【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
そのため、経営成績に関する説明の当第3四半期連結累計期間の各数値は、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、対前年同四半期増減率を記載しておりません。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)における世界経済は、ゼロコロナ政策を推進する中国・上海の都市封鎖が、中国をはじめ世界経済に影響を及ぼし、ロシアのウクライナ侵攻で端を発した資源価格の上昇に加え、米国政策金利の引き上げの影響による大幅な為替変動など予断を許さない状況が継続しております。また、わが国経済においては、一部の産業で生産回復がみられましたが、歴史的な円安が進むなか輸入物価の上昇によって消費マインドは伸び悩んでおり、国内外ともに依然先行きは不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループは、永続的成長に向けて2025年までの全社基本ビジョンを「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー」と掲げ、3つの経営軸(「Innovation」「Efficiency」「Sustainability」)のもと、激変する経営環境をビジネスチャンスへと昇華し、社会からますます必要とされる価値を提供する事業に注力することで、着実に成長を遂げる真に強い企業集団へと生まれ変わるため、5か年中期経営計画『INNOVATION25』(2021-2025)を掲げ、5つの全社基本戦略(「事業構造の大転換」「生産性改革」「財務基盤の強化」「サステナブル経営の推進」「大家族主義の進化」)に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の売上高は38,233百万円(前年同四半期は35,909百万円)、営業利益2,315百万円(前年同四半期は2,177百万円)、経常利益2,929百万円(前年同四半期は2,399百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,871百万円(前年同四半期は2,308百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
(化学品事業)
売上高は27,528百万円(前年同四半期は25,040百万円)、セグメント利益は1,562百万円(前年同四半期は1,345百万円)となりました。
一部地域を除いて、コロナ禍の影響から需要回復が見られました。一方、下期以降、主力である繊維加工用薬剤は、景気低迷による需要の落ち込みが見られ、また、ウクライナ情勢の影響などにより原材料価格が激しく高騰しましたが、販売拡大、経費抑制、円安の影響、更には価格改定も寄与し、セグメント利益は増加しました。
(化粧品事業)
売上高は9,902百万円(前年同四半期は10,634百万円)、セグメント利益は2,008百万円(前年同四半期は2,161百万円)となりました。
当社デミコスメティクスにおいては、コロナ第7波によるサロン来客数減の影響を受けたものの、主力ヘアケアブランドの拡販等により堅調に推移しました。連結子会社においては、DEMI KOREA CO.,LTD.は物価高などによる消費者マインド悪化の中でも続伸した一方、山田製薬株式会社は前年同期に大口受託案件の一時的増産があった影響で売上減少しました。また全体的に原料・資材高騰の影響を受けました。
(その他)
売上高は803百万円(前年同四半期は234百万円)、セグメント利益は67百万円(前年同四半期は47百万円)となりました。
②財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,969百万円増加し56,503百万円となりました。この主な要因は、商品及び製品が956百万円及び原材料及び貯蔵品が1,003百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が834百万円増加した一方、現金及び預金が741百万円、有形固定資産が327百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,544百万円減少し25,665百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が722百万円、借入金が522百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ、3,513百万円増加し30,837百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が1,478百万円、為替換算調整勘定が1,878百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が155百万円減少したことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,641百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備投資資金については、営業活動から獲得する自己資金及び金融機関からの借入による調達を基本としております。