【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における日本経済は、実質総雇用者所得は弱含み、消費者マインドは弱い動きとなっていますが、着実な回復をしている旅行需要をはじめとし、緩やかな持ち直し傾向にあります。先行きについては、ウィズコロナの下で景気が持ち直していくことが期待されております。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが景気の下押しリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大についても十分注意する必要があります。
このような経済環境の中、当社グループは主力事業であるグローバルWiFi事業、情報通信サービス事業に注力し、社会のニーズに柔軟に対応すべく努めてまいりました。また、当連結会計年度より新たなセグメントとしてグランピング・ツーリズム事業を展開しております。この結果、当連結会計年度における売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも前年実績を上回る結果となっております。
当連結会計年度
前連結会計年度
増減
増減率
(百万円)
(百万円)
(百万円)
(%)
売上高
25,487
18,100
7,386
40.8
営業利益
2,414
1,105
1,309
118.5
経常利益
2,422
1,143
1,278
111.8
親会社株主に帰属する当期純利益
1,548
729
819
112.4
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(グローバルWiFi事業)新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い実施されていた入国制限については、世界的に緩和・全廃の動きが加速しています。日本においては、2022年6月に添乗員付きツアー客の入国受入れ再開や段階的な水際措置の緩和がなされ、更に10月より個人旅行の受入れや査証免除措置の再開等が実施されました。この結果、2022年12月の訪日外国人数は137万人、年間は383万人となり、新型コロナウイルス感染症拡大以前と比較して回復傾向にあります。出国日本人数も2022年4月度に10万人、8月度に30万人、12月度においては43万人に達し、順調に増加しています。このような環境を背景とした、アウトバウンド、インバウンド及び国内利用の様々な通信需要に応えてきたことに加え、PCR検査サービスの提供も好調に推移しました。また、空港検疫所における日本入国時の検疫手続き関連業務も引き続き対応してまいりました。これらの取り組みにより、当連結会計年度における売上高、セグメント利益はともに前年実績を上回っております。
グローバルWiFi事業
当連結会計年度
前連結会計年度
増減
増減率
(百万円)
(百万円)
(百万円)
(%)
売上高
14,389
9,070
5,319
58.6
セグメント利益
3,078
1,033
2,044
197.9
(情報通信サービス事業)当連結会計年度においては、移動体通信機器とOA機器の販売が好調に推移いたしました。更に、将来的なアップセルやクロスセル、長期的な解約率の低減、ストック商材による継続的収入といった、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図り、営業コストは一時的に増加するものの、月額制自社サービスの拡販に努めてまいりました。また、当連結会計年度より会議室スペースのレンタルサービス等、新たなサービスの提供を行ってまいりました。この結果、売上高は前年実績を上回りましたが、セグメント利益は前年実績を下回りました。
情報通信サービス事業
当連結会計年度
前連結会計年度
増減
増減率
(百万円)
(百万円)
(百万円)
(%)
売上高
10,615
8,804
1,810
20.6
セグメント利益
765
1,116
△350
△31.4
(グランピング・ツーリズム事業)当連結会計年度より当社グループにおいて、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、グローバルWiFi事業、情報通信サービス事業に続く第3のセグメントとしてグランピング・ツーリズム事業を新たに展開しております。グランピングの魅力である自然との一体感が感じられ、プライベート性を重視した独立型ドームテントを設け、お客様に非日常的空間やサービスを提供しております。2022年4月に鹿児島県霧島市の「こしかの温泉」を「VISION GLAMPING Resort & Spa こしかの温泉」としてリニューアルオープンし、続いて12月に富士山の麓の山中湖畔に「VISION GLAMPING Resort & Spa 山中湖」をオープンし営業を開始しております。当連結会計年度では、利用申込みは順調に増加し売上高340百万円を計上しましたが、翌連結会計年度以降への先行投資を進めたことでセグメント損失が122百万円となっております。
財政状態の分析(資産)資産合計は、17,951百万円(前連結会計年度末比3,019百万円増)となりました。流動資産は、12,852百万円(前連結会計年度末比2,103百万円増)となり、その主な要因は、現金及び預金が554百万円、売掛金が1,474百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は、5,098百万円(前連結会計年度末比915百万円増)となり、その主な要因は、新たに始めたグランピング・ツーリズム事業において使用する施設を新設したこと等により建物及び構築物が1,031百万円、機械装置及び運搬具が100百万円、土地が299百万円それぞれ増加した一方で、のれんが173百万円、長期貸付金が315百万円、繰延税金資産が257百万円それぞれ減少したことによるものです。
