【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の正常化の両立を目指す段階へと移行する中、一部業種においては緩やかな景気回復の動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化等に伴うエネルギー・資源価格の高騰や円安による物価高騰等により、景気の見通しは不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループは医薬品事業において、市場への安定供給という課題に対し、供給体制を強化するため、製造人員の増強とシフト生産体制の構築に取り組んでまいりました。しかしながら、一部原料の製造メーカーにおいて製造方法の承認書からの逸脱が判明し、一部製造ロットの自主回収や仕掛品のロットアウトが発生するなど依然として、安定供給の課題解消には至っておりません。また、感染管理事業では二酸化塩素のエビデンス強化に係る研究開発を通じた製品訴求力の向上や、消費者の皆様への信頼醸成に向けたマーケティング施策に取り組んでまいりました。10月からは「クレベリン 置き型」の除菌機能試験を再現した新CM「事実、クレベリン。」篇の放映をするなど、今後の需要期に向け、新たなコミュニケーションの展開を始めております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、主に医薬品事業の増収により、対前年同期比30.3%増の4,417百万円となりました。売上総利益につきましては、医薬品事業の増収影響や感染管理事業の棚卸資産評価損の減少等により対前年同期比276.2%増の1,791百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、前期から進めている構造改革による固定費削減や継続的なコスト削減施策の実行により前年同期比30.7%減少し2,235百万円となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業損失は444百万円(前年同期は2,750百万円の営業損失)、経常損失は589百万円(前年同期は2,898百万円の経常損失)となりました。特別利益につきましては、当社の出資先であるクオリプス株式会社が2023年6月27日東証グロース市場へ上場し、保有株式の一部を売却したことから投資有価証券売却益87百万円を計上したほか、一部土地の売却に伴う固定資産売却益76百万円を計上しております。また、特別損失につきましては、茨木工場の原状回復工事費用の見積り変更等による減損損失等110百万円を計上しております。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純損失につきましては562百万円(前年同期は3,182百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
なお、2023年4月11日付で消費者庁より景品表示法第8条第1項に基づき607百万円の課徴金納付命令を受けましたが、当該課徴金額は前連結会計年度において課徴金引当金繰入額として全額損失計上しておりますので、当第3四半期連結累計期間に与える影響はございません。また、7月31日に課徴金の納付を完了しております。
セグメント別の経営成績につきましては以下の通りであります。
(医薬品事業)
医薬品事業につきましては、国内の止瀉薬市場(2023年9月累計)が対前年で113.9%となり、新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、コロナ前の水準に戻りつつあります。堅調な需要に対し、シフト生産体制による操業時間拡大等の取り組みが進捗した一方で、一部原料の製造メーカーにおいて製造方法の承認書からの逸脱が判明し、一部製造ロットの自主回収や仕掛品のロットアウトが発生するなど、供給課題は依然解消には至っておりません。製品関連では「ラッパのマークの正露丸」シリーズの液体カプセルタイプ「正露丸クイックC」のリニューアルを7月に行うとともに、SNSでのコミュニケーションを展開し若年層への訴求を強化してまいりました。この結果、国内向けの医薬品売上高につきましては、前年同期比29.1%増の2,459百万円となりました。海外向けにつきましては、国内市場との生産調整によって遅れていた供給を一部再開できたことや、香港・中国向けの出荷価格見直しにより約20%の値上げを実施したこと等から、前年同期比144.5%増の1,229百万円となりました。
これらの結果、医薬品事業につきましては、対前年同期比53.2%増の3,688百万円の売上高となりました。また、セグメント利益につきましては、主に増収影響やコスト削減等により、前年同期比997百万円増加し955百万円となりました。
・外部顧客への売上高の内訳(医薬品事業)
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2023年1月1日
至 2023年9月30日)
国内
1,904
2,459
海外
502
1,229
合計
2,407
3,688
(感染管理事業)
感染管理事業につきましては、ドラッグストア等の販売店における通年商品化に向けた営業活動強化に加え、「クレベリン 置き型3個入り」を新たに発売し、秋冬の需要期に向けた店頭展開強化を図ってまいりました。また、10月からは「クレベリン 置き型」の除菌機能試験を再現した新CM「事実、クレベリン。」篇の放映をするなど、消費者の皆様への理解促進に向けたコミュニケーションの強化を図ってまいります。
当第3四半期連結累計期間までの市場需要は引き続き低水準で推移しており、売上高は前年同期比で251百万円減少の724百万円となりました。また、セグメント損失につきましては、棚卸資産評価損の減少や各種費用の抑制により前年同期比で1,156百万円改善し643百万円となりました。
・外部顧客への売上高の内訳(感染管理事業)
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2023年1月1日
至 2023年9月30日)
国内:一般用
344
331
国内:業務用
509
332
海外
122
59
合計
976
724
(その他事業)
その他事業につきましては、主に木酢液を配合した入浴液や園芸用木酢液等の製造販売を行い、売上高は4百万円、セグメント損失につきましては17百万円となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は15,812百万円(前連結会計年度末比766百万円増)となりました。また負債合計は6,049百万円(同952百万円減)、純資産合計は9,763百万円(同1,718百万円増)となりました。前連結会計年度末からの主な変動要因は、現金及び預金の増加等による流動資産1,313百万円の増加や有形固定資産の減少等による固定資産547百万円の減少、長期借入金の返済等による固定負債937百万円の減少、また、資本金及び資本剰余金の増加等による純資産1,718百万円の増加等であります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、173百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの資金調達の基本方針について重要な変更はありません。
(7)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。