【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新たな変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大が続く一方で、感染症対策と並行しての経済活動正常化に向けた流れが進み、国内における行動制限の解除、入国制限の緩和等が図られました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化による資源価格の高騰と、欧米の金利上昇に伴う円安を背景にインフレが進行しており、消費者の購買力低下・節約志向の強まりから先行きは不透明な状況となっております。
このような環境の中、当社グループにおきましては、変容する経済環境・ライフスタイルに対応すべく業容改革を推し進め、生活インフラである車関連事業及び外食事業を通じ地域の暮らしに寄与すべく営業活動を行ってまいりました。
当社グループのセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<オートバックス事業>
当第3四半期連結会計期間末におけるオートバックス事業の店舗数は、15店舗であります。当第3四半期連結累計期間中における店舗の新設及び廃止はございません。
オートバックス事業が属する国内カー用品市場の環境につきましては、自動車メーカー各社が部品供給の遅れにより減産を行う等、国内の新車販売台数の前年割れが続き、カーナビゲーション・ドライブレコーダー等の新車への取付需要が停滞することとなりました。その一方で、3年ぶりに行動規制が解除となったことからゴールデンウィーク・お盆帰省・年末帰省など外出機会が増加し、ロングドライブに関連した消耗品の需要が伸長しております。
このような環境の中で当社グループは、2019年5月に公表した「2019 中期経営計画」のもと「クルマのことならオートバックス」の実践を通じた地域ナンバーワンの店づくりを目指し、顧客満足度向上のための接遇・接客力の強化、技術力を備えた専門スタッフの育成に取り組んでおります。販売施策といたしましては、中期的な重点分野と位置付けるボディコーティングやヘッドライトコーティングメニュー等、車の美観向上に関するピットサービスメニューにつき継続的な拡販に努めており、堅調に売上を伸ばしております。タイヤ販売につきましては、メーカー各社の価格改定により2度の値上げを実施しましたが、低価格帯商品を充実させた売場づくりと積極的な販促活動により既存車のメンテナンス需要の取り込みを行ったことで、数量・金額ともに前年から増加しました。車販売部門につきましては、新車販売が自動車メーカーからの納車の遅れにより低迷する一方で、活性化する中古車市場を背景に買取り・オークション販売が大幅に増加した影響から、前年を上回る結果となっております。
これらの取り組みにより、オートバックス事業の売上高は7,693,565千円(前年同期比6.6%増)となりました。
<飲食事業>
当社グループは、2019年7月に設立した子会社「株式会社バッファローフードサービス」において、㈱焼肉ライクがチェーン展開する『焼肉ライク』のフランチャイジーとして飲食事業を運営しております。前連結会計年度までに開設した5店舗とともに、2022年4月7日に広島県内で同チェーン初出店となる「焼肉ライク ekie広島店」、2022年4月21日に「焼肉ライク 南池袋店」、2022年10月18日に「焼肉ライク 川口駅東口店」を新たにオープンし、当第3四半期連結会計期間末における飲食事業の店舗数は8店舗となりました。
『焼肉ライク』は、「Tasty! Quick! Value!」をキャッチフレーズに、1人1台の無煙ロースターを導入し、お客様が好きな部位を好きなだけ楽しむことができる、個人客をメインターゲットにした新感覚の“焼肉ファストフード店”であります。
飲食事業が属する外食業界におきましては、2022年3月末のまん延防止等重点措置の解除により、人流制限が緩和され、個人消費に持ち直しの兆しが見られたものの、コロナ禍でのライフスタイルの変化や、商品価格の上昇等による消費者の節約志向、また原料、エネルギー単価の高騰による企業収益への影響等、経営環境は依然厳しい状況が続いております。
当社グループといたしましては、新型コロナウイルス感染対策を行いつつ、お客様・取引先様・従業員の安全と健康を第一義とした店舗運営を徹底し、新規店舗の周辺地域への認知度向上を図るとともに、既存店舗のサービス充実に努めてまいりました。販売施策といたしましては、2022年10月より一部店舗にてサブスクプラン「焼肉フィットネス」の取り扱いを開始しており、健康志向のお客様をターゲットとしたメニューの提供による新たな客層の開拓と収益の拡充を図っております。
これらの取り組みにより、飲食事業の売上高は店舗数の増加等を反映し521,901千円(前年同期比65.0%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高8,215,467千円(前年同期比9.1%増)、営業利益404,113千円(同38.8%増)、経常利益437,561千円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益277,763千円(同0.9%減)となりました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
セグメント
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
対前期
増減率
(△は減少)
(%)
金額
構成比
金額
構成比
(千円)
(%)
(千円)
(%)
オートバックス事業
7,214,907
95.8
7,693,565
93.6
6.6
飲食事業
316,227
4.2
521,901
6.4
65.0
合計
7,531,134
100.0
8,215,467
100.0
9.1
各品目別の売上高及び構成比は次のとおりであります。
品目
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
対前期
増減率
(△は減少)
(%)
金額
構成比
金額
構成比
(千円)
(%)
