【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、第1四半期連結会計期間より、食料品製造セグメントに関する顧客との契約から生じる収益を分解した情報の区分を変更したことに伴い、以下の比較分析における食料品製造セグメントの区分を変更し、区分変更後の数値で前年同四半期連結累計期間との比較・分析を行っております。 (1)財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間の我が国の経済は、ロシア・ウクライナ情勢や急激な円安の進行に起因する原材料及びエネルギー価格の高騰により、依然として先行き不透明な状況が続き、事業を取り巻く環境は大きく変化しております。 このような中、売上高は、984億3千4百万円と前年同期実績に比べ50億1千2百万円(5.4%)の増収となりました。 損益は、増収効果及び価格改定効果がありましたが、原材料及びエネルギー価格の高騰や中長期の成長に向けた戦略的な広告投資などにより、営業利益は前年同期実績に比べ29億5千7百万円(22.4%)減益の102億3千1百万円、経常利益も前年同期実績に比べ32億2百万円(23.4%)減益の104億9千8百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期実績に比べ29億6千万円(31.0%)減益の65億8千4百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造> 菓子食品事業ビスケットカテゴリーでは、在宅ワークなど新しい生活スタイルによるお茶請け菓子としての需要定着を背景に、「森永ビスケット」は当第2四半期に発売した新商品が奏功するなど好調に推移しましたが、第1四半期に実施した生産ライン増設工事による一時的な商品供給制約の影響が大きく、前年同期実績を下回りました。現在、商品供給の制約は解消しております。キャンディカテゴリーでは、多様な食感ラインナップを擁する「ハイチュウ」が、8月12日「ハイチュウの日」に合わせた新商品の発売及びプロモーションを展開したことで、スティック・パウチ・袋の全ての商品形態で好調を継続するなど、7月の価格改定後も引き続き幅広いニーズを獲得しました。また、「森永ラムネ」は新しい食感が楽しめる新商品「バリボリラムネ」を発売し、グループ全体で前年同期実績を上回りました。チョコレートカテゴリーでは、「カレ・ド・ショコラ」は上質チョコレートブランドとして価値強化に取り組みましたが、7月の価格改定の影響を受け苦戦いたしました。一方、「ダース」は9月の品質リニューアルに合わせたプロモーション展開が奏功し、好調に推移しました。また、「チョコボール」は「大玉チョコボール」のリニューアルを実施し、前年同期実績並みとなりました。食品カテゴリーでは、「森永甘酒」「森永ココア」ともに健康ブランドとして強化するべく、引き続き需要獲得に取り組みましたが、前年同期実績を下回りました。これらの結果、菓子食品事業全体の売上高は332億1千4百万円と前年同期実績に比べ3億8千9百万円(1.2%)減となりました。損益は、価格改定により収益性の改善に取り組みましたが、原材料及びエネルギー価格の高騰の影響が大きく、営業利益は前年同期実績に比べ14億9千1百万円(96.2%)減益の5千8百万円となりました。
冷菓事業「ジャンボ」グループは、発売50周年を迎える「チョコモナカジャンボ」と「バニラモナカジャンボ」それぞれにおいて積極的なプロモーションを展開したことで、6月の価格改定後も堅調に推移し前年同期実績を上回りました。通年発売3年目となる「板チョコアイス」は、初のTVCM投入など更なる拡大に取り組みましたが、前年に売上高を大きく伸ばした反動もあり、前年同期実績を下回りました。一方、「アイスボックス」は、喫食シーン訴求などのターゲット別のプロモーション展開により需要を獲得し、好調に推移しました。 これらの結果、冷菓事業全体の売上高は249億4千2百万円と前年同期実績に比べ3億3千8百万円(1.3%)減となりました。損益は、価格改定により収益性の改善に取り組みましたが、原材料及びエネルギー価格の高騰、減価償却費の増加により、営業利益は前年同期実績に比べ13億1千5百万円(27.4%)減益の34億8千6百万円となりました。
in事業「inゼリー」は、コロナ禍における生活スタイルの変化に対応し、間食や仕事・勉強中等の飲用シーンの他、体調不良時の栄養補給や健康維持ニーズを引き続き獲得し、好調に推移しました。積極的なプロモーション展開及び商品展開により、飲用シーンの開拓とターゲットの拡大に継続して取り組んでおります。「inバー」は、プロテイン摂取手段の多様化による競争環境の激化が続き、前年同期実績を下回りました。これらの結果、in事業全体の売上高は177億9千万円と前年同期実績に比べ17億5千8百万円(11.0%)増となりました。損益は、原材料価格の高騰や、積極的な広告投資の影響もありましたが、売上高が好調に推移したことにより、営業利益は前年同期実績に比べ2億1千3百万円(4.4%)増益の50億4千3百万円となりました。
通販事業「おいしいコラーゲンドリンク」は、定期顧客数を引き続き順調に増やし、売上高は前年同期実績を上回りました。通販事業の第2の柱候補の商品である「おいしい青汁」も、順調に定期顧客数を増やし、売上高を拡大しております。これらの結果、通販事業全体の売上高は51億2百万円と前年同期実績に比べ7億9千6百万円(18.5%)増となりました。損益は、順調な定期顧客獲得を背景とした積極的な広告投資の継続、原材料価格の高騰により、営業利益は前年同期実績に比べ4千3百万円(11.5%)減益の3億2千6百万円となりました。