(負債)負債合計は、5,911百万円(前連結会計年度末比1,101百万円増)となりました。流動負債は、4,872百万円(前連結会計年度末比992百万円増)となり、その主な要因は、未払金が755百万円、未払法人税等が319百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は、1,038百万円(前連結会計年度末比108百万円増)となり、その主な要因は、長期借入金が113百万円増加したことによるものです。
(純資産)純資産は、12,039百万円(前連結会計年度末比1,917百万円増)となりました。その主な要因は、ストック・オプションの行使により資本金が148百万円、資本剰余金が148百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,548百万円それぞれ増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ554百万円増加し、8,185百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、1,539百万円(前連結会計年度は1,412百万円の資金の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,357百万円の計上、未払金559百万円の増加があった一方で、売上債権1,433百万円の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、1,200百万円(前連結会計年度は554百万円の資金の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により1,217百万円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果増加した資金は、137百万円(前連結会計年度は30百万円の資金の増加)となりました。これは主として、ストック・オプションの行使により295百万円の収入があった一方で、長期借入金の返済により98百万円、短期借入金の返済により50百万円の支出があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績該当事項はありません。
b. 仕入実績仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(百万円)
前期比(%)
グローバルWiFi事業
2,580
23.3
情報通信サービス事業
3,889
30.0
グランピング・ツーリズム事業
55
-
合計
6,525
28.4
(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 受注実績受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
d. 販売実績販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
グローバルWiFi事業
14,389
58.6
情報通信サービス事業
10,572
20.1
グランピング・ツーリズム事業
338
-
報告セグメント計
25,300
41.5
その他
186
△17.5
合計
25,487
40.8
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
株式会社メンバーズモバイル
3,200
17.7
3,320
13.0
成田空港検疫所
-
-
2,706
10.6
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の財政状態及び経営成績は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。当社グループは本業である営業活動における収益性を重要視していることから、営業利益を目標に掲げております。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い実施されていた入国制限の緩和の動きが想定よりも早かったため、国内外における通信需要が堅調に推移し、2022年11月10日に公表した通期業績予想を上回る結果となりました。
当連結会計年度
11/10修正計画
増減
増減率
(百万円)
(百万円)
(百万円)
(%)
売上高
25,487
24,556
931
3.8
営業利益
2,414
2,318
96
4.1
営業利益率(%)
9.5
9.4
0.0
-
経常利益
2,422
2,324
98
4.2
親会社株主に帰属する当期純利益
1,548
1,525
22
1.5
これらの結果、資産、負債、純資産はそれぞれ前連結会計年度比で増加しております。また、前連結会計年度を下回ったものの、当座比率242.5%(前連結会計年度末252.2%)、自己資本比率67.0%(前連結会計年度末67.7%)と財務健全性を確保しております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した取り組みの結果、次のとおりとなっております。
セグメント利益
当連結会計年度
11/10修正計画
増減
増減率
(百万円)
(百万円)
(百万円)
(%)
グローバルWiFi事業
3,078
2,587
490
19.0
情報通信サービス事業
765
970
△204
△21.1
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、グローバルWiFiの通信仕入やデバイスの購入費、グランピング施設の設置費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、新規事業の開発コストによるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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