
△99
新規事業
-
-
-
ROE
3.7%
4.9%
+1.2pt
売上高は、目標比18億18百万円増収(4.1%増)の465億18百万円となりました。これは、物流ソリューション事業においては、本計画期間は売上高の拡大よりも収益性の向上を基本方針にしているものの、良好な事業環境のもと目標値を上回って順調に推移したことや、機械・プラント事業においても、国内メンテナンス案件を中心に概ね計画通りに進捗したこと等によるものです。
営業利益は、目標比8億11百万円増益(45.6%増)の25億91百万円となりました。これは、物流ソリューション事業でのプロジェクト管理の強化により計画以上に採算性が向上し、同事業で過去最高の営業利益を達成したことや、機械・プラント事業での徹底したコスト削減の効果等によるものです。
ROEは、当期純利益の増加により目標比1.2ポイント増加し4.9%となりました。
b.財政状態に関する分析・検討
当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べ、総資産は37億71百万円減少、負債は31億39百万円減少と、ともに大きく減少しておりますが、これは主に、前連結会計年度において物流ソリューション事業の大型プロジェクトの売上が年度末に集中したことによる営業債権・債務の前連結会計年度末の一時的な大幅増加の反動減によるものです。中でも受取手形及び売掛金は、当期において順調に売上債権の回収が進んだことにより、前連結会計年度末に比べ78億53百万円の減少となりました。一方、新型コロナウイルスの感染拡大等の先行き不透明感等のある状況下、手元流動性を確保する観点から金融機関等からの借入の返済を抑制したことで長短借入金合計は前連結会計年度末に比べほぼ横ばいとなり、現金及び預金は38億41百万円増加しております。
また純資産については、自己株式の取得を行ったこと等により6億31百万円減少しましたが、負債の減少の割合の方が大きかったために、当連結会計年度末の自己資本比率としては56.7%と前連結会計年度末に比べ2.3ポイント上昇しました。
c.キャッシュフローに関する分析・検討
当社グループの資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、資金の需給状況に応じて株主還元や成長投資にも資金を利用しております。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるキャッシュ・フローの急激な悪化に備え、当社グループでは手元流動性を十分に確保する方針を執っております。万一、追加の資金が必要になった場合には、金融機関からの借り入れにより資金を調達していく考えです。
当社グループは、当連結会計年度において株主還元に24億67百万円、成長投資に16億74百万円使用しました。当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております株主還元方針に従った自己株式の取得や配当金の支払い等、機動的な株主還元を実施しております。
また、中期経営計画に定めております、新規事業の早期収益化を目指したベンチャー投資のほか、既存事業の生産能力強化等成長投資にも資金を利用しております。
当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保するため、営業活動から獲得した手元資金を活用するほか、必要に応じて金融機関より短期借入金及び長期借入金による資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は129億56百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は114億2百万円であります。
