【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
前連結会計年度末(百万円)
当連結会計年度末(百万円)
総資産
245,372
252,914
純資産
144,121
152,702
自己資本比率
58.1
59.6
1株当たり純資産
1,459.34
1,592.79
総資産は、前連結会計年度末から7,541百万円増加して252,914百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少、売上債権及びその他流動資産の増加を主な要因として5,434百万円増加し、固定資産は、投資有価証券の減少、建設仮勘定の増加を主な要因として2,107百万円増加いたしました。負債は、契約負債の増加、長期借入金の減少などを主な要因として、前連結会計年度末から1,039百万円減少し100,211百万円となりました。純資産は、自己株式の増加による減少、利益剰余金の増加を主な要因として、前連結会計年度末から8,581百万円増加して152,702百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.5ポイント増加して59.6%となり、1株当たりの純資産は、前連結会計年度末の1,459.34円から1,592.79円となりました。
② 経営成績の状況売上高は、前連結会計年度に比べ6.1%増加して277,015百万円となりました。また、売上原価は売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10,421百万円増加して188,010百万円となり、売上高に対する売上原価の比率は67.9%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4,017百万円増加して71,632百万円となりました。また、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.9%となりました。この結果、営業利益は、前連結会計年度の15,972百万円に比べ8.8%増加し17,372百万円となりました。営業外損益は、前連結会計年度の1,519百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は1,552百万円の収益(純額)となりました。 この結果、経常利益は、前連結会計年度の17,491百万円に比べ8.2%増加し18,924百万円となりました。特別損益は、前連結会計年度の4,179百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は4,224百万円の収益(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の21,670百万円に比べ6.8%増加し23,148百万円となりました。法人税等は、前連結会計年度の6,594百万円に比べ5.2%増加し6,935百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は30.0%となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の14,992百万円に比べ6.1%増加し15,906百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の151.26円に比べ7.9%増加し163.15円となりました。また、自己資本利益率は10.8%となりました。なお、当連結会計年度における各セグメントごとの状況は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況
区分
前連結会計年度(百万円)
当連結会計年度(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
5,328
13,491
投資活動によるキャッシュ・フロー
△2,264
△6,660
財務活動によるキャッシュ・フロー
△8,601
△9,485
現金及び現金同等物期末残高
39,186
36,999
借入金・社債期末残高
21,594
21,159
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益23,148百万円、減価償却費6,213百万円及び,契約負債の増加額1,833百万円等による増加と、売上債権及び契約資産の増加額4,601百万円、法人税等の支払額7,583百万円及び投資有価証券売却損益4,350百万円等による減少の結果、13,491百万円の資金増加(前期は5,328百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入8,355百万円等による増加と、有形固定資産の取得12,369百万円、無形固定資産の取得1,011百万円及び投資有価証券の取得1,157百万円等による減少の結果、6,660百万円の支出(前期は2,264百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得4,070百万円及び配当金の支払額4,111百万円等による減少の結果、9,485百万円の支出(前期は8,601百万円の支出)となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は2,187百万円減少し、36,999百万円となりました。また、借入金・社債の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ435百万円減少し、21,159百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
オフィス環境事業
58,440
8.9
商環境事業
25,232
3.1
物流システム事業
6,191
54.2
その他
5,400
11.5
合計
95,265
9.5
(注) 金額は、製造原価によっております。
b.受注状況当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
オフィス環境事業
155,760
56.2
商環境事業
101,842
36.8
物流システム事業
13,624
4.9
その他
5,788
2.1
合計
277,015
100.0
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①
重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
b.経営成績
区分
売上高(百万円)
営業利益(百万円)
