【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。なお、2022年10月31日(米国東部時間)に行われたFocus Plumbing LLC、Focus Framing, Door & Trim LLC、Focus Electric LLC、Focus Concrete, LLC及びFocus Fire Protection LLCとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていましたが、当第1四半期連結会計期間に確定したため、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。
(1) 経営成績の状況当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結業績は、売上高は6,507億円となり前年同四半期連結累計期間比(以下、「前年同期比」)197億円の減収、営業利益は218億円で前年同期比276億円の減益、経常利益は214億円で前年同期比302億円の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は96億円で前年同期比202億円の減益となりました。
(セグメント別概況)当社グループの3つの報告セグメント「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」及び「その他」に区分してご説明します。 売上高は、「住宅」及び「ヘルスケア」が堅調に推移しましたが、「マテリアル」は中国を中心とした想定以上の需要減速や市況下落の影響を受け、減収となりました。営業利益は、「マテリアル」で需要減速や市況下落の影響を受けた他、「ヘルスケア」は医薬・医療事業において買収影響や費用増加の影響を受けるなど、全報告セグメントにおいて減益となりました。
「マテリアル」セグメント売上高は2,968億円で前年同期比426億円の減収となり、営業利益は76億円で前年同期比191億円の減益となりました。市況下落による原燃料価格の低下や為替の円安影響による増益効果があった一方、基盤マテリアル事業の石化関連製品やライフイノベーション事業の製品をはじめ、「マテリアル」全体が中国を中心に想定以上の需要減速による販売量減少の影響を受けました。また、基盤マテリアル事業においては、交易条件の悪化に加えて在庫受払差や定修影響による減益影響があり、利益が減少しました。以上のことなどから、全体では減収・減益となりました。
「住宅」セグメント売上高は2,211億円で前年同期比144億円の増収となり、営業利益は134億円で前年同期比19億円の減益となりました。建築請負部門では、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇が進んだものの、資材価格の高騰や工事棟数の減少により、減益となりました。また、北米事業においては、Focusの新規連結による業績寄与がありましたが、工事数量の減少に加え、木材市況下落に対し高い売値を維持できた前年度に対して収益率が悪化し、減益となりました。以上のことなどから、全体では増収・減益となりました。
「ヘルスケア」セグメント売上高は1,294億円で前年同期比80億円の増収となり、営業利益は96億円で前年同期比53億円の減益となりました。医薬事業では、Envarsus XRを中心に主力製品が好調に販売数量を伸ばしたものの販管費が増加し、医療事業では、原燃料価格の高騰影響やBionovaの新規連結による減益影響等により、減益となりました。クリティカルケア事業においては、除細動器の製品構成差による利益率低下の一方、LifeVestの保険償還状況の改善により、営業利益は前年同期並みとなりました。以上のことなどから、全体では増収・減益となりました。
「その他」売上高は34億円で前年同期比4億円の増収となり、営業利益は6億円で前年同期比0億円の増益となりました。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が567億円、無形固定資産が408億円、有形固定資産が271億円、棚卸資産が160億円、投資有価証券が150億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて1,512億円増加し、3兆6,051億円となりました。 負債は、未払費用が282億円、支払手形及び買掛金が211億円減少したものの、有利子負債(リース債務除く)が966億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて599億円増加し、1兆8,184億円となりました。 純資産は、配当金の支払250億円があったものの、為替換算調整勘定が985億円増加したことや親会社株主に帰属する四半期純利益を96億円計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて913億円増加し、1兆7,867億円となりました。 この結果、自己資本比率は48.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは302億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは551億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は249億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは648億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加168億円がありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結累計期間末の残高は、前連結会計年度末に比べ566億円増加し、3,045億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、未払費用の減少320億円などの支出があったものの、減価償却費366億円、税金等調整前四半期純利益190億円などの収入があったことから、302億円の収入(前年同四半期連結累計期間比703億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出456億円、無形固定資産の取得による支出84億円などがあったことから、551億円の支出(前年同四半期連結累計期間比270億円の支出の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払250億円、社債の償還による支出200億円などがあったものの、長期借入れによる収入655億円、コマーシャル・ペーパーの増加470億円などの収入があったことから、648億円の収入(前年同四半期連結累計期間比710億円の収入の減少)となりました。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、25,963百万円です。