【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における国内外の経済情勢は、コロナ禍からの正常化に向けた動きが見られる一方、ウクライナ情勢の長期化等による原材料・エネルギー価格の高騰、世界的なインフレの加速や急激な金融引き締めの進行などにより景気後退が懸念される厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社グループの主要関連産業であります自動車産業におきましては、依然として半導体をはじめとする部品調達不足による減産を余儀なくされた状況が続いております。一方、セキュリティ機器事業の関連産業であります住宅設備産業におきましては順調に推移し、新設住宅着工戸数は、コロナ禍から回復した前年度比とほぼ同水準で推移しております。また、同じくセキュリティ機器事業の関連産業でありますレジャー・観光業におきましては、7月に予定されていた旅行需要喚起策が延期されたことで県外移動の観光・宿泊客の伸びは低調ではあるものの、回復を見越して施設側の受け入れ準備が顕在化を見せはじめてきました。6月から外国人観光客の受け入れを再開したものの顕著な増加には至っておりませんでしたが、入国者の水際対策緩和と円安の追い風もあり徐々に増加していくことが見込まれます。
このような事業環境の中、当社グループは引き続き従業員・関係者の安全の確保、手許資金の流動性確保、固定費の削減、サプライチェーンの確保を推進してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高は28,825百万円と前年同四半期に比べ、2,181百万円(8.2%)の増収となりました。利益につきましては、それぞれ営業損失は295百万円(前年同四半期は営業利益343百万円)、経常利益は380百万円と前年同四半期に比べ、87百万円(△18.7%)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は217百万円と前年同四半期に比べ、37百万円(△14.7%)の減益となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
① 自動車部品事業(日本)
自動車部品事業(日本)におきましては、半導体供給問題や中国・上海ロックダウン影響による得意先減産の影響は受けたものの、売上高は4,192百万円と前年同四半期に比べ、678百万円(19.3%)の増収となりました。一方、原材料費やエネルギー費等の一段の上昇により、セグメント損失は114百万円(前年同四半期はセグメント損失263百万円)となりました。
② 自動車部品事業(北米)
自動車部品事業(北米)におきましては、半導体供給問題による得意先減産の影響を大きく受けているものの、円安進行に伴う為替換算影響等があり、売上高は5,679百万円と前年同四半期に比べ、709百万円(14.3%)の増収となりました。一方、原材料費やエネルギー費等の一段の上昇により、セグメント損失は369百万円(前年同四半期はセグメント損失40百万円)となりました。
③ 自動車部品事業(アジア)
自動車部品事業(アジア)におきましては、円安進行に伴う為替換算影響はあったものの、半導体供給問題による得意先減産の影響が続いていることに加えて、中国・上海ロックダウンの影響等があり、売上高は8,107百万円と前年同四半期に比べ、265百万円(△3.2%)の減収となりました。また、原材料費やエネルギー費等の一段の上昇により、セグメント損失は215百万円(前年同四半期はセグメント利益328百万円)となりました。
④ 自動車部品事業(欧州)
自動車部品事業(欧州)におきましては、半導体供給問題による得意先減産の影響を引き続き受けており、売上高は5,501百万円と前年同四半期に比べ437百万円(△7.4%)の減収となりました。また、原材料費の上昇に加え、特にエネルギー費の大幅上昇等により、セグメント損失は191百万円(前年同四半期はセグメント利益41百万円)となりました。
⑤ セキュリティ機器事業(日本)
セキュリティ機器事業(日本)におきましては、住宅市場での電気錠の認知や需要の高まりにより、前年同期に比べて住宅関連製品の売上は好調に推移しました。ロッカーシステム事業については、国内人流の増加によりオペレーション収入が順調に推移、物販では顧客の設備投資マインドの回復によりゴルフ場、プール、ホテルで大型物件の受注につながりました。電子部品の不足、原材料の高騰による影響はあるものの、売上への直接的な影響は回避できております。
なお、売上高は5,876百万円と前年同四半期に比べ、1,346百万円(29.7%)の増収、セグメント利益は802百万円と前年同四半期に比べ、409百万円(104.2%)の増益となりました。
⑥ セキュリティ機器事業(海外)
セキュリティ機器事業(海外)におきましては、日本向け製品の生産が増えたことにより、売上高は3,460百万円と前年同四半期に比べ、719百万円(26.2%)の増収となりました。一方、原材料費や物流費及びエネルギー費高騰の影響により、セグメント利益は244百万円と前年同四半期に比べ、5百万円(△2.2%)の減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが1,181百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが1,556百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが692百万円の収入となりました。
