【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)重要な会計方針
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
(2)財政状態の分析
2021年11月12日に行われた株式会社グローバルブランドとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、第2四半期連結会計期間に確定しております。そのため、資産、負債及び資本の状況については、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いて前連結会計年度末との比較・分析を行っております。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は406億24百万円となり、前連結会計年度末に比べて28億7百万円増加しました。流動資産は219億96百万円となり、28億41百万円増加しました。主な要因は、売上債権で23億88百万円、棚卸資産で7億21百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定資産は186億28百万円となり、34百万円減少しました。主な要因は、建設仮勘定等により有形固定資産で9億83百万円増加したものの、ソフトウェア・のれん等により無形固定資産で2億49百万円、保険積立金等により投資その他の資産で7億68百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は81億12百万円となり、前連結会計年度末に比べて19億18百万円増加しました。流動負債は68億56百万円となり、19億79百万円増加しました。主な要因は仕入債務で7億44百万円、未払法人税等で5億60百万円それぞれ増加したことによるものであります。また、固定負債は12億56百万円となり、60百万円減少しました。
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、325億12百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億88百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が9億55百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.6ポイント低下し、79.9%となりました。
(3)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年12月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染に対する行動規制を緩和するという政府方針のもと、正常化へ向かい始めました。一方、地政学的リスクの高まりに加えてエネルギー価格や原材料価格の高止まり、為替や金利の振れ幅増大など、世界規模で不確実な要素が幾つも存在し、先行きはいまだ不透明な状況にあります。
当社グループが属する業界においては、4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、脱プラスチックの流れがますます加速しています。また、インターネット通販市場の拡大や、イベント関連資材の需要が回復するなど、消費行動も引き続き大きく変化しています。
このような状況のもとで、当社グループは、「“パッケージ×サービス”でお客様に元気を届けるトータルパートナーを目指す」と定めた長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画に沿った活動を継続しております。
(販売部門別活動の状況)
当社は、営業販売部門、店舗販売部門、通信販売部門の3つのルートを有しています。
営業販売部門及び店舗販売部門では、既製品の主力商品や環境配慮型商品の拡販に努め、特注品の受注活動に注力いたしました。また、店舗外商活動にも力を入れ販路を拡大させました。加えて、経済活動の回復に伴い全国的に催事・イベント活動が復活してきたことを受けて関連する資材の需要が拡大したこともあり、売上は増加いたしました。
通信販売部門では、「シモジマオンラインショップ」において、会員数は順調に伸び、注文単価も上昇しました。更にメーカー直送に特化した「シモジマモール」の出品社数や掲載商品点数が増えたこともあり、売上は増加いたしました。
これら各ルートの販売活動活性化に加え、原材料価格の高止まりや大幅な円安の進行による原価の上昇に対応して売価を見直したことも売上の拡大に寄与しました。
利益面では、売上伸長により売上総利益が増加しました。また、物流費をはじめとする販売費及び一般管理費を圧縮する成果が表れたこともあり、各利益も前年同期比で大幅に増加いたしました。
この結果、連結売上高は419億69百万円(前年同期比15.5%増)、連結営業利益は18億36百万円(前年同期比742.5%増)、連結経常利益は21億円(前年同期比344.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は14億67百万円(前年同期比457.0%増)となりました。
(商品セグメント別活動の状況)
当社事業は主に紙製品事業、化成品・包装資材事業、店舗用品事業の3つの商品セグメントで構成されています。
[紙製品事業]
紙製品事業は、当社創業以来の主力事業としてオリジナルブランドの紙袋、包装紙、紙器を中心に販売しております。テイクアウト・フードデリバリー資材、通販資材が引続き伸びたことで紙製品全体の連結売上高は76億7百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
[化成品・包装資材事業]
中核の化成品・包装資材事業においては、市場と顧客ニーズに適合した商品開発と拡販に取組みました。小売業、飲食業における需要が回復し、催事・イベント関連資材需要の復活も相まって売上は堅調に推移し、連結売上高は242億13百万円(前年同期比19.2%増)となりました。商品としては、環境配慮型商品であるバガス、フードカップ、カトラリー等の食品包材の伸びが顕著でした。
[店舗用品事業]
店舗用品事業においては「店舗及びオフィスで使用するあらゆるものが揃う」をコンセプトに取組んでおります。当期は、催事・イベント関連資材や飲食業向け資材が堅調に推移しました。更に昨年グループ入りした株式会社グローバルブランドが当事業の売上を牽引したことにより、連結売上高は101億48百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
(当四半期における重要なトピックス)
1.サステナビリティ委員会設置
当社は、2022年11月28日に代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置いたしました。
当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応が経営の重要課題であると認識し、経営理念を基礎とした活動を通して、持続可能な社会の実現及び継続的な企業価値向上を目指しています。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する基本方針を設定する他に、マテリアリティ(重要課題)を抽出し、リスク低減及び課題の解決に向けた目標設定や進捗を管理し、取締役会の承認を得た上で決定した方針等を各部門に速やかに通知し、それを管理する役割を担います。
2.一般社団法人more treesへの協賛
当社は、「都市と森をつなぐ」をキーワードに森林保全を行っている一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)の活動に賛同し、当社の利益の一部を寄付することで、森林保全活動の支援を開始いたしました。
「包装用品とこれに関連する事業を通じ快適な社会づくりに貢献する」という経営理念のもと、環境方針及び環境実行計画を策定し、環境マネジメントシステムの継続的な改善と環境負荷の低減を目指した自社ブランド商品の企画・開発と品質管理に注力しております。
包装資材としての紙製品を扱う企業の責任として、今後はmore treesへの支援とこれに関連した営業活動や店舗でのポスター掲示を通して、当社に関わる全ての皆様とともに環境意識の向上と、一層の環境保全活動の推進を図ってまいります。
3.~魚が嫌うレジ袋~ 海洋生分解性レジ袋「ENER FISH(エネルフィッシュ)」の開発
三菱ケミカルグループ、株式会社キラックス及び当社は、植物由来の生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS™」と、魚が苦みを感じる成分「安息香酸デナトニウム」を使用した海洋生分解性レジ袋を共同で開発し、当社がレジ袋「ENER FISH(エネルフィッシュ)」の海洋生分解性グレードとして販売を開始いたしました。
このレジ袋の特徴は以下のとおりです。
◆海洋において、1年間で約90%が水と二酸化炭素に分解されます。
◆一般的な石油由来の原料を使用したレジ袋に比べ焼却時の二酸化炭素排出量が約30%削減されます。
◆人や魚が口にすると強い苦みを感じる有機化合物である安息香酸デナトニウムを配合することで、海洋生物が誤って飲み込んでしまうリスクを低減しています。