【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の影響による行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進みました。一方、長期化するウクライナ情勢や急速な円安による物価上昇、原材料・エネルギー価格の高騰等、経済の下振れリスクを残し、依然として不透明な状況が続いております。ホテル業界におきましては、まん延防止等重点措置が解除され、全国自治体による旅行・宿泊割引キャンペーン等が実施され、2022年10月には政府による全国旅行支援が開始されました。また、外国人観光客の入国制限が見直されるなど、明るい兆しも見えております。一方、原材料費・光熱費をはじめとした各種コストの上昇により、引き続き厳しい事業環境下に置かれております。こうした環境下、当社グループはお客様の安全安心を第一に考え、感染予防を徹底した上で営業活動にあたるとともに、「生産性と業務効率の向上」を柱に、「ホテルビジネスの再構築」、「マーケティング力の強化」、「人事運営の改革」に取り組んでまいりました。「生産性と業務効率の向上」については、部門を越えたサポート体制を充実し多役化の練度を上げることにより、さらなる生産性の向上に努めました。加えて、購買・調理・物販製造等の新システムを導入し、棚卸業務、食材管理、原価データ等と受発注の統括管理ができる体制を構築いたしました。「ホテルビジネスの再構築」については、2022年4月21日に当社グループにとっては28年ぶりとなる海外での新ホテル「リーガロイヤル・ラグーナ・グアム・リゾート」を開業いたしました。全室オーシャンビューの、目の前に海が広がる癒しのリゾートホテルで、自然の中でのヨガやフィッシングなどのアクティビティ、海との一体感を味わえるインフィニティプールなど、お子様から大人まで存分に非日常の時間を楽しんでいただけます。また、リーガロイヤルホテル(大阪)では、「日本の自然」をデザインした、心潤う癒しの空間を提供するナチュラルコンフォートフロアを、新たにサステナブルステイフロアへと進化させました。資源を有効活用できるようバスルームのシャワーヘッドを節水型に取り替えたほか、使い捨てのアメニティや備品を変更し、プラスチックごみ等の削減を実現いたしました。また、地球環境に配慮した滞在のご提案として、「アメニティなし」の宿泊プランをグループ各ホテルで販売いたしました。ホテルとして、非日常を提供しながらも、地球や社会、お客様にとっても持続可能な社会を実現する取り組みを進めております。設備面では、リーガロイヤルホテル(大阪)において、当社グループのグランメゾンである「レストランシャンボール」を2022年4月にリニューアルいたしました。1973年の開業当初から受け継がれる伝統の継承に「ここでしか体験できない特別なサービス」を融合し、店内に展示する絵画や新たに設けた「サロンスペース」で過ごすアペリティフタイム等、非日常を存分に堪能いただける設えにいたしました。「マーケティング力の強化」については、スマートフォン向けアプリを活用した会員サービス「リーガメンバーズ」の新規登録キャンペーン等を実施し、会員の獲得に注力いたしました。2022年9月末時点で会員数約18万人と多くのお客様にご利用いただいております。また、新たに「宿泊戦略推進室」を本社に発足させ、当社グループを横断して宿泊部門の販売戦略や業務効率化の支援を開始いたしました。グループ共通の海外向けデジタルマーケティングやプロモーションを主導し、コロナ後のインバウンド受注に向けた取り組みを推進しております。「人事運営の改革」については、AIやデジタルトランスフォーメーションを始めとする新たな知識やスキルを学ぶオンライン社員研修を開始し、従業員のリスキリング(学び直し)、自己実現のサポートに取り組みました。また、従業員のモチベーションの維持・向上のために、若年から中堅層の賃金を改定し、処遇の改善を実施いたしました。若年層教育の一環として、直属ではない先輩と知り合い、サポートを受ける「メンター制度」をグループホテルに展開いたしました。さらに、女性の視点から働き甲斐の醸成と働きやすさの整備について考える部門横断チームの活動をスタートいたしました。このように足元の業況を踏まえた施策とともにコロナ後を見据えた施策に取り組み収益の改善に注力してまいりました。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、全部門で前年同期実績を上回り、11,149百万円と前年同期比4,763百万円(74.6%)の増収となりました。損益面では、営業損失2,492百万円(前年同期は営業損失5,087百万円)、経常損失1,783百万円(前年同期は経常損失3,055百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,807百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失3,171百万円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。(部門別売上実績)
部門
当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年9月30日)
金額(百万円)
前年同期増減率(%)
客室
3,330
108.8
宴会
3,631
106.5
食堂
2,334
83.8
その他
1,852
5.1
合計
11,149
74.6
(注) 受注生産は行っておりません。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,309百万円減少し58,611百万円となりました。内訳では流動資産が同800百万円減少し5,122百万円となりました。これは営業損失計上等に伴い、現金及び預金が886百万円減少したこと等によります。固定資産は同508百万円減少し53,489百万円となりました。これは減価償却等により有形固定資産が517百万円減少したこと等によります。 当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ477百万円増加し44,309百万円となりました。これは借入金が400百万円増加したこと等によります。当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,786百万円減少し14,302百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等によります。これにより自己資本比率は、前連結会計年度末の26.8%から24.4%になりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当社グループホテルは、事業活動のための適切な資金確保及び健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出とシンジケートローンの組成により長期安定資金の確保に取り組んでおります。また、当社グループホテルの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資は、主に手元資金と営業キャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入などにより調達しております。資金計画につきましては、基本的に営業活動により得られた資金を有効活用し、設備投資に充当することや有利子負債の削減を図り、金融機関からの借入によって安定資金を確保しております。
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、財務活動による資金の増加があったものの、営業活動及び投資活動による資金の減少により、前連結会計年度末と比べ886百万円減少し2,672百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間の営業活動により使用した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ2,099百万円減少し、879百万円となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失が1,357百万円減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間の投資活動により使用した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ254百万円減少し、209百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が117百万円減少したこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間の財務活動による資金の収入は、前年同四半期連結累計期間に比べ1,457百万円減少し、201百万円となりました。これは主に短期借入金の増加が前年同四半期連結累計期間は2,600百万円であったことに対し、当第2四半期連結累計期間は1,100百万円であったこと等によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動 特記事項はありません。
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