【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は400億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億5百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は73億43百万円となり、前連結会計年度末に比べて11億50百万円増加しました。当連結会計年度末の純資産合計は326億79百万円となり、前連結会計年度末に比べて10億55百万円増加しました。
b.経営成績
連結売上高は550億28百万円(前年同期比14.5%増)、連結営業利益は20億11百万円(前年同期は44百万円)、連結経常利益は23億88百万円(前年同期比527.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億42百万円(前年同期は87百万円)となりました。
② 経営者の視点による経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は400億23百万円となり、前連結会計年度末に比べて22億5百万円増加しました。流動資産は214億60百万円となり、23億5百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が11億5百万円、売上債権が8億89百万円、棚卸資産が3億56百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は185億62百万円となり、1億円減少しました。主な要因は、建設仮勘定等で有形固定資産が9億61百万円増加した一方で、ソフトウエア等で無形固定資産が2億73百万円、保険積立金等で投資その他の資産が7億87百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は73億43百万円となり、前連結会計年度末に比べて11億50百万円増加しました。流動負債は60億75百万円となり、11億98百万円増加しました。主な要因は、仕入債務が94百万円、未払法人税等が6億90百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は12億68百万円となり、48百万円減少しました。
当連結会計年度末における純資産合計は326億79百万円となり、10億55百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が10億30百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて2.0ポイント低下し81.5%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染に対する行動規制を緩和するという政府方針のもと、正常化へ向かい始めました。しかしながら、地政学的リスクの高まりに加えてエネルギー価格や原材料価格の高止まり、為替や金利の振れ幅増大など、世界規模で不確実な要素が幾つも存在し、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
当社グループが属する業界においては、2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、脱プラスチックの流れはますます加速することとなり、消費行動についてもインターネット通販市場の拡大や、催事・イベント関連資材の需要が回復するなど、引き続き大きく変化しています。
このような状況のもとで、当社グループは、「“パッケージ×サービス”でお客様に元気を届けるトータルパートナーを目指す」と定めた長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画に沿った活動を継続いたしました。
(販売部門別活動の状況)
当社は、営業販売部門、店舗販売部門、通信販売部門の3つのルートを有しています。
営業販売部門及び店舗販売部門では、既製品の主力商品や環境配慮型商品の拡販に努め、特注品の受注活動に注力いたしました。また、店舗外商活動にも力を入れ販路を拡大させました。加えて、経済活動の回復に伴い全国的に催事・イベント活動が復活してきたことを受けて関連する資材の需要が拡大したこともあり、売上は増加いたしました。
通信販売部門では、「シモジマオンラインショップ」において、会員数は順調に伸び、注文単価も上昇しました。飲食店向けのテイクアウト需要の伸びに加え、小売店向けの資材が回復、さらにメーカー直送に特化した「シモジマモール」の出品社数や掲載商品点数が増えたこともあり、売上は増加いたしました。
これら各ルートの販売活動が活性化したことで、売上高は設立以来初めて500億円を突破し、過去最高額を計上いたしました。
利益面では、年間を通じて大幅に売上が伸びたことで、売上総利益が増加いたしました。また、物流費をはじめとする販売費及び一般管理費を抑制する成果が表れたことで、各利益も前年同期比で増加いたしました。
この結果、連結売上高は550億28百万円(前年同期比14.5%増)、連結営業利益は20億11百万円(前年同期は44百万円)、連結経常利益は23億88百万円(前年同期比527.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億42百万円(前年同期は87百万円)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
d.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について
当社は2021年11月に、2026年3月期までの5年間を対象とした中期経営計画を策定し、開示を行いました。中期経営計画では、2026年3月期の目標として、売上高を650億円、営業利益率を3.0%、ROA(総資産経常利益率)を5.0%と設定しています。
③ 仕入及び販売の実績
a.商品・原材料仕入実績
当連結会計年度の商品・原材料仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
紙製品(百万円)
5,224
99.8
化成品・包装資材(百万円)
15,038
113.7
店舗用品(百万円)
10,150
110.0
その他(百万円)
-
-
合計(百万円)
30,413
109.9
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
紙製品(百万円)
9,998
110.7
化成品・包装資材(百万円)
