【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて5,679百万円増加(対前期末比1.5%増)し、394,738百万円となりました。
流動資産の増加13,593百万円は、主に現金及び預金が減少したものの、商品及び製品並びに売掛金が増加したこと等によるものであります。
固定資産の減少7,913百万円は、主に有形固定資産が増加したものの、投資有価証券が保有株式の売却や時価下落に伴い減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて3,283百万円減少(同1.5%減)し、208,861百万円となりました。
流動負債の減少1,033百万円は、主に短期借入金が増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したこと等によるものであります。
固定負債の減少2,249百万円は、主に長期借入金及びその他が減少したこと等によるものであります。その他の内容は主に繰延税金負債であります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて8,963百万円増加(同5.1%増)し、185,877百万円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金及び利益剰余金が減少したものの、為替換算調整勘定の増加及び自己株式の消却による増加があったこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は46.6%(前連結会計年度末より1.6ポイント増)となりました。
b.経営成績
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、金融引締めによる経済の下振れリスクが懸念されるなか、米国では緩やかな景気持ち直しが続きました。中国では、経済活動抑制による影響もあって一部に弱さが残るものの、消費や生産を中心に持ち直しの動きがみられました。アジア新興国では、タイやインドでは景気持ち直しの動きがみられ、インドネシアでも緩やかな景気回復がみられました。欧州ユーロ圏では、英国など一部で鈍化の動きがみられるものの、緩やかな持ち直しの動きとなりました。
一方、日本経済は、ウィズコロナに向けて社会経済活動の正常化が進むなか、個人消費や企業の生産、設備投資に改善がみられ、景気は緩やかな持ち直しの動きとなりました。
こうしたなか、当社グループの連結ベースでの売上高は、円安の効果もあり373,415百万円(対前年同期比13.6%増)となりました。利益面では、主に情報電子事業の落ち込みにより営業利益10,546百万円(同4.8%減)、経常利益10,310百万円(同14.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益9,616百万円(同28.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
《情報電子事業》
情報電子事業は、主にフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)関連商材の販売低迷により、売上が減少しました。
FPD関連では、末端需要低迷による在庫過多、パネル価格の下落により生産調整が続き、関連部材の販売が大幅に減少しました。有機EL関連も生産が上がらず販売が減少しました。
LED関連では、中国市場における需要減により、関連部材の販売が減少しました。
インクジェットプリンター関連では、在宅印刷需要の継続によりコンシューマー向けが堅調に推移、産業向けも回復し、関連材料の販売が増加しました。
複写機関連では、新型コロナウィルス感染症(以下、感染症)の影響によるオフィス向けトナーの需要減少から回復し、関連材料の販売が増加しました。
太陽電池関連は、国内外で関連材料の販売が堅調でした。二次電池関連は、EV向けが好調で、関連材料の販売が増加しました。
フォトマスク関連は、主にFPD用を中心に関連材料の販売が好調でした。
半導体・電子部品関連は、データセンター、5G、車載向けが好調に推移し、関連材料の販売が伸長しました。半導体製造装置の販売は減少しました。
これらの結果、売上高は118,929百万円(同4.0%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は2,643百万円(同29.3%減)となりました。
《化学品事業》
化学品事業は、販売堅調に加え、販売価格上昇や円安効果もあり、売上が増加しました。
樹脂原料・添加剤の販売は、ウレタン関連等の販売が伸長しました。
自動車部品用の原料販売は、放熱材原料などの販売が好調でした。
塗料・インキ・接着剤分野では、自動車用塗料原料などの販売が増加しました。
製紙用薬剤は、段ボール向けの販売が堅調でした。
建築資材関連では、欧州材や国内向け集成材の販売が好調でした。
これらの結果、売上高は45,648百万円(同26.7%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は1,406百万円(同34.8%増)となりました。
《生活産業事業》
生活産業事業は、ライフサイエンス関連、食品関連ともに販売が堅調に推移し、売上が増加しました。
ライフサイエンス関連では、医薬品、化粧品および日用品の原料販売が好調でした。防殺虫剤の原料販売は低調でした。
食品関連では、農産品は量販店・宅配向け冷凍野菜・果実の販売が好調でした。
水産品は、回転寿司・量販店向け水産加工品の販売が低調でした。米国市場でのシーフード商品は、販売が減少しました。
これらの結果、売上高は21,569百万円(同17.8%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は主に米国市場でのシーフード商品の利益率低下により、1,171百万円(同14.3%減)となりました。
《合成樹脂事業》
合成樹脂事業は、需要の回復に加え、円安および樹脂価格高止まりの影響により売上が増加しました。
汎用樹脂関連では、価格の上昇もあり、日用品関連を除き総じて好調でした。
高機能樹脂関連では、自動車・OA関連において電子部品不足の影響が続くものの、樹脂価格の上昇もあり堅調でした。
コンパウンド事業は、自動車減産の影響が続き、低調でした。
ポリオレフィン原料の販売は、価格の上昇効果もあり好調でした。
フィルム関連では、価格の上昇効果や感染症の規制緩和もあり、軟包装分野が回復しました。国内グループ会社における製袋品の販売は、価格転嫁の遅れにより利益面で苦戦しました。
シート関連では、コンビニ向けは低調でしたが、価格の上昇により売上が増加しました。
スポーツ資材関連では、国内外ともにグリップテープ等の販売が大きく回復しました。
新規リサイクル原料ビジネスは順調に伸長しました。
これらの結果、売上高は187,178百万円(同24.5%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は5,261百万円(同8.2%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、仕入債務の減少額及び棚卸資産の増加額、配当金の支払額、法人税等の支払額、投資有価証券売却益、定期預金の預入による支出が税金等調整前四半期純利益及び売上債権の減少額、投資有価証券の売却による収入、定期預金の払戻による収入、短期借入金の純増加額を上回ったこと等により、前連結会計年度末に比して3,532百万円減少の24,719百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は7,394百万円(前年同期は13,872百万円の使用)となりました。これは主に、仕入債務の減少額及び棚卸資産の増加額、法人税等の支払額、投資有価証券売却益が税金等調整前四半期純利益及び売上債権の減少額、減価償却費を上回ったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果獲得した資金は5,741百万円(前年同期は5,767百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は3,766百万円(前年同期は9,930百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額及び自己株式の取得による支出、長期借入金の返済による支出が短期借入金の純増加額を上回ったこと等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、24百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。