【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の5類への移行もあり、経済活動は正常化に進み日経平均株価は一時、バブル崩壊後の高値更新をしましたが、原材料価格等の高騰や円安を背景とした物価上昇、米中等主要国の見通しづらい経済状況もあり、国内景気動向は依然として不透明な状況が続いております。当社グループにおける事業環境は、繊維事業では、海外からの製品等仕入れにおいて、円安、原材料高の影響を受け、また、国内ではキャンプ関連商品の需要が減少傾向を見せるなど懸念材料はありますが、一方でプリント加工の新規事業が順調に推移するなど、取扱品により差が出た事業活動となりました。不動産活用事業は、賃貸物件である大型商業施設「イオンモール川口前川」、「イオンモール川口」や病院施設等からの安定した賃貸収入を維持しており、営業収益の安定化が図られております。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は5,615百万円(前年同期比8.5%増)となりました。営業利益は570百万円(前年同期比11.6%増)となり、経常利益は726百万円(前年同期比36.9%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は522百万円(前年同期比81.1%増)となりました。事業別セグメントの概況は次のとおりであります。① 繊維事業マテリアル部は、原糸や生地販売において価格転嫁や仕入先の見直しを進めたことに加え、三国間貿易による落ち綿販売を開始したことから、増収増益となりました。アパレル部は、猛暑の影響により熱中症対策を施したワーキングウエアの直需の受注が増加したことから、増収増益となりました。アウトドア部は、コロナ禍において急伸していたキャンプ関連需要が減少し、減収減益となりました。刺繍レースを扱うフロリア㈱は、付属レースの国内需要が落ち込み減収となりましたが、販管費が減少したことから損失が縮小しました。プリント加工品の製造・販売を行うサイボークリエイト㈱は、前第3四半期連結会計期間より事業を開始しておりますが、様々な分野より受注を得たことにより順調に推移し、業績に貢献しております。また、前連結会計年度まで非連結子会社であった糸糊付加工を営む日宇産業㈱は重要性が増したため、第1四半期連結会計期間より連結の範囲に含めております。この結果、繊維事業の売上高は3,264百万円(前年同期比20.7%増)となり、営業利益は101百万円(前年同期比150.3%増)となりました。② 不動産活用事業不動産活用事業は、「イオンモール川口前川」が近隣の大型商業施設に比べ回遊型ショッピングができるという、お客様の利便性と近隣住民の生活環境にあった専門店選びが評価されております。また「イオンモール川口」は、多様化するニーズに応え、多様なコンテンツを備えて近隣住民の新たな生活の一部として受け入られており、両施設ともに売上及び収益の安定化に寄与しております。なお、前期においては商業施設のリニューアル工事に係る費用を計上したこともあり、営業利益は向上しております。この結果、不動産活用事業の売上高は1,857百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は447百万円(前年同期比16.0%増)となりました。③ ゴルフ練習場事業埼玉興業㈱が営む川口・黒浜・騎西の各グリーンゴルフ練習場は、イベントの開催や新しい設備の導入、女性レッスンプロの活用等を図ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の分類の引き下げ等により、三密を避けられるスポーツとしての優位性が低下し、また酷暑及び強風等の影響もあり来場者が減少したことやボールの入替費用を計上したことから、減収減益となりました。この結果、ゴルフ練習場事業の売上高は459百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は3百万円(前年同期比92.0%減)となりました。④ その他の事業神根サイボー㈱のインテリア施工事業は、大口物件が減少したことに加え、資材及び外注費の高騰により費用が膨らみ減収減益となりました。この結果、その他の事業の売上高は456百万円(前年同期比15.2%減)、営業利益は30百万円(前年同期比38.6%減)となりました。
(2) 財政状態の状況総資産は、前連結会計年度末に比べ722百万円増加して42,570百万円となりました。これは主に有形固定資産の減価償却が進んだこと等による減少があったものの、受取手形、売掛金及び契約資産や商品及び製品並びに投資有価証券が増加したこと等によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ38百万円増加して23,708百万円となりました。これは主に長期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金や資産除去債務並びに繰延税金負債が増加したこと等によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ684百万円増加して18,862百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上やその他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ57百万円増加して2,728百万円となりました。営業活動の結果、得られた資金は前第2四半期連結累計期間に比べ587百万円減少して845百万円となりました。これは主に棚卸資産の増加や未払又は未収消費税等の増減額が前第2四半期連結累計期間は還付でしたが、当第2四半期連結累計期間は納付になったこと等によるものであります。投資活動の結果、支出した資金は前第2四半期連結累計期間に比べ15百万円増加して191百万円となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が減少したこと等によるものであります。財務活動の結果、支出した資金は前第2四半期連結累計期間に比べ893百万円減少して613百万円となりました。これは主に短期借入金の返済よる支出が減少したこと等によるものであります。