31,836
118.1
店舗用品(百万円)
13,193
109.2
その他(百万円)
-
-
合計(百万円)
55,028
114.5
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(セグメント別活動の状況)
当社事業は主に紙製品事業、化成品・包装資材事業、店舗用品事業の3つのセグメントで構成されています。
〔紙製品事業〕
紙製品事業は、当社創業以来の主力事業としてオリジナルブランドの紙袋、包装紙、紙器を中心に販売しております。テイクアウト・フードデリバリー資材、通販資材が引続き好調で、売上は増加いたしました。その結果、紙製品全体の連結売上高は99億98百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
〔化成品・包装資材事業〕
中核の化成品・包装資材事業においては、市場と顧客ニーズに適合した商品開発と拡販に取組みました。小売業、飲食業における需要が回復し、食品包材を中心とした催事・イベント関連資材需要の復活も相まって売上は堅調に推移しました。その結果、化成品・包装資材事業の連結売上高は318億36百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
〔店舗用品事業〕
店舗用品事業においては「店舗及びオフィスで使用するあらゆるものが揃う」をコンセプトに取組んでおります。当期は、催事・イベント関連資材や飲食業向け資材が堅調に推移しました。さらに前期グループ入りした株式会社グローバルブランドが当事業の売上に付加されたことにより、連結売上高は131億93百万円(前年同期比9.2%増)となりました。
(今後の見通し)
今後のわが国経済の見通しにつきましては、経済活動の正常化を背景に、内需を中心に持ち直しが期待されるものの、依然として、原材料価格の上昇や供給面での制約など、不確実な状況が続き、金融資本市場の変動等による下振れリスクの可能性もあることから、個人消費や企業の設備投資に及ぼす影響は今後も長期化することが懸念され先行きは不透明です。
このような状況の中、当社グループは、2021年11月に発表した中期経営計画に沿って活動を続けてまいります。新型コロナウイルスの完全な終息には至っていませんが、今後は今まで以上に行動規制のない社会に回帰していくと想定されます。そのような情勢のもと、更なる催事・イベント等が開催されることによって創出される関連資材や、入国制限緩和に伴うインバウンド需要の増大は、当社の業績を押し上げる効果があると考えています。
一方で、人件費や物流費、またエネルギー価格を始めとする原材料価格の高止まり、不安定な為替変動は、懸念材料として残ります。
物流費の高騰に対しては、積極的な投資によって得られる物流システムの効率化で対処してまいります。原材料価格の高騰に対しては、調達チャネルを増やし、仕入れコストの抑制に努めます。また、企業努力だけで吸収しきれないコスト上昇の場合は、市場の動向を慎重に見極めながら販売価格への転嫁も検討するなどの対策は講じますが、原材料価格の高騰による影響は大きくなることが予想されます。
次期につきましては、連結売上高576億円(前期比4.7%増)、連結営業利益21億円(前期比4.4%増)、連結経常利益24億円(前期比0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(前期比3.7%増)を見込んでおります。
当社は、サステナビリティ経営を推進するために2022年11月に代表取締役社長を委員長、全執行役員を委員とした、サステナビリティ委員会を設置いたしました。今後もマテリアリティ(重要課題)解決に向けて、サステナビリティ経営を推進し、コーポレートガバナンスに沿った経営をさらに促進してまいります。
※詳しくは当社ホームページをご覧ください。
中期経営計画:https://www.shimojima.co.jp/dcms_media/other/CK20211124.pdf
サステナビリティ:https://www.shimojima.co.jp/sustainability.html
(2) キャッシュ・フローの状況並びに当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
① キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは23億28百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益にて24億46百万円、減価償却費にて9億13百万円、のれん償却額にて1億24百万円それぞれ計上したことにより資金が増加した一方で、売上債権にて8億89百万円、棚卸資産にて3億56百万円それぞれ増加した影響により資金が減少したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは3億78百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出により14億34百万円の資金が減少した一方で、保険積立金の解約による収入により9億93百万円の資金が増加したことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは6億86百万円の減少となりました。これは主に、配当金の支払いにより5億11百万円の資金が減少したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は71億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億63百万円増加しました。
② 資金需要
当社グループは、厳しい経営環境の中、多様化するお客様のニーズに応えるため、積極的に店舗、生産設備、物流及びITへの投資を推進してまいります。
③ 資本の財源
当社グループは、営業販売、店舗販売及び通信販売を基軸として多種多様な販売チャネルでの売上により、安定的に資金を確保することができます。特に、当社グループは、オリジナルブランド商品を持つ強みと直営店舗による小売販売で比較的高い粗利益率を確保しております。営業キャッシュ・フローにおいても毎年安定した資金を生み出しており、基本的には中長期的にも概ね自己資金で充足できるものと判断しておりますが、海外仕入商品については、為替の変動及び原材料価格の変動により継続して大きな打撃を受ける場合があり、外部調達の検討も考えております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。