(千円)
(%)
ピット・サービス工賃
2,185,090
29.0
2,329,884
28.4
6.6
タイヤ・ホイール
1,767,142
23.5
2,081,621
25.3
17.8
アクセサリー・メンテナンス用品
1,352,740
18.0
1,269,513
15.5
△6.2
カーエレクトロニクス
759,190
10.1
707,007
8.6
△6.9
オイル・バッテリー
597,005
7.9
667,710
8.1
11.8
車販売
495,579
6.6
584,943
7.1
18.0
飲食
316,227
4.2
521,901
6.4
65.0
その他
58,158
0.8
52,883
0.6
△9.1
合計
7,531,134
100.0
8,215,467
100.0
9.1
(注)1.「飲食」につきましては、2021年4月に「焼肉ライク 川越クレアモール店」を開設し、第1四半期連結累計期間より通期での営業を行っております。また、2022年4月に「焼肉ライク ekie広島店」・「焼肉ライク 南池袋店」、2022年10月に「焼肉ライク 川口駅東口店」を新たにオープンし営業を開始しております。
2.各品目の主な内容は、次のとおりであります。
品目
主な内容
ピット・サービス工賃
オイル交換、タイヤ交換、各種用品取付、板金・塗装、車検・整備、ボディコーティング、ヘッドライトコーティング、車内クリーニング
タイヤ・ホイール
夏用タイヤ、冬用タイヤ、アルミ・スチールホイール
アクセサリー・メンテナンス用品
チャイルドシート、キャリア、チェーン、車内アクセサリー、ドレスアップ用品(ステアリング、シート、ランプ等)、チューンナップ用品(エアロパーツ、マフラー、サスペンション等)、省燃費用品等
カーエレクトロニクス
カーナビゲーション、カーTV、ドライブレコーダー、DVD・CD・MDプレーヤー、スピーカー、アンプ、接続具等
オイル・バッテリー
国産・輸入エンジンオイル、国産車用・外車用バッテリー
車販売
新車及び中古自動車
飲食
店舗における飲食サービス
②財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は5,265,815千円となり、前連結会計年度末に比べ682,924千円(前連結会計年度末比14.9%)増加しました。これは主に現金及び預金107,850千円の減少に対して、売掛金543,294千円及び商品282,442千円の増加があったためであります。固定資産は3,199,265千円となり、前連結会計年度末に比べ20,265千円(同0.6%)増加しました。これは主に差入保証金27,492千円の減少に対して有形固定資産が60,077千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は8,465,081千円となり、前連結会計年度末に比べ703,189千円(同9.1%)増加しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,680,631千円となり、前連結会計年度末に比べ347,608千円(前連結会計年度末比26.1%)増加しました。これは主に賞与引当金44,334千円及び未払法人税等43,048千円の減少に対し、買掛金が375,005千円増加したことによるものであります。固定負債は835,574千円となり、前連結会計年度末に比べ91,862千円(同12.4%)増加しました。これは主に長期借入金8,120千円の減少に対し、固定負債のその他に含まれる長期未払金78,638千円が増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,516,206千円となり、前連結会計年度末に比べ439,471千円(同21.2%)増加しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は5,948,875千円となり、前連結会計年度末に比べ263,718千円(前
連結会計年度末比4.6%)増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び配当金の支払いによる利益剰余金186,840千円の増加と、新株発行による資本金38,422千円及び資本剰余金38,352千円の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は70.3%となりました。
(2)
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)
経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)
研究開発活動
該当事項はありません。
(6)
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金の財源は、自己資金により賄っております。
設備投資資金の財源は、増資、金融機関からの借入金及びリース契約により調達しております。当第3四半期連結会計期間末における長期借入金の残高は、15,500千円(1年内返済予定の長期借入金を含む)であり全て金融機関からの借入れによるものであります。また、リース債務の残高は、73,647千円(1年内返済予定のリース債務を含む)であります。
運転資金の使途は、主に店舗における商品仕入・人件費・諸経費の支払資金であります。
設備投資資金の使途は、主に新規出店に伴う店舗建物・設備・保証金・建築協力金であります。当第3四半期連結累計期間において、オートバックス事業の一部店舗の店内装備・ピット設備の取り替えと、飲食事業における新規出店に伴う設備投資を行っており、設備投資総額は223,047千円となっております。
当社グループは、今後も持続的な成長に向け、営業活動から得られるキャッシュ・フローを基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案のうえ、資金調達を行ってまいります。なお、当第3四半期連結会計期間末において自己資金として現金及び預金を2,306,448千円保有しており、この先短期間で手元流動性に支障は生じないものと判断しております。