【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における世界経済は、金融、地政学、環境問題等のリスク顕在化による成長率の鈍化が懸念されるとともに、加速するインフレに対応する金融引き締めが個人消費や需要の低下を招く等、経済見通しに対する不透明感が増しております。このような状況の下、当社グループは食を扱うグローバルカンパニーとして、様々な事業環境の変化に対応しながら、安全かつ安定的な商品の供給に努めてまいりました。当社グループの主たる事業は、日本食をはじめとするアジア食品・食材を、北米中心に欧州、中国、東南アジア、豪州等で販売する「アジア食グローバル事業」並びに青果物等の国内販売、及び輸出・三国間貿易を行う「農水産商社事業」であります。また、海外のブランド食品や自社で企画・開発したシーズン商品、キャラクター商品を日本の輸入食品店・生活雑貨店等に販売する事業や、ナチュラルサプリメントの製造・販売事業も行っております。さらに、食の業界が抱える様々な課題に対するソリューションを発掘・提供する企業への進化を目指し、「食」と「ヘルスケア」等が融合する新たな領域での事業展開や、食の世界に携わる事業者に対するデジタル技術を活用したソリューションの提供等を進めております。アジア食グローバル事業は、主力である北米地域の持続的かつ安定的な収益実現のための構造改革と、成長戦略の一つである北米以外の地域における営業基盤の拡充を積極的に推進してまいりました。農水産商社事業では、主力の卸売市場向け、量販店、中・外食産業等向けの販売拡大を進める一方、国産青果物の輸出、三国間貿易、中国国内卸売事業等、海外販路の開拓に取り組んでまいりました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高697億65百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益31億67百万円(前年同期比9.1%増)、経常利益33億70百万円(前年同期比5.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益23億10百万円(前年同期比6.8%増)となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
[セグメント別業績の概況]① アジア食グローバル事業アジア食グローバル事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高555億38百万円(前年同期比19.8%増)、営業利益35億10百万円(前年同期比17.6%増)となりました。北米地域においては、堅調な販売状況のもと、売上高はレストラン向け、グローサリー向けともに増加いたしました。大手グローサリーチェーンへの販売拡大、ナショナルブランドからプライベートブランドへの切り替え促進、シェアの確保に重点を置く営業施策等が奏功いたしました。利益面では、適切な価格転嫁等によって利益率の維持を図る一方、棚卸資産評価損の計上や、人材確保を目的とした給与水準の調整や広範にわたる物価上昇等により費用が増加し、世界的な物流混乱を起因とする品不足を背景に、利益率は過去と比べて高い水準であった前年同期との対比では低下いたしました。
北米以外の地域については、欧州地域では、インフレや利上げによる消費の落ち込みは当初見通しの範囲内に留まり、個店レストラン向けを中心に売上高は増加いたしました。アジア・オセアニア地域では、前年同期は新型コロナウイルスの変異株まん延やサプライチェーン悪化に見舞われていたのに対し、当期は足元で景気後退リスクは顕在化しておらず、また、物流状況も安定化に向かう中、堅調な業績で推移いたしました。
② 農水産商社事業農水産商社事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高129億39百万円(前年同期比12.5%増)、営業損失41百万円(前年同期は0百万円の営業利益)となりました。売上高については、前年同期の国内市場では主要都市圏における「まん延防止等措置法」の継続や仕入原価の急騰により販売が低調であった一方、当期は、不安定な調達状況が継続する中でも主力商材である輸入青果において比較的順調な出荷を実現できたこと、冷凍青果の業務用需要が回復し受注が堅調であったほか、シンガポールにおける青果卸売子会社では、主力のグローサリー向け野菜販売等が好調に推移したこと等により、前年同期比で増収となりました。利益面については、主力商材であるレモンの在庫状況等を鑑み、数量優先の販売施策のため相場の引き下げを行ったことや、国内の冷凍青果販売事業やシンガポールの青果卸売子会社において、調達原価上昇に対する価格調整が遅れたこと等により、前年同期比で減益となりました。
③ その他事業その他事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高12億87百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益61百万円(前年同期比13.7%増)となりました。主力の輸入食品販売事業では、最大商戦であるバレンタイン・イベントが盛況のうちに終わり、日常的な輸入ブランド商品もインフレによる買い控えが懸念されたものの堅調な実績を上げるとともに、サプリメント事業では主力の医療販路、ECを中心に堅調に売上高を伸ばしました。その他、新規事業として、手術後や病後者向けの食品提供事業等を展開し、現時点では経費が先行して発生しておりますが、その他事業全体としては、増収増益となりました。
(資産)当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億38百万円増加し、1,815億61百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。当第1四半期連結会計期間末における流動資産合計は、1,537億47百万円(前連結会計年度末比27億16百万円増加)となりました。流動資産の増加は、棚卸資産の減少13億2百万円、未収還付法人税等を含むその他の減少8億95百万円があったものの、現金及び預金の増加53億28百万円があったことによるものであります。当第1四半期連結会計期間末における固定資産合計は、278億13百万円(前連結会計年度末比3億78百万円減少)となりました。固定資産の減少は、建設仮勘定を含むその他(純額)の増加1億61百万円があったものの、リース資産(純額)の減少5億25百万円があったことによるものであります。
(負債)当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億25百万円増加し、1,076億84百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。当第1四半期連結会計期間末における流動負債合計は、345億79百万円(前連結会計年度末比9億65百万円増加)となりました。流動負債の増加は、短期借入金の減少6億52百万円があったものの、支払手形及び買掛金の増加12億94百万円、未払法人税等の増加4億12百万円があったことによるものであります。当第1四半期連結会計期間末における固定負債合計は、731億5百万円(前連結会計年度末比4億40百万円減少)となりました。固定負債の減少は、長期借入金の増加1億68百万円があったものの、リース債務の減少5億4百万円があったことによるものであります。
(純資産)当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ18億12百万円増加し、738億76百万円となりました。純資産の増加は、主に利益剰余金の増加12億34百万円、為替換算調整勘定の増加5億28百万円があったことによるものであります。
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