事業子会社㈱アントステラは、大手量販店の銘店コーナーの好調に加え、全国の直営店では量り売りやコンテンツとのコラボレーション企画により販売が好調に推移し、売上高は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年、及び前年同期実績を上回りました。森永市場開発㈱は、行動制限の緩和により、テーマパーク及びアンテナショップにおける販売が好調に推移し、売上高は前年同期実績を大きく上回りました。これらの結果、事業子会社全体の売上高は35億3千8百万円と前年同期実績に比べ7億1千9百万円(25.5%)増となりました。営業利益は前年同期実績に比べ1億5千5百万円(489.6%)増益の1億8千6百万円となりました。
米国事業「HI-CHEW」は、2021年12月の価格改定以降も全米各地において販売店率の拡大に加え、スティック・スタンドパウチ・袋など全ての商品形態で店頭回転の好調が続き、前年同期実績を上回りました。また、米国事業の第2の柱として本格的な取組みをスタートしたゼリー飲料「Chargel」は、引き続きスポーツイベントでのサンプリング活動をはじめ、PR活動やWEB広告の展開等、米国市場でのブランド認知向上に向けてターゲットへの接点拡大の取組みを積極的に進めております。これらの結果、米国事業全体の売上高は66億3千1百万円と前年同期実績に比べ18億9千6百万円(40.0%)増となりました。損益は、増収及び価格改定効果がありましたが、原材料価格や海上運賃の高騰、人件費の増加や「Chargel」への先行的な広告投資により、営業利益は前年同期実績に比べ1億2千8百万円(13.9%)減益の7億9千3百万円となりました。
中国・台湾・輸出等中国ではロックダウンの影響を大きく受け、「HI-CHEW」・輸入品ともに販売は苦戦しました。台湾では昨年は新型コロナウイルス感染拡大により売上が苦戦した反動もあり、「HI-CHEW」は前年同期実績を大きく上回りました。これらの結果、中国・台湾・輸出等全体の売上高は32億7千7百万円と前年同期実績に比べ3億2千6百万円(11.0%)増となりました。営業利益は前年同期実績に比べ3千5百万円(11.4%)増益の3億3千6百万円となりました。
これらの結果、<食料品製造>の売上高は944億9千7百万円と前年同期実績に比べ5.3%増となりました。セグメント利益は100億5千8百万円と前年同期実績に比べ30億3千3百万円の減益となりました。
<食料卸売>
売上高は、26億5千8百万円と前年同期実績に比べ9.0%増となりました。セグメント利益は5千6百万円と前年同期実績に比べ1千1百万円の減益となりました。
<不動産及びサービス>
売上高は、9億5千6百万円と前年同期実績に比べ0.5%増となりました。セグメント利益は4億1千8百万円と前年同期実績に比べ2千2百万円の減益となりました。
<その他>売上高3億2千1百万円、セグメント利益9千9百万円であります。
当第2四半期連結会計期間末における総資産の残高は2,042億5千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ100億4千4百万円減少しております。主な要因は、受取手形及び売掛金や商品及び製品、原材料及び貯蔵品が増加した一方で、現金及び預金や投資有価証券が減少したことなどによるものであります。 負債の残高は778億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億4千2百万円減少しております。主な要因は、支払手形及び買掛金が増加した一方で、未払法人税等が減少したことなどによるものであります。 純資産の残高は1,263億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億2百万円減少しております。主な要因は、利益剰余金が増加した一方で、純資産から控除する自己株式が増加したことなどによるものであります。 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より0.6ポイント増加し、61.3%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ168億1千9百万円減少し、433億2千7百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は11億2千7百万円となりました。主な内容は、税金等調整前四半期純利益94億5千3百万円、減価償却費49億2千万円、及び棚卸資産の増加額46億9千7百万円、法人税等の支払額94億7千4百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は64億6千8百万円となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は120億9千万円となりました。主な内容は、自己株式の取得による支出72億3千9百万円、及び配当金の支払額44億9千7百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費は1,401百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が1,349百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が51百万円であります。 当第2四半期連結累計期間は、「2021中期経営計画」に掲げる、2030年の目指す姿「中長期的な企業価値向上を果たす事業戦略を支える強固な経営基盤の構築」に向けての1stステージとして、「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を創造する」という基本方針のもと、全社戦略・事業戦略と連動しながら、中長期視点での研究開発力の強化・共創による価値創出の加速に向けた取組みを継続しており、重要な変更はありません。