【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、半導体・電子部品の供給不足緩和により、自動車や機械等の生産で持ち直しの動きが見られたものの、欧米の金融引締めや中国不動産の過剰債務問題を背景に、世界的な景気後退懸念が強まる等、先行きの不透明な状況で推移しました。
このような状況下、当社グループは2026年度連結売上高1,300億円、NEWビジネス プラス300億円、連結経常利益60億円、ROE9%を目標とする新中期ビジョン『 T-Link1369 』を始動し、FA機器等の基幹ビジネスの更なる拡大に加え、「グローバル」「メディカル」「オートメーション」「オリジナル」の4つの成長戦略の更なる進化や、総合商社を目指した「エネルギーソリューション」「モビリティ」「マテリアル」等のビジネス領域拡大にも注力し、成長市場に適応した「NEWビジネスの創造」に取組んでまいりました。
更には、当社オリジナル製品やシステム提案等、当社の強みである技術力を活かした独自のソリューションによる付加価値の高いビジネスモデルの構築にも注力してまいりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高503億38百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益19億69百万円(前年同期比4.3%増)、経常利益21億80百万円(前年同期比8.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益14億16百万円(前年同期比5.7%増)となりました。
<セグメント別の状況>
産業機器システム分野においては、産業メカトロニクスが前年にあった産業用加工機の大口案件の影響により減少したことに加え、装置システムが液晶向け等で減少したものの、FA機器が半導体製造装置関連やEV用電池関連向けを中心に増加したことから、この部門全体の売上高は前年同期比1.7%の増となりました。
半導体・デバイス分野においては、デバイスが在庫調整局面を背景とした需要減少により、中国やマレーシア等を中心に低調に推移したものの、インドの車載関連向けが増加したことに加え、国内で半導体製造装置やセキュリティ関連向けが堅調に推移したことから、この部門全体の売上高は前年同期比1.9%の増となりました。
これらの結果、FA・デバイス事業においては、売上高377億36百万円(前年同期比1.8%増、構成比75.0%)、営業利益は人件費等の販売管理費が増加したことにより、16億38百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
社会インフラ分野においては、昇降機を中心としたビル設備や、放射線がん治療装置及び医療用診断装置が増加したことから、この部門全体の売上高は前年同期比43.5%の増となりました。
情報通信分野では、OA機器が堅調に推移したことに加え、主力の携帯電話では高価格端末の販売増や5G基地局設計以外のアスベスト調査等新たなビジネスが増加したことから、この部門全体の売上高は前年同期比9.9%の増となりました。
これらの結果、社会・情報通信事業においては、売上高126億2百万円(前年同期比32.0%増、構成比25.0%)、営業利益は3億31百万円(前年同期比43.9%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ26億42百万円増加し、667億18百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加17億28百万円と、売上債権の増加11億37百万円があったことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末より4億27百万円増加し、288億94百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少9億0百万円があったものの、仕入債務の増加15億12百万円があったことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末より22億15百万円増加し、378億24百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加9億53百万円と為替換算調整勘定の増加6億87百万円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ17億8百万円増加し、当四半期連結会計期間末には80億51百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は31億98百万円(前年同期は24億81百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が21億52百万円あったことと仕入債務の増加が13億20百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16百万円(前年同期は同70百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が39百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は16億13百万円(前年同期は14億49百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の減少が10億0百万円あったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。