【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月より感染症法2類から5類へ移行し、経済活動の平常化が進むとともに緩やかな回復基調で推移しました。その一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化と円安の進行により原材料価格・エネルギー価格の高止まりが続き、物価の上昇が国内消費に及ぼす影響への懸念から経済の先行きは不透明感を増しております。
このような環境の中、当社グループにおきましては、「アフターコロナ」に移行しつつある経済環境・ライフスタイルにおける新たな社会的ニーズに対応すべく業容改革を推し進め、生活インフラである車関連事業及び外食事業を通じ地域社会に寄与すべく営業活動を行ってまいりました。
当社グループのセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<オートバックス事業>
当第2四半期連結会計期間末におけるオートバックス事業の店舗数は、15店舗であります。当第2四半期連結累計期間中における店舗の新設及び廃止はございません。
オートバックス事業が属する国内カー用品市場の環境につきましては、自動車メーカー各社の減産の要因となっていた半導体の供給不足解消に伴い、国内新車販売台数は前年を上回る状況が続いております。また、ゴールデンウィーク・お盆帰省等の外出需要もコロナ禍前の水準まで回復し、オイル・バッテリーを中心に消耗品の販売が好調に推移しました。
このような環境の中で当社グループは、「クルマのことならオートバックス」の実践を通じた地域ナンバーワンの店づくりを目指し、顧客満足度向上のための接遇・接客力の強化、技術力を備えた専門スタッフの育成に取り組んでおります。また、快適で鮮度が高い魅力的な売場による集客力の向上を図るべく、2023年5月にスーパーオートバックス環七王子神谷の店内全面改装を行い、より利便性の高い、回遊性に優れた売場へのレイアウト変更、及びウェイティングルームをリニューアルするなど既存店リノベーションへの取組みを推進いたしました。販売施策といたしましては、中期的な重点分野と位置付けるボディコーティングやヘッドライトコーティングメニュー等、車の美観向上に関するピットサービスメニューの業容拡大のため、施工設備の導入・技術スタッフの育成に注力し、順調に売上を伸ばしております。タイヤ販売につきましては、原価高騰に伴い販売価格が上昇する中、消費者への影響が懸念されましたが、低価格帯商品を充実させた売場づくりによる販売数量の確保に努めた結果、前年同期を上回る販売実績となりました。また、オイル・バッテリー部門につきましては、前連結会計年度にてWeb予約システムによるオイル交換の即日作業予約を可能とし、作業レーンを拡大する等、ピットでの受け入れ体制を強化したことにより、オイル・バッテリーとも売上が増加しております。車販売部門につきましては、中古車輸出の環境変化を背景に中古車市場で価格相場の下落傾向が見られましたが、販売台数が順調に伸長したことで増収となりました。
これらの取り組みにより、オートバックス事業の売上高は4,887,546千円(前年同期比6.6%増)となりました。
<飲食事業>
当社グループは、2019年7月に設立した子会社「株式会社バッファローフードサービス」において、㈱焼肉ライクがチェーン展開する『焼肉ライク』のフランチャイジーとして飲食事業を運営しております。当第2四半期連結会計期間末における飲食事業の店舗数は、前連結会計年度末までに開設した8店舗となっております。
『焼肉ライク』は、「Tasty! Quick! Value!」をキャッチフレーズに、1人1台の無煙ロースターを導入し、お客様が好きな部位を好きなだけ楽しむことができる、個人客をメインターゲットにした新感覚の“焼肉ファストフード店”であります。
飲食事業が属する外食業界は、「ウィズコロナ」から「アフターコロナ」への転換を経て、インバウンド需要等を取り込みつつ景況は改善傾向にあるものの、食材・エネルギー・物流・人件費等の価格上昇が逆風となっており、またコロナによる消費者のライフスタイルの変化や人手不足等を要因に売上の回復状況は業態や地域ごとに差が生じる状況となっております。
当社グループといたしましては、お客様・取引先様・従業員の安全と健康に引き続き配慮をしつつ、周辺地域への認知度向上とサービス充実に努めてまいりました。販売施策といたしましては、焼肉ライク本部主導のもと、空輸による鮮度の高い高品質なラム肉をお客様に提供する「スプリングラム“春だけの生ラム”」や、焼肉セットのご注文でごはん・キムチ・スープがおかわり自由となる「無限ごはん」、秋の季節メニュー「月見カルビ」などの期間限定企画を実施することにより、新たな客層の開拓と収益の拡充を図っております。
これらの取り組みにより、飲食事業の売上高は340,468千円(前年同期比3.2%増)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高5,228,015千円(前年同期比6.4%増)、営業利益134,581千円(同14.5%減)、経常利益165,926千円(同9.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益97,913千円(同11.0%減)となりました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
セグメント
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
対前期
増減率
(△は減少)
(%)
金額
構成比
金額
構成比
(千円)
(%)
(千円)
(%)
オートバックス事業
4,583,737
93.3
4,887,546
93.5
6.6
飲食事業
330,028
6.7
340,468
6.5
3.2
合計
4,913,765
100.0
5,228,015
100.0
6.4
各品目別の売上高及び構成比は次のとおりであります。
品目
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
対前期
増減率
(△は減少)
(%)
金額
構成比
金額
構成比
(千円)
(%)
(千円)
(%)
ピット・サービス工賃
1,492,961
30.4
1,605,291
30.7
7.5
タイヤ・ホイール
989,306
20.1
1,030,632
19.7
4.2
アクセサリー・メンテナンス用品
798,004
16.2
840,772
16.1
5.4
オイル・バッテリー
416,417
8.5
482,594
9.2
15.9
カーエレクトロニクス
492,403
10.0
475,383
9.1
△3.5
車販売
356,445
7.3
415,739
8.0
16.6
飲食
330,028
6.7
340,468
6.5
3.2
その他
38,197
0.8
37,132
0.7
△2.8
合計
4,913,765
100.0
5,228,015
100.0
6.4
(注)1.「飲食」につきましては、2022年4月に「焼肉ライク ekie広島店」・「焼肉ライク 南池袋店」、2022年10月に「焼肉ライク 川口駅東口店」を開設し、第1四半期連結会計期間より通期での営業を行っております。
2.各品目の主な内容は、次のとおりであります。
