【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、原材料・資源価格の高騰、円安進行による物価上昇、国際情勢の緊迫化もあり、依然として予断を許さない状況が続いております。食品・外食業界におきましては、節約志向が根強い市場環境の下で、原材料価格に加え、人件費、物流費、光熱費等の上昇により収益の圧迫が続いており、企業努力で吸収可能な範囲を超えてきております。経営環境は厳しさを増しており、先行きの不透明感もますます高まってきております。このような経営環境の中で、当社は経営理念としている「食と食の文化を通じてお客様に満足と幸せを提供する」ことを一貫して追い求め、「食の安全・安心」を第一に掲げて、「“おいしい”で世界をつなぐ」をミッションに、業績の向上と財務体質の改善を図り、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。この結果、当第3四半期累計期間の売上高は13,061百万円(前年同四半期比9.4%増)、営業利益は534百万円(同15.5%減)、経常利益は596百万円(同42.8%減)、四半期純利益は493百万円(同28.2%減)となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
食品事業食品事業における主要取引先である外食業界におきましては、徐々に回復の兆しが見え始めているものの、新型コロナウイルス感染症による影響に加え、多品目にわたる原材料、資材、エネルギーコストの上昇や為替の影響など、依然として先行きの不透明感が続いております。また、食品スーパー・生協等の小売市場におきましては、食料品・日用品を中心とした急速な価格転嫁により、消費者の生活防衛意識が高まり、買い控えに繋がるといった現象が顕著に表れています。このような状況の中、当社では、コロナ禍により希薄になりがちであった取引先との関係強化を、最重要テーマとして取り組んできました。また、家庭用需要の取り込み策として、スーパー惣菜、ベーカリー市場の強化、家庭用冷凍ピザの新商品発売等、積極的に家庭用市場の開拓を進めてまいりました。マーケティング活動として、自社オンラインショップのリニューアルとともに、アンテナショップ「デルソーレSHOP」では、リトアニアフェア・メキシコフェア・インドフェアに続き、趣向を凝らしたハロウィンフェア、ピザの日に合わせたイタリアンフェアを催し、デルソーレ商品を使って海外旅行気分を味わえる手軽で楽しいメニューを提供しました。加えてデルソーレ商品の訴求施策として、Instagramでアレンジレシピを提案しました。輸入販売においては、北欧リトアニアの海外パートナー企業との連携を深めヨーロッパの本格的な冷凍パンの販売を強化するとともに、アメリカ産冷凍チーズの販売も積極的に推進しております。また輸出販売については、香港を中心に引き合いが増加しており、円安を追い風に取引を加速させ、今後は当事業の重要な柱として育ててまいります。販売管理面では、売上規模に見合った在庫水準の適正化や、物流効率化の取り組み等を引き続き進めております。この結果、当第3四半期累計期間の売上高は10,980百万円(前年同四半期比8.0%増)、セグメント利益は1,105百万円(同21.0%減)となりました。
外食事業外食事業におきましては、新型コロナウイルス感染症第7波が9月に収束し人流が回復しつつあった一方で、第8波による感染拡大で再び人流が減少しており、依然として外食産業全体の客足は2019年比で回復にまで至っておりません。また、人手不足による時給引き上げや採用教育コストの増加、燃料価格・原材料費の高騰など、依然として厳しい経営環境が続いております。このような状況の中、当社は引き続き感染拡大防止を徹底しつつ、食材ロス低減の取り組み、人員配置の最適化や在庫管理、家賃の減免等、徹底したコストコントロールを実施するとともに、段階的な価格改定や、ブランドの選択と集中を強化することにより収益構造の改善に努めてまいりました。こうした中、需要が高まっているテイクアウトブランド「京鳥」(焼き鳥・鶏総菜)、「おめで鯛焼き本舗」を当社における成長ドライバーとして位置づけ、10月には「京鳥小田急新宿店」をリロケート出店し、11月には「おめで鯛焼き本舗千葉C・one店」を出店しました。一方、当第3四半期累計期間におきましては、不採算店舗の閉店を進めており、居酒屋・レストラン業態では「一番どり」3店舗、「ポポラマーマ」1店舗の計4店舗を閉店しました。デリバリー業態では「上海エクスプレス」を5店舗を閉店しました。この結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,091百万円(前年同四半期比17.2%増)、セグメント損失は28百万円(前年同四半期はセグメント利益112百万円)となりました。
② 財政状態の状況 (資産の部)当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末と比べ1,061百万円増加し、11,691百万円となりました。これは主に、売掛金が1,554百万円増加したこと等によるものです。 (負債の部)当第3四半期会計期間末における負債は、前事業年度末と比べ760百万円増加し、5,423百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が683百万円増加したこと等によるものです。 (純資産の部)当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末と比べ301百万円増加し、6,268百万円となりました。これは主に、利益剰余金の配当金の支払による減少があった一方で、四半期純利益の計上による増加があったことによるものです。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動特記すべき事項はありません。