【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、行動制限が緩和されるなど、経済活動の正常化へ向けた動きが進みました。一方で、エネルギー価格や原材料コストの上昇、中国ロックダウンによる供給制約、急激な円安の進行等もあり、景気動向は不透明な状況で推移しております。当社グループにおける事業環境は、繊維事業では、海外からの製品等仕入れにおいて、円安、原材料高、中国ロックダウンの影響を受けた一方、キャンプ関連商品の需要拡大が継続するなど、取扱品により差が出た事業活動となりました。不動産活用事業は、大型商業施設「イオンモール川口」を前期にイオンモール㈱に賃貸開始したことから、当期においては通期にわたって業績への寄与が見込まれます。また、既存の賃貸物件である「イオンモール川口前川」や病院施設等からの安定した賃貸収入を維持しており、営業収益の安定化が図られております。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は5,177百万円(前年同期比15.9%増)となりました。営業利益は511百万円(前年同期比163.0%増)となり、経常利益は530百万円(前年同期比148.0%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は288百万円(前年同期比195.8%増)となりました。事業別セグメントの概況は次のとおりであります。なお、事業別セグメントの売上高及び営業利益又は損失は、セグメント間の内部取引消去前の金額であります。① 繊維事業マテリアル部は、衣料向け生地販売事業を縮小したものの、原糸販売は仕入れコスト上昇により販売価格を引き上げ増収となりました。一方、コストアップ分全てを価格転嫁できず、減益となりました。アパレル部は、取引先である百貨店からのユニフォーム商品の新規受注が減少し、また円安等による影響からコスト増となり、減収減益となりました。アウトドア部は、コロナ禍において初めて行動制限がない夏休みとなるなど、キャンプ関連の需要が高まり、取引先の取扱い商品の売場面積が拡大したこと等により、増収増益となりました。刺繍レースを扱うフロリア㈱は、秋冬物アイテムの販売が伸びず減収減益となりました。この結果、繊維事業の売上高は2,704百万円(前年同期比18.9%増)となり、営業利益は40百万円(前年同期比60.0%減)となりました。② 不動産活用事業不動産活用事業は、「イオンモール川口前川」が近隣の大型商業施設に比べ回遊型ショッピングができるという、お客様の利便性と近隣住民の生活環境にあった専門店選びが評価されております。また「イオンモール川口」は、新しい社会環境に合わせた最新型の商業施設として2021年5月よりイオンモール㈱に賃貸を開始し、当期初より売上に寄与したことから、増収に繋がりました。収益面では、「イオンモール川口前川」は前年からのリニューアル工事が計画通りに完了し費用を計上しておりますが、「イオンモール川口」における不動産取得税等一時的な費用が前期に比べ大幅に減少したことから、増益となりました。この結果、不動産活用事業の売上高は1,854百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は385百万円(前年同期は40百万円の営業損失)となりました。③ ゴルフ練習場事業埼玉興業㈱が営む川口・黒浜・騎西の各グリーンゴルフ練習場は、SNSでの情報発信やキャッシュレス化の導入等により、来場者に対して利便性の高いサービスを提供するとともに、感染症対策に万全を期した営業を続けております。しかしながら、当四半期では新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きをみせ、行動制限が緩和されたことから、お客様のレジャーにおける選択の自由度が増し、練習場への来場者が減少したため減収減益となりました。この結果、ゴルフ練習場事業の売上高は495百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は49百万円(前年同期比57.2%減)となりました。④ その他の事業神根サイボー㈱のインテリア施工事業は、一般住宅施工のほか大口物件の受注があり増収増益となりました。この結果、その他の事業の売上高は538百万円(前年同期比54.7%増)、営業利益は48百万円(前年同期比74.9%増)となりました。
(2) 財政状態の状況総資産は、前連結会計年度末に比べ1,325百万円減少して41,569百万円となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産や商品及び製品が増加したものの、流動資産のその他に含まれる未収消費税等の還付や有形固定資産の減価償却が進んだこと等による減少であります。負債は、前連結会計年度末に比べ1,465百万円減少して23,946百万円となりました。これは主に短期借入金や長期借入金が減少したこと等によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ139百万円増加して17,623百万円となりました。これは主に配当金の支払やその他有価証券評価差額金が減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や繰延ヘッジ損益が増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ249百万円減少して2,177百万円となりました。営業活動の結果、得られた資金は前第2四半期連結累計期間に比べ426百万円増加して1,432百万円となりました。これは主に売上債権や棚卸資産が増加し、また仕入債務が減少したものの、税金等調整前四半期純利益の増加や未払又は未収消費税等の増減額が消費税等の還付により増加したこと等によるものであります。投資活動の結果、支出した資金は前第2四半期連結累計期間に比べ2,569百万円減少して176百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものであります。財務活動の結果、支出した資金は1,506百万円(前第2四半期連結累計期間は得られた資金が2,498百万円)となりました。これは主に短期借入れによる収入や長期借入れによる収入が減少したこと、短期借入金の返済による支出が増加したこと等によるものであります。