品目
主な内容
ピット・サービス工賃
オイル交換、タイヤ交換、各種用品取付、板金・塗装、車検・整備、ボディーコーティング、ヘッドライトコーティング、車内クリーニング
タイヤ・ホイール
夏用タイヤ、冬用タイヤ、アルミ・スチールホイール
アクセサリー・メンテナンス用品
チャイルドシート、キャリア、チェーン、車内アクセサリー、ドレスアップ用品(ステアリング、シート、ランプ等)、チューンナップ用品(エアロパーツ、マフラー、サスペンション等)、省燃費用品等
オイル・バッテリー
国産・輸入エンジンオイル、国産車用・外車用バッテリー
カーエレクトロニクス
カーナビゲーション、カーTV、ドライブレコーダー、DVD・CD・MDプレーヤー、スピーカー、アンプ、接続具等
車販売
新車及び中古自動車
飲食
店舗における飲食サービス
②財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は4,875,330千円となり、前連結会計年度末に比べ198,291千円(前連結会計年度末比3.9%)減少しました。これは主に商品237,273千円の増加に対して現金及び預金309,216千円、流動資産のその他に含まれる未収入金49,122千円が減少したことによるものであります。固定資産は3,211,960千円となり、前連結会計年度末に比べ47,922千円(同1.5%)増加しました。これは主に差入保証金15,011千円の減少に対して有形固定資産が56,417千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は8,087,291千円となり、前連結会計年度末に比べ150,369千円(同1.8%)減少しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は1,182,335千円となり、前連結会計年度末に比べ225,489千円(前連結会計年度末比16.0%)減少しました。これは主に買掛金53,804千円、未払法人税等49,221千円及び流動負債のその他に含まれる前受収益44,374千円の減少によるものであります。固定負債は869,255千円となり、前連結会計年度末に比べ35,650千円(同4.3%)増加しました。これは主に固定負債のその他に含まれる長期未払金9,999千円の減少に対して固定負債のその他に含まれる長期リース債務23,828千円及び退職給付に係る負債19,217千円が増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,051,591千円となり、前連結会計年度末に比べ189,839千円(同8.5%)減少しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は6,035,699千円となり、前連結会計年度末に比べ39,470千円(前連結会計年度末比0.7%)増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び配当金の支払の結果として利益剰余金が39,327千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は74.6%となりました。
(2)
キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ314,216千円減少(前年同四半期は330,571千円の減少)し、2,358,359千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、117,181千円(前年同四半期は163,653千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上165,926千円及び資金の流出を伴わない費用の計上(減価償却費83,373千円)に対し、棚卸資産の増加237,235千円、法人税等の支払額126,639千円及び仕入債務の減少53,804千円があったためであります。前年同四半期との比較では、法人税等の支払額が32,816千円、棚卸資産の増減額が23,136千円増加し、減益により税金等調整前四半期純利益が16,478千円減少する一方で、冬季商品の仕入月の相違により仕入債務の増減額が93,023千円増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、125,182千円(前年同四半期は96,490千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入100,000千円に対して、有形固定資産の取得による支出117,372千円及び定期預金の預入による支出103,000千円があったためであります。前年同四半期との比較では、オートバックス事業における店舗リノベーションの実施等の影響により、有形固定資産の取得による支出が25,447千円増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、71,852千円(前年同四半期は70,427千円の使用)となりました。これは主に、セール・アンド・リースバックによる収入15,893千円に対して、配当金の支払額58,585千円及びリース債務の返済による支出11,201千円があったためであります。前年同四半期との比較では、増配により配当金の支払額が13,121千円増加する一方、セール・アンド・リースバックによる収入15,893千円が増加しております。
(3)
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)
経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)
研究開発活動
該当事項はありません。
(7)
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金の財源は、自己資金により賄っております。
設備投資資金の財源は、増資、金融機関からの借入金、リース契約及び延払売買契約により調達しております。
長期借入金につきましては、当第2四半期連結累計期間中に全ての借入契約を完済しており、当第2四半期連結会計期間末における残高はございません。また、リース債務の残高は、103,523千円(1年内返済予定のリース債務を含む)であり、固定負債のその他に含まれる長期未払金(1年内返済予定の長期未払金含む)は109,963千円であります。
運転資金の使途は、主に店舗における商品仕入・人件費・諸経費の支払資金であります。
設備投資資金の使途は、主に新規出店に伴う店舗建物・設備・保証金・建築協力金であります。当第2四半期連結累計期間において、オートバックス事業の一部店舗における店内装備・ピット設備の取り替え及び飲食事業における保証金の支払いを行っており、設備投資総額は145,334千円となっております。
当社グループは、今後も持続的な成長に向け、営業活動から得られるキャッシュ・フローを基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案のうえ、資金調達を行ってまいります。なお、当第2四半期連結会計期間末において自己資金として現金及び預金を2,467,259千円保有しており、この先短期間で手元流動性に支障は生じないものと判
断しております。