経常利益(百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)
1株当たり当期純利益(円)
ROE(%)
当連結会計年度
277,015
17,372
18,924
15,906
163.15
10.8
前連結会計年度
261,175
15,972
17,491
14,992
151.26
10.7
当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の収縮から回復傾向にあるものの、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスク、諸資材・部品の価格高騰、世界的な金融引き締めにともなう急激な金利・為替変動に銀行不安も加わり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとし、顧客のニーズを的確に捉えたクオリティの高い製品とサービスを社会に提供することで、企業価値の向上に努めてまいりました。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高277,015百万円(前期比6.1%増)、営業利益17,372百万円(前期比8.8%増)、経常利益18,924百万円(前期比8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,906百万円(前期比6.1%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高となりました。また、自己資本当期純利益率(ROE)は、10.8%(前期比0.1ポイント増)、総資産経常利益率(ROA)は、7.6%(前期比0.5ポイント増)、売上高営業利益率は、6.3%(前期比0.2ポイント増)となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
セグメントの名称
売上高(百万円)
セグメント利益又は損失(△)(百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
オフィス環境事業
140,599
155,760
15,160
13,782
15,885
2,103
商環境事業
102,674
101,842
△832
2,740
2,721
△18
物流システム事業
12,360
13,624
1,263
△590
△1,196
△606
その他
5,540
5,788
247
40
△37
△77
合計
261,175
277,015
15,839
15,972
17,372
1,400
(注) セグメント利益又は損失(△)の合計は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
オフィス環境事業オフィス環境事業につきましては、新しい働き方に対応したオフィスの構築が、業種・規模を問わず多くの企業にとって重要な経営課題となっており、全国でオフィスのリニューアル需要が活発に推移しました。このような状況のもと、当社は、ハイブリッドワークとデジタル時代に対応した新しいワークスタイルの提案営業と、それを支える働き方の変化を捉えた新製品の拡充により需要の取り込みに努めました。またDB&B社買収による海外売上の増加もあり、売上高、利益ともに過去最高となりました。この結果、当セグメントの売上高は、155,760百万円(前期比10.8%増)、セグメント利益は、15,885百万円(前期比15.3%増)となりました。
商環境事業商環境事業につきましては、当社の主要顧客であるスーパー、ドラッグストア等の小売業を中心に、改装需要が好調に推移いたしました。このような状況のもと、店舗什器、冷凍冷蔵ショーケースをはじめとした幅広い製品ラインナップと、店舗デザインや施工管理等を含む店舗づくりのトータルサポート体制による当社の総合力を活かした提案を展開し需要の取り込みに努めました。また諸資材・部品の価格高騰の影響を大きく受けましたが、生産・物流コスト削減に努めるとともに、下半期より価格転嫁が徐々に浸透し始めたことにより、売上高、利益ともに前連結会計年度から横ばいとなりました。この結果、当セグメントの売上高は、101,842百万円(前期比0.8%減)、セグメント利益は、2,721百万円(前期比0.7%減)となりました。
物流システム事業物流システム事業につきましては、労働人口の減少と電力高騰を背景とした省人・省力化への要望は強く、大型物流施設を中心に自動倉庫の需要は高水準で推移しております。このような状況のもと、優位性のある製品の強みを最大限に活かした積極的な提案活動を展開してまいりました。足元での受注高は堅調に増加しており、前連結会計年度に比べ、売上高は増加いたしました。しかしながら、諸資材・部品の価格高騰により、利益は減少いたしました。この結果、当セグメントの売上高は、13,624百万円(前期比10.2%増)、セグメント損失は、1,196百万円(前期は590百万円のセグメント損失)となりました。
c.キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性当社は、2022年10月19日開催の取締役会において、長野県須坂市に新たに工場を建設することを決議いたしました。設備投資計画の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。当社は、安定的な資金の流動性を確保するため、及び運転資金の効率的な調達を行うため主要取引金融機関と20,000百万円の特定融資枠契約を締結しております。なお、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、新たな需要の創造、効率的な経営、グローバル化の推進により、継続的な成長とESGへの積極的な取り組みを通じた企業価値の向上を目指して、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しております。当連結会計年度における売上高は277,015百万円(前期比6.1%増)、営業利益17,372百万円(前期比8.8%増)、経常利益18,924百万円(前期比8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,906百万円(前期比6.1%増)、自己資本当期純利益率(ROE)は、10.8%(前期比0.1ポイント増)、総資産経常利益率(ROA)は、7.6%(前期比0.5ポイント増)、売上高営業利益率は、6.3%(前期比0.2ポイント増)となりました。
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