【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界的な金融引き締め等が続く中、資源価格の高騰や円安の進行による物価上昇がわが国の景気を下押しする懸念が拭えないものの、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、経済社会活動の正常化が進んでおり、企業収益や雇用、個人消費など、総じて緩やかに持ち直してきました。建設業界においては、公共投資と住宅建設は底堅く推移しており、設備投資については企業収益の改善等を背景に持ち直してきました。このような状況の中、当社は、グループ全体が永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を、インフラ運営の上流から下流をワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」と定め、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な収益基盤」を確立し、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」の実現に向けた取り組みを行ってきました。当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は前年同四半期比107億円(7.2%)増の1,603億円、営業利益は前年同四半期比21億円(29.7%)減の51億円となり、経常利益は前年同四半期比23億円(27.5%)減の61億円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益については、前年同四半期比12億円(24.2%)減の40億円となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。(建築事業)建築事業においては、売上高は前年同四半期比90億円(23.0%)増の485億円、セグメント損失は9億円(前年同四半期はセグメント損失5億円)となりました。(土木事業)土木事業においては、売上高は前年同四半期比32億円(10.3%)増の345億円、セグメント利益は前年同四半期比29億円(165.4%)増の47億円となりました。(舗装事業)舗装事業においては、売上高は前年同四半期比51億円(10.2%)増の557億円、セグメント利益は7億円(前年同四半期はセグメント損失15億円)となりました。(機械事業)機械事業においては、売上高は前年同四半期比4億円(5.5%)増の85億円、セグメント利益は前年同四半期比2億円(131.9%)増の4億円となりました。(インフラ運営事業)インフラ運営事業においては、売上高は前年同四半期比66億円(62.4%)減の40億円、セグメント利益は前年同四半期比71億円(99.6%)減の0億円となりました。(その他)その他の事業においては、売上高は前年同四半期比4億円(4.6%)減の88億円、セグメント利益は前年同四半期比0億円(39.9%)減の1億円となりました。
(2) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末における総資産は、受取手形・完成工事未収入金の減少などにより前連結会計年度末に比べ101億円(1.1%)減少し、9,164億円となりました。負債は、工事未払金等の減少などにより前連結会計年度末に比べ75億円(1.3%)減少し、5,566億円となりました。また純資産は、前連結会計年度末に比べ25億円(0.7%)減少し、3,597億円となりました。以上の結果、純資産の額から非支配株主持分を控除した自己資本の額は3,501億円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の38.1%から38.2%となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第1四半期連結累計期間は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を中心に研究開発を行い、その総額は1,025百万円です。(建築事業・土木事業及びインフラ運営事業)子会社である前田建設工業(株)においては、「総合インフラサービス企業」に変革するため、生産性や品質の向上に加え、多様化する社会課題をビジネスを通じて解決することで社会的価値と事業価値の向上を同時に実現する研究開発を推進しています。当期の具体的な取り組み方針として、請負の自動化・省力化・DX分野、脱請負のさらなる加速を目的としたマネジメント分野、また中長期にわたり取り組むべき社会課題として考えられるカーボンニュートラル分野などに重点を置いています。当第1四半期は個々の研究テーマの審査、確認を行った上で各種の開発に着手しました。昨今の素早い事業環境の変化に即応した研究開発課題への絞り込みを行い、経営資源の選択と集中を図っています。また、定期的に審査会を開催し、進捗状況の共有と新たに発生した課題への即時対応を進めています。6月14日には、鉄骨建方の精度を立体に可視化し直観的に把握することができる、鉄骨建方精度管理システム「建方ナビ」をプレスリリースしました。鉄骨建方精度の品質確保及び不具合の未然防止手段の確立は、安全・安心な建築物の提供に不可欠であり、本システムの可視化機能を活用することで、作業者の熟練度に依存せずに精度よく鉄骨建方の管理が行えるため、建設業界における重要課題の一つである「高齢化、担い手不足」と技術承継に貢献できると考えています。今後は、全国の鉄骨造の作業所にて活用していく予定です。また、シールド工事の様々なデータを利活用するシールドDXを実現するため、全社共通データプラットフォームとなる「前田シールド統合管理システム(MAIOSS-Ⅱ)」を構築・導入しました。収集したデータを利活用することで、①トラブルの予兆を早期把握した安全・安心の施工、②機械化・自動化による担い手不足の解消、③職員の生産性の向上が可能になります。今後は、MAIOSS-Ⅱをシールド現場に順次導入していき、シールド工事の各種判断を過去の施工データから行うことで、安全安心かつ生産性の高いシールド工事を目指します。ICI総合センター(茨城県取手市)においては、2022年度に同センター内に移築が完了した旧渡辺甚吉邸に関して、地元を含む外部からの強い要望にお応えする形で、2023年度より予約制の一般公開を実施しています。6月に開催した3日間の一般公開はすべての予約が埋まり、130名を超す方々に見学いただきました。今後も定期的に公開を行い、地域住民をはじめとする一般の方々との交流に努めてまいります。当第1四半期連結累計期間における研究開発費は604百万円となっています。
(舗装事業)子会社である前田道路(株)においては、「新たな収益基盤と未来への投資を確立すること」を研究開発部門の使命と捉えており、競争力の促進を図るため、「カーボンニュートラル(CN)に貢献する技術」、「次世代道路包括管理システムの開発」、「ICTやデジタル技術を活用した建設現場の生産性向上」を重点テーマにあげて研究開発に取り組んでいます。カーボンニュートラルに関しては、低炭素合材の販売促進に加え、4月にはプラントへの水素燃料の実用化に向けた検討として製造実験を行い、有効性を確認しました。道路包括管理については、2022年度に引き続き東京都府中市において、前田建設工業(株)とのJVで業務を進めながら、新たなシステムの開発に取り組んでいます。また生産性向上については2022年度、PRISM(官民研究開発投資拡大プログラム)で採択され検証した「ダンプトラック誘導システム」について、更なる検出精度向上に向け、(株)日立ソリューションズ・テクノロジーと開発を進めています。当第1四半期連結累計期間における研究開発費は341百万円となっています。
(機械事業)子会社である(株)前田製作所においては、カーボンニュートラルによる持続可能な社会の実現に向けた、バッテリー仕様機種のラインアップ拡充のための新機種開発、及びクレーンをより安全に使用するための安全装置を開発し特許出願を行いました。また、新分野では、少子高齢化による労働人口減少の社会的課題への取り組みとして、機械の遠隔操作、自動運転に向けたデジタル要素技術開発等に取り組みました。当第1四半期連結累計期間における研究開発費は80百万円となっています。
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