【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期会計期間の期首から適用しております。この結果、前第3四半期累計期間と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同四半期比(%)を記載せずに説明しております。文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大はあったものの、行動制限の緩和により景気は持ち直しの動きが見られています。しかしながら、資源価格の高騰や急激な円安進行などから、依然として先行き不透明な状況が続いております。当アパレル業界におきましては、まん延防止等重点措置の解除後は個人消費の回復傾向が見られたものの、7月以降の感染再拡大や9月の大型台風による一部の地域・店舗における集客減少の影響が出ております。さらには、物価上昇による消費マインドの冷え込みが懸念され、厳しい状況が想定されます。このような経営環境の中、当社は当事業年度を初年度とする中期経営計画に基づき、事業継続のための「効率的な財務体質の構築」と持続的な成長を実現するための「新たな収益構成の構築」、加えてデジタルシフトや地球環境問題への配慮をはじめとする「社会環境変化への対応」に取り組んでおります。卸売事業におきましては、継続して取引条件の改善や不採算店舗からの撤退を進めるとともに、一部店舗をフォーマルセレクトショップへ転換し、新たなお客様の開拓に向けて取り組んでおります。また、新サービスとして「正礼装セミカスタムオーダーサービス」を9月下旬より開始いたしました。小売事業におきましては、直営店「フォルムフォルマ」は、商業施設における集客の回復やデジタル活用によるプロモーションが奏功したことから堅調に推移しております。また、Eコマース販売は、自社ECサイトにおけるお客様の利便性向上への取り組みを継続することで売上を拡大しており、「応援購入サービス Makuake(マクアケ)」に新たな提案商品を出品し、お客様から好評を得ております。新規事業におきましては、ライフスタイルブランド「kuros’」は、8月にリアル店舗を出店し、Eコマース販売と両軸で、事業拡大に向けて取り組んでおります。
財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
イ. 財政状態当第3四半期会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ2億43百万円減少し、138億79百万円となりました。当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ8億92百万円減少し、53億52百万円となりました。当第3四半期会計期間末の純資産合計は、前事業年度末に比べ6億48百万円増加し、85億27百万円となりました。
ロ. 経営成績当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高108億98百万円(前年同四半期は84億78百万円)、売上総利益55億61百万円(前年同四半期は40億38百万円)、営業利益5億54百万円(前年同四半期は営業損失10億64百万円)、経常利益6億34百万円(前年同四半期は経常損失8億96百万円)、四半期純利益は6億29百万円(前年同四半期は7億10百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第3四半期累計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて、1億38百万円増加し16億93百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は10億49百万円(前年同四半期は2億24百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の増加4億4百万円があったものの、仕入債務の増加7億2百万円や税引前四半期純利益6億90百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は1億42百万円(前年同四半期は31億1百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出76百万円があったものの、投資有価証券の売却による収入1億95百万円やゴルフ会員権の償還による収入17百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は10億53百万円(前年同四半期は22億47百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の減少9億円やリース債務の返済による支出1億22百万円によるものであります。