【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症への各種政策の効果もあり、社会経済活動の正常化が進んだ一方、長期化するウクライナ情勢や急激な円安の進行によるエネルギーや原材料価格の高騰など、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社グループが属する介護業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中でも、在宅介護需要の伸びは継続して推移した一方、家具・インテリア業界においては、生活必需品を中心とした物価上昇等を受けて、耐久消費財への消費マインドは低下が続きました。
このような状況の中、当社グループでは、2021年4月にスタートさせた中期経営計画において、グループで保有する経営資源をシルバービジネスに集中することで、新しい商品やサービスを通じて、介護人材の不足や老老介護の増加などの社会全体で抱える課題の解決を図っております。また、持続可能な社会の実現に向けたESG経営を推進していくことにより、企業価値の更なる向上を目指しております。主な施策としては、①福祉用具貸与事業への経営資源集中による事業拡大(メディカルサービス事業)、②時代のニーズに合った商品展開による利益率の向上(インテリア健康事業)、③継続的な企業成長を支える経営基盤の強化、に取り組んでおります。
当期におきましては、メディカルサービス事業は、主力の福祉用具貸与事業が堅調に推移したことや前期のM&Aによる増収効果に加え、インテリア健康事業においても、電動ベッドや健康機器等の高価格帯商品が好調に推移した結果、当社グループの経営成績は、売上高は42,758百万円(前年同四半期比7.9%増)となりました。
利益面では、増収に加え、原材料価格等の高騰への対応として、2022年4月と10月に製品販売価格の値上げを実施したことなどにより、営業利益は3,201百万円(前年同四半期比6.8%増)、経常利益は3,212百万円(前年同四半期比6.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,026百万円(前年同四半期比0.6%減)となりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
① メディカルサービス事業
主力の福祉用具貸与事業においては、継続して営業員及びメンテナンス人員を増強するとともに、今後の東京都の高齢者人口の増加に伴う、福祉用具や医療機器への需要拡大に対応するため、2022年5月、福祉用具レンタル商品の洗浄・消毒・メンテナンスを担う「メディカレント東京」を新設いたしました。同施設では、メディカルサービス事業の本部機能を統合させ、利益拡大と環境負荷軽減を目的とした「レンタルに適した商品開発」や「レンタル商品の有効活用」などに重点的に取り組んでおり、「レンタル商品の有効活用」については、廃却数の大幅削減や新規レンタル投下の抑制、メンテナンス効率が向上する治具の開発など、成果が導出されております。
病院・福祉施設向け販売に関しましては、世界的な半導体不足、資材高騰などの影響が少なからずあったものの、看護・介護現場の業務省力化に資する機能を有するベッドへの入替需要が顕著であり、機能ベッド及び付属品を中心とした販売に注力いたしました。
以上の結果、メディカルサービス事業の売上高は27,542百万円(前年同四半期比10.6%増)、経常利益は2,267百万円(前年同四半期比2.1%増)となりました。
② インテリア健康事業
インテリア健康事業においては、時代のニーズに対応した除菌機能標準搭載・エコマーク認定のマットレスや健康志向の高まりを捉えたベッド型マッサージ器、寝心地以上の豊かさをご提案する電動ベッドシリーズなどが、売上及び利益率の向上に寄与いたしました。
また、廃棄時にマットレスの解体を容易にするマットレスやアブラヤシの廃材を活用したベッドフレームを自社展示場に設置するなど、ESG経営の推進に継続して取り組んでおります。このような業界に先駆けた取り組みが評価され、日本環境協会が主催する「エコマークアワード2022」において最優秀賞を受賞いたしました。さらに、使用済みの自社マットレスの廃棄において、廃棄物の減量と適正な処理を促し、循環型社会への取り組みを推進するため、環境大臣が認定する「広域認定制度」を申請し、2022年11月に認可されました。
近年、国内家具店が減少する中、当社グループの商品をお見せする場を拡大するためのショールーム展開では、消費者の多様なニーズに応えるべく、モダンスタイルを基調としたカジュアルなショールーム「なんばショールーム」を2022年4月に新設、併せて旗艦ショールームである「赤坂ショールーム」や「大阪ショールーム」をはじめ、「旭川ショールーム」、「札幌ショールーム」などの既存ショールームをリニューアルいたしました。
以上の結果、インテリア健康事業の売上高は、14,878百万円(前年同四半期比3.5%増)、経常利益は970百万円(前年同四半期比14.9%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)と比較して491百万円減少し63,806百万円となりました。流動資産は前期末と比較して493百万円増加し31,653百万円となりました。主な要因として、増加については、有価証券2,400百万円、棚卸資産613百万円などであり、減少については、現金及び預金2,295百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(電子記録債権を含む)315百万円などであります。固定資産は前期末と比較して1,011百万円減少し32,116百万円となりました。主な要因は、有形、無形固定資産の取得及び償却によるものであります。
(負債)
負債は、前期末と比較して542百万円減少し26,215百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金(電子記録債務を含む)134百万円、未払法人税等137百万円、リース債務(長期を含む)295百万円などの減少によるものであります。
(純資産)
純資産は、前期末と比較して50百万円増加し37,591百万円となりました。主な要因として、増加については、親会社株主に帰属する四半期純利益2,026百万円などであり、減少については、剰余金の配当1,232百万円、自己株式の取得381百万円などによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前期末の58.3%から58.9%となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、140百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要ならびに財務政策について
当社グループにおける主な資金需要は、当社及び子会社が事業活動を行っていく上で必要な運転資金及び設備投資資金であります。
これらの資金需要に対しては、主として営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入、社債(私募債)、セール・アンド・リースバックにより調達しており、グループとして最適な資金調達を実現するために、当社が中心となり調達を行っております。
また、当社グループではCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、グループ各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで金融費用の削減を図っております。なお、当第3四半期連結会計期間末における当社グループの有利子負債残高は14,863百万円となりました。内訳としては、短期及び長期借入金6,400百万円(短期借入金2,700百万円、1年内返済予定の長期借入金200百万円、長期借入金3,500百万円)、社債(1年内償還予定を含む)2,100百万円、リース債務(長期を含む)6,363百万円であります。
一方、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は8,482百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,295百万円減少しております。将来発生し得る資金需要について、当社グループの主力事業であるメディカルサービス事業の福祉用具貸与事業に係るレンタル資産への投資に関しては、セール・アンド・リースバックにより、その他の大型設備投資に関しては、手元資金及び銀行借入により、また、運転資金、株主還元に関しては、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー及び手元資金により対応可能と認識しております。
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