以上の結果、換算差額を含めた当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前第2四半期連結会計期間末に比べ751百万円減少し、6,873百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券売却益が77百万円減少したことや、仕入債務の増減額が605百万円増加したこと等により、当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ、103百万円収入が増加し、1,181百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出が455百万円増加したこと等により、当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ、669百万円支出が増加し、1,556百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の増減額が688百万円増加したこと等により、当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間と比べ、1,157百万円収支が逆転し、692百万円の収入となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
また、当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は876百万円であります。
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の内容は次のとおりであります。
自動車部品事業では、グローバルで迅速に対応するとともに、将来の自動車部品の電動化等の技術動向をとらえ、コア技術を基盤とした継続的な新製品開発に取り組んでおります。一部製品に関しては顧客様との共同開発も開始しております。
中国拠点では開発体制・生産体制の構築により、中国ローカルカーメーカーのニーズに対応した、インサイドハンドルの開発を短期間で完了し、量産を開始しております。又、他の顧客様向けにおいても新たな開発に着手しております。
北米においては、新規OEMよりアウトサイドハンドルの新規引き合いを頂き、受注に向けアルファ北米拠点の開発体制・製品品質・コスト競争力を活かした提案を行うとともに、既存顧客様向けで培ったハンドルに関する知見を活用した新規顧客対応プロセス構築を進めております。
今後も、上述した新製品の市場投入に向けて、多様なアクセス製品を開発し、”Innovation for Access”を具現化してまいります。
住設機器事業では、住宅市場での電気錠需要の増加に対応するため、継続的な新製品開発に取り組んでおります。
ロッカーシステム事業では、受け渡しロッカー「STLシリーズ」の更なる用途開発を目的として、屋外で使用できるバリエーション化を進めております。また、ウィズコロナの下で入国規制緩和を背景に、国内・インバウンド需要回復への期待感もあり、観光業界に光明がさしつつあることから、ホテル市場での手荷物預かりロッカーの導入が見込める兆しが出てまいりました。
改めて、非対面・非接触ニーズに対応し、利便性に配慮した高付加価値製品の開発を推進してまいります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業が関係する市場においては、国内外の企業とのグローバル競争が今後も予想されることから、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは、グローバル市場の急激な変化に的確に対応するため、安定した収益基盤の確立とお客さまの価値観とニーズに対応した新事業・新商品開発により、競争力の維持強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。今後、当社グループの想定を超えてグローバル市場が悪化した場合や、お客さまのニーズに対応する製品を開発・提供できない場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また当社は海外グループ売上高が国内より高いため、為替変動により影響を受ける可能性があります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は62,248百万円となり、前連結会計年度末に比べ、6,065百万円の増加となりました。また、有利子負債は前連結会計年度末に比べ、1,735百万円増加し、18,446百万円となりました。
流動資産は、原材料及び貯蔵品が1,423百万円増加、受取手形及び売掛金が952百万円増加したこと等により、3,969百万円増加し、34,496百万円となりました。
固定資産は、機械装置及び運搬具(純額)が1,111百万円増加、建物及び構築物(純額)が447百万円増加したこと等により、2,095百万円増加し、27,744百万円となりました。
流動負債は、短期借入金が1,245百万円の増加、支払手形及び買掛金が797百万円増加したこと等により、2,400百万円増加し、19,637百万円となりました。
固定負債は、長期借入金が585百万円増加したこと等により、464百万円増加し、11,486百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が3,260百万円増加したこと等により、3,199百万円増加し、31,124百万円となりました。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の47.6%から0.4ポイント増加し、48.0%となりました。