【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の状況当社グループの当第3四半期連結累計期間における連結業績は、売上高は2兆404億円となり前年同四半期連結累計期間比(以下、「前年同期比」)2,157億円の増収、営業利益は1,163億円で前年同期比577億円の減益、経常利益は1,119億円で前年同期比723億円の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は660億円で前年同期比746億円の減益となりました。
(セグメント別概況)当社グループの3つの報告セグメント「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」及び「その他」に区分してご説明します。 売上高は為替の円安影響や石化製品市況の高騰等により、全セグメントで増収となりました。一方、営業利益は半導体不足の長期化、中国ロックダウン、景気後退等による需要の減速に加え、原燃料価格高騰等の影響を受けたことや、「ヘルスケア」において前年同期に一時的なプラス要因等があったことにより、減益となりました。なお、第1四半期連結会計期間より、組織変更に伴い、従来「住宅」セグメント及び「その他」に含めていた一部の事業並びに「全社費用」に含めていた一部の研究組織等を「マテリアル」セグメントに含めて表示しています。それに伴い、前年同期比較については、前年同期を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
「マテリアル」セグメント売上高は1兆58億円で前年同期比1,147億円の増収となり、営業利益は487億円で前年同期比396億円の減益となりました。為替の円安影響や石化製品市況の高騰等を受けた価格転嫁により販売価格が上昇し、またデジタルソリューション事業が堅調に推移した一方、中国の景気後退や自動車減産の影響により、セパレータやエンジニアリング樹脂において販売数量が減少し操業度が低下しました。また、基盤マテリアル事業において原燃料価格高騰を受けた交易条件の悪化や在庫受払差等により、利益が減少しました。以上のことなどから、全体では増収・減益となりました。
「住宅」セグメント売上高は6,506億円で前年同期比393億円の増収となり、営業利益は524億円で前年同期比32億円の減益となりました。建築請負部門では資材価格が高騰する中でも物件の大型化・高付加価値化による平均単価上昇やコストダウンが進んだ一方、不動産部門において分譲マンションの販売戸数が減少したことなどから、増収・減益となりました。
「ヘルスケア」セグメント売上高は3,741億円で前年同期比612億円の増収となり、営業利益は373億円で前年同期比129億円の減益となりました。医薬・医療事業においては、主力製品が好調に販売数量を伸ばしたものの、Bionovaの新規連結による減益影響等により、減益となりました。一方、クリティカルケア事業においては前年同期の人工呼吸器特需の影響がなくなったことや買収影響等の一時要因に加え、部材調達難の影響により販売数量が減少したことで減益となり、全体では増収・減益となりました。
「その他」売上高は99億円で前年同期比4億円の増収となり、営業利益は26億円で前年同期比1億円の減益となりました。
(2) 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産が1,131億円、無形固定資産が857億円、現金及び預金が447億円、有形固定資産が406億円、受取手形、売掛金及び契約資産が263億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて3,489億円増加し、3兆6,980億円となりました。負債は、未払法人税等が519億円減少したものの、有利子負債(リース債務除く)が2,923億円、支払手形及び買掛金が255億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて2,499億円増加し、1兆8,802億円となりました。純資産は、配当金の支払が486億円あったものの、為替換算調整勘定が804億円増加したことや親会社株主に帰属する四半期純利益を660億円計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて990億円増加し、1兆8,178億円となりました。この結果、自己資本比率は48.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは12億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは2,034億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は2,022億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは2,329億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加131億円、連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増加2億円がありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結累計期間末の残高は、前連結会計年度末に比べ439億円増加し、2,869億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払1,061億円、棚卸資産の増加1,040億円、未払費用の減少248億円、売上債権及び契約資産の増加113億円などの支出があったものの、税金等調整前四半期純利益1,030億円、減価償却費1,024億円、のれん償却額282億円、仕入債務の増加164億円などの収入があったことから、12億円の収入(前年同四半期連結累計期間比1,115億円の収入の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,108億円、Bionova Holdings, Inc.並びにFocus Plumbing LLC、Focus Framing, Door & Trim LLC、Focus Electric LLC、Focus Concrete, LLC及びFocus Fire Protection LLCの買収により連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出781億円、無形固定資産の取得による支出157億円などがあったことから、2,034億円の支出(前年同四半期連結累計期間比281億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払486億円、長期借入金の返済による支出339億円などの支出があったものの、長期借入れによる収入1,307億円、コマーシャル・ペーパーの増加700億円、短期借入金の増加689億円、社債の発行による収入500億円などの収入があったことから、2,329億円の収入(前年同四半期連結累計期間比1,508億円の収入の増加)となりました。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、75,420百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。