【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う行動制限の緩和により、経済社会活動は回復の兆しを見せ、景気は持ち直しの動きが見られましたが、世界的な金融引き締めが続く中での日米の金利差が招く急激な円安進行、またロシア・ウクライナ情勢による資源価格の高騰および物価上昇が与える個人消費の低迷が懸念されるなど、先行きが不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループにおいても一部施設に入場者数の制限等の影響がありましたが、SPAT4(南関東4競馬場在宅投票システム)他による勝馬投票券売上が引き続き順調に推移したことにより、安定した収益を確保いたしました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は26,621百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は11,448百万円(同17.5%増)、経常利益は11,447百万円(同17.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,263百万円(同19.1%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
[公営競技事業]大井競馬におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、1日当たりの最大入場者数を15,000名までに制限した上で、70日開催されました。なお、大井競馬場における大井競馬非開催時の浦和競馬、船橋競馬および川崎競馬の場外発売は、引き続き休止となっております。SPAT4では、各地方競馬の発売が延べ976日、11,225レース実施されました。SPAT4のポイントサービスであるSPAT4プレミアムポイントにおきましては、SNSを活用したキャンペーンの実施や、地方競馬場にて新規入会促進イベントを行うなど、各種サービスの向上および売上増進に努めました。また、4月1日設立のSPAT4システムに係る運営事業を行う子会社「株式会社eパドック」では、システムの安定稼働はもとより、SPAT4を通じて地方競馬の魅力をこれまで以上に発信することを目的に、さらには5G・AIなど新技術を駆使したお客様に選ばれるサービスをいち早く導入することを目指して、現在事業を進めております。このほか、大井競馬場でのイルミネーションイベント「東京メガイルミ 2021-2022」につきましては、過去最高の18万人の来場者を記録し、4月10日に営業を終了いたしました。今季につきましては、一部演出のリニューアルや新たなコラボレーション企画等を加え、10月15日より第5季目となる「東京メガイルミ2022-2023」の営業を開始しております。
伊勢崎オートレースにおきましては、110日開催され、他場の場外発売は延べ179日実施されました。この間、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら開催し、勝車投票券売上は前年同期比を上回り順調に推移いたしました。以上の結果、SPAT4によるインターネット投票が引き続き順調に推移したことから、公営競技事業の売上高は19,172百万円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は9,442百万円(同13.6%増)となりました。
[遊園地事業]東京サマーランドおよび各施設におきましては、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら営業いたしました。東京サマーランドでは3月25日より今季の営業を開始し、夏季期間においては滞留人数の上限を10,000名とし営業を行いました。この間、人気YouTuberや東京メガイルミとのコラボイベントをはじめとした各種イベントを実施し、夏季期間の集客活動およびお客様の満足度向上に努めました。また、2024年夏のオープンに向けて、新たなプールの建設に今秋より着手することを受け、長年多くのお客様に愛された屋外遊園地の人気アトラクション「トルネード」と「ウェーブスウィンガー」が9月25日をもって営業終了することに伴い、感謝の意を込めた「ありがとうキャンペーン」を実施し、ご来場されたお客様へ記念シールの配布や、フォトコンテストの実施、限定グルメの販売を行いました。このほか、アウトドア複合施設「Wonderful Nature Village(わんダフルネイチャーヴィレッジ)」におきましては、2019年の台風19号で被害を受けたあじさいを再生し、「あじさいまつり」としての営業を3年ぶりに再開するなど、集客増加に努めました。以上の結果、東京サマーランドおよび各施設の入場人員は、各種施策の効果もあり前年同期比47.9%増となる64万人となり、遊園地事業の売上高は2,433百万円(前年同期比57.4%増)、セグメント利益は336百万円(前年同期はセグメント損失235百万円)となりました。
[倉庫賃貸事業]勝島地区において、昨年8月に竣工いたしました5号倉庫が引き続き順調に稼働したほか、既存倉庫の外壁塗装替工事を行うなど、施設の維持管理に努めました。また、千葉県習志野市茜浜地区において、2024年の稼働に向けて2棟目となる新倉庫の建設工事を進めております。さらに、勝島第2地区ABC棟倉庫の一部において、新たに起業される方などへのスタートアップ支援を目的とした小規模賃貸倉庫「KuraFit(クラフィット)」の営業を9月から開始し、様々な顧客ニーズに対応したビジネスの展開に努めました。以上の結果、倉庫賃貸事業の売上高は3,809百万円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益は2,263百万円(同0.5%増)となりました。
[サービス事業] オフィスビル「ウィラ大森ビル」、大井競馬場前ショッピングモール「ウィラ大井」をはじめとする各賃貸施設において安定的な収益を確保いたしました。 また、7月には約3年ぶりとなる「ウィラ大井サマーフェスタ2022」を開催し、お子様向けのワークショップや、ミニコンサート等のイベントを実施し、お客様の満足度向上に努めました。 株式会社タックの空調設備事業におきましては、安定して工事受注を獲得するなど順調に推移いたしました。以上の結果、サービス事業の売上高は1,476百万円(前年同期比14.5%増)、セグメント利益は322百万円(同20.2%増)となりました。
区
分
売上高
セグメント利益
金額(百万円)
前年同期比
金額(百万円)
前年同期比
公営競技事業
19,172
11.7
%
9,442
13.6
%
遊園地事業
2,433
57.4
%
336
―
倉庫賃貸事業
3,809
5.1
%
2,263
0.5
%
サービス事業
1,476
14.5
%
322
20.2
%
セグメント間取引の消去等
△269
―
△915
―
合
計
26,621
13.2
%
11,448
17.5
%
(2)財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末における資産合計額は、前連結会計年度末に比べ3,490百万円増加し、113,604百万円となりました。これは、現金及び預金が1,388百万円、(仮称)習志野茜浜2号倉庫新築に伴う中間払等により有形固定資産が1,931百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。当第3四半期連結会計期間末における負債合計額は、前連結会計年度末に比べ3,137百万円減少し、34,130百万円となりました。これは、未払金が1,483百万円、未払法人税等が644百万円、長期借入金が750百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。当第3四半期連結会計期間末における純資産合計額は、前連結会計年度末に比べ6,628百万円増加し、79,474百万円となりました。これは、期末配当金及び中間配当金1,781百万円の支払いと、親会社株主に帰属する四半期純利益8,263百万円の計上により、利益剰余金が6,481百万円増加したことが主な要因であります。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.2%から70.0%となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。 (4)研究開発活動該当事項はありません。
(5)主要な設備①重要な設備計画の完了前連結会計年度末に計画していた重要な設備の新設のうち、当第3四半期連結累計期間において完了したものは次のとおりであります。
会社名
所在地
設備の内容(セグメントの名称)
完了年月
取得価額(千円)
建物及び構築物
建物附属設備
機械装置及び運搬具
土地(面積千㎡)
ソフトウエア
その他
合計
東京都競馬㈱
千葉県印西市
小林牧場調教馬場ナイター照明LED化工事(公営競技事業)
2022年3月
664,100
―
―
―
―
―
664,100
(注)競走馬の調教施設環境の充実および省電力化対応の改修であります。 ②重要な設備投資の新設等該当事項はありません。
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