【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(以下、当期)の日本経済は、緩やかな回復を辿りました。物価上昇が続くなか、雇用・所得環境が改善する下で、個人消費は持ち直しています。企業も良好な業績を背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を進めています。一方、世界経済は金融引き締めの影響から、一部地域に弱さがみられながらも底堅さを維持しています。
日本の株式市場は、日本経済が物価上昇を伴う望ましい経済環境へ移行しつつあるとの見方や日本企業のガバナンス改革への期待から海外投資家の買いが続いたことにより、6月中旬までは上昇基調で推移しました。日経平均株価は7月3日に3万3,753円と1990年3月以来、およそ33年ぶりとなるバブル経済崩壊後の高値をつけましたが、その後は米国経済のソフトランディング(軟着陸)への期待と米金融引き締め長期化観測の綱引きから一進一退となりました。米長期金利の上昇を受けて日経平均株価は下げ、8月18日には3万1,450円と6月1日以来2カ月半ぶりの安値まで下落しましたが、この水準を底に反発に転じ、9月15日には一時、バブル経済崩壊後の高値に迫る場面がありました。しかし、日銀による緩和修正への思惑が根強いなかでの国内長期金利の上昇や原油高からその後はやや軟調に推移し3万1,857円で当期末を迎えました。
外国為替市場では、高インフレ抑制のための米金融引き締めの長期化観測が強まるなか、米長期金利が上昇し日米の金利差を背景とした円売り・ドル買いが進みました。対ドルの円相場は期初1ドル=130円台前半でしたが、当期末は1ドル=149円台半ばで終えました。
日本の新興株式市場で、東証マザーズ指数は6月に入って急騰し6月21日に864と2022年1月以来、約1年5カ月ぶりの高値をつけました。しかし、その後は下落に転じ729で当期末を迎えました。
東証グロース市場で、東証グロース市場指数は6月21日に1,092まで上昇し、2022年4月の指数算出以来の高値をつけました。しかし、その後は下落を続け、938で当期末を迎えました。
当期における東証プライム市場の一日平均売買代金は3兆9,215億円、スタンダード市場の一日平均売買代金は1,303億円、グロース市場の一日平均売買代金は1,686億円となりました。
当社は、このような環境下、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指し、新中期経営計画「3・D」の目標である預り資産3兆円への拡大をするため、ファンドラップと投資信託によるストック型資産の倍増に取り組んでおります。
株式につきましては、低金利環境、インフレの下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、引き続きお客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。
いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は2,280億円(前年同期末比17.6%増)となりました。
投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」や「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。当期末の残高は、7,331億円(前年同期末比1.2%増)となりました。
グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高が引き続き増加し、当期末の運用資産残高は4,681億円(前年同期末比10.1%増)となりました。
以上の結果、当社グループの純営業収益は91億47百万円(前年同期比7.5%増)となりました。また、販売費・一般管理費は79億22百万円(同1.9%増)となり、差し引き営業利益は12億24百万円(同66.1%増)となりました。
なお、当期末の預り資産は、2兆459億円(前期末比7.2%増)となりました。
また、当社が目指している「ストック型ビジネスモデル」への転換進捗状況を示す重要な経営指標の一つと位置付けておりますコストカバー率(投資信託の信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の販管費に対する比率)は、57.9%(前年同期比4.4ポイント増)となりました。
主な内訳につきましては以下のとおりです。① 受入手数料受入手数料の合計は89億26百万円(前年同期比7.3%増)となりました。委託手数料:株券の委託手数料は26億31百万円(前年同期比20.1%増)となりました。このうち、中小型株式(東証スタンダード、東証グロース、名古屋メイン、名古屋ネクスト)の委託手数料は3億51百万円(同8.0%増)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は13.9%となりました。募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:投資信託に係る手数料が13億72百万円(前年同期比5.6%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は13億86百万円(同5.8%減)となりました。その他の受入手数料:その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が20億91百万円(前年同期比2.6%増)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が10億54百万円(同8.3%増)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等14億40百万円(同25.4%増)等を加え、合計48億68百万円(同9.7%増)となりました。
② トレーディング損益株券等のトレーディング損益は、44百万円(前年同期比194.4%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、9百万円(同34.8%減)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は53百万円(同81.7%増)の利益となりました。
③ 金融収支金融収益は、84百万円(前年同期比2.4%増)、金融費用は、20百万円(同9.6%増)となり、差し引き金融収支は64百万円(同0.3%増)となりました。
以上の結果、当期の純営業収益は91億47百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、79億22百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
⑤ 営業外損益 営業外収益が、投資有価証券配当金11百万円等で21百万円、営業外費用が、投資事業組合運用損11百万円等で11百万円となり、差し引き10百万円(前年同期比61.2%減)の利益となりました。
以上の結果、当期の経常利益は12億34百万円(前年同期比61.7%増)となりました。
⑥ 特別損益特別利益は投資有価証券売却益等で48百万円、特別損失は固定資産除却損等で1百万円となり、差し引き47百万円(前年同期比45百万円の増加)の利益となりました。
これらにより、税金等調整前四半期純利益は12億82百万円(前年同期比67.5%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税4億94百万円を減算し法人税等調整額67百万円を加算した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億54百万円(同70.8%増)となりました。
(2)財政状態の状況① 資産前期末に比べて53億73百万円(12.6%)増加し、480億44百万円となりました。これは、現金・預金が49億53百万円増加したこと等によるものです。
② 負債前期末に比べて50億46百万円(34.0%)増加し、198億90百万円となりました。これは、預り金が63億54百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産前期末に比べて3億27百万円(1.2%)増加し、281億53百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益8億54百万円を計上した一方で、配当金の支払い5億73百万円があったこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は58.6%(前期末は65.2%)となりました。また、当社の自己資本規制比率は527.2%(前期末は505.8%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益12億82百万円を計上、預り金及び受入保証金の増加による62億42百万円の増加、募集等払込金の増加による16億4百万円の減少等により、47億3百万円(前年同期比20億42百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出の一方で、投資有価証券の償還による収入等により、△1億82百万円(同22百万円の増加)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額5億70百万円等により、△5億67百万円(同13億5百万円の増加)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末残高に比べ、39億53百万円増加し、193億17百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動該当事項はありません。
(6)主要な設備該当事項はありません。
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