【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における国内外の経済情勢は、コロナ禍からの正常化の動きは見られるものの、ウクライナ情勢の長期化等による原材料・エネルギー価格の高騰、世界的な物価上昇によるインフレの長期化懸念、金融引き締め策等が下押し要因となり、景気の先行きも未だ不透明な状況にあります。このような状況の中、当社グループの主要関連産業であります自動車産業におきましては、半導体供給不足や中国でのロックダウンなどによる得意先での減産や生産調整の影響が長期化しております。セキュリティ機器事業の関連産業であります住宅設備産業におきましては、新築住宅着工戸数は資材高騰の影響により注文住宅では減少、その他、分譲住宅と賃貸住宅は前年度とほぼ同水準に推移しております。また、同じくセキュリティ機器事業の関連産業であります旅行・レジャー産業におきましては、コロナ禍における移動制限の解除に伴い急速な回復を見せております。このような事業環境の中、当社グループは引き続き従業員・関係者の安全の確保、手許資金の流動性確保、固定費の削減、サプライチェーンの確保を推進してまいりました。この結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は46,025百万円と前年同四半期に比べ、6,563百万円(16.6%)の増収となりました。利益につきましては、それぞれ営業利益は172百万円と前年同四半期に比べ、86百万円(△33.4%)の減益、経常利益は968百万円と前年同四半期に比べ、534百万円(123.4%)の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は654百万円と前年同四半期に比べ、375百万円(134.1%)の増益となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
① 自動車部品事業(日本)自動車部品事業(日本)におきましては、依然として半導体供給不足に伴う得意先減産の影響は大きく受けたものの、売上高は6,482百万円と前年同四半期に比べ、1,070百万円(19.8%)の増収となりました。一方、原材料費やエネルギー費等の高止まりにより、セグメント損失は166百万円(前年同四半期はセグメント損失324百万円)となりました。
② 自動車部品事業(北米)自動車部品事業(北米)におきましては、依然として半導体供給不足に伴う得意先減産の影響を大きく受けたものの、円安進行に伴う為替換算の影響等から、売上高は9,096百万円と前年同四半期に比べ、1,398百万円(18.2%)の増収となりました。一方、原材料費やエネルギー費等の一段の上昇により、セグメント損失は468百万円(前年同四半期はセグメント損失177百万円)となりました。
③ 自動車部品事業(アジア)自動車部品事業(アジア)におきましては、ASEANでは新車向け受注品の量産開始等で売上増となったものの、中国では半導体供給不足に伴う得意先減産に加え、ロックダウンによる影響を大きく受けました。為替換算の影響等もあり、売上高は13,770百万円と前年同四半期に比べ、1,475百万円(12.0%)の増収となりました。一方、原材料費やエネルギー費等の一段の上昇により、セグメント利益は5百万円と前年同四半期に比べ、310百万円(△98.2%)の減益となりました。
④ 自動車部品事業(欧州)自動車部品事業(欧州)におきましては、依然として半導体供給不足に伴う得意先減産の影響を大きく受けており、売上高は8,007百万円と前年同四半期に比べ、68百万円(0.9%)の増収にとどまりました。一方、原材料費の高止まりに加え、エネルギー費の大幅上昇等により、セグメント損失は307百万円(前年同四半期はセグメント損失67百万円)となりました。
⑤ セキュリティ機器事業(日本)セキュリティ機器事業(日本)におきましては、住宅市場での電気錠の認知や需要の高まりにより、前年同期に比べて住宅関連製品の売上は好調に推移しました。ロッカーシステム事業については、レジャー・旅行客の増加に伴い、オペレーション収入は急速に回復しました。また、物販については貴重品ロッカー、ゴルフ場向け更衣ロッカー、テーマパーク向けコインロッカー、無人販売機等の販売が好調に推移し、売上は前年度を上回りました。さらに、主要顧客である鉄道事業でも乗降客数の戻りにより設備投資マインドが回復してきていることから、ターミナルロッカーの販売増も見込まれます。一方で、電子部品の調達遅れの懸念は未だ解消されていない状況です。なお、売上高は9,497百万円と前年同四半期に比べ、2,365百万円(33.2%)の増収、セグメント利益は1,339百万円と前年同四半期に比べ、623百万円(87.1%)の増益となりました。
⑥ セキュリティ機器事業(海外)セキュリティ機器事業(海外)におきましては、日本向け製品の生産増により、売上高は5,902百万円と前年同四半期に比べ、1,867百万円(46.3%)の増収、セグメント利益は409百万円と前年同四半期に比べ、82百万円(25.3%)の増益となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。また、当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,366百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの事業が関係する市場においては、国内外の企業とのグローバル競争が今後も予想されることから、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは、グローバル市場の急激な変化に的確に対応するため、安定した収益基盤の確立とお客さまの価値観とニーズに対応した新事業・新商品開発により、競争力の維持強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。今後、当社グループの想定を超えてグローバル市場が悪化した場合や、お客さまのニーズに対応する製品を開発・提供できない場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は海外グループ売上高が国内より高いため、為替変動により影響を受ける可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第3四半期連結会計期間末における総資産は63,528百万円となり、前連結会計年度末に比べ、7,344百万円の増加となりました。また、有利子負債は前連結会計年度末に比べ、1,412百万円増加し、18,124百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金が2,153百万円増加したことや、原材料及び貯蔵品が1,453百万円増加したこと等により、5,315百万円増加し、35,842百万円となりました。固定資産は、機械装置及び運搬具が1,434百万円増加したこと等により、2,030百万円増加し、27,679百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金が1,216百万円増加したことや、短期借入金が1,267百万円増加したこと等により、3,372百万円増加し、20,608百万円となりました。固定負債は、長期借入金が446百万円増加したこと等により、143百万円増加し、11,165百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定が3,450百万円増加したこと等により、3,828百万円増加し、31,753百万円となりました。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の47.6%から0.4ポイント増加し、48.0%となりました。