【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度(2022年7月1日~2023年6月30日)における当社グループは、クライアントニーズにきめ細かく対応した企画力とメディアリレーションを強みに持つ「PRコミュニケーショングループ」として、グループシナジーを創出しながら幅広いソリューションを提供してまいりました。
中長期的な企業価値向上を目指す当社グループは、成長の加速と経営効率改善の双方を実現するため、2023年5月、中核企業の㈱サニーサイドアップを存続会社とする連結子会社3社間の吸収合併を決定しました。当該3社の経営資源の集約と再配分を通じて組織を再編するとともに、収益構造や事業機会を見極め、基幹事業の強化への準備を進めました。2023年7月、経営の更なる効率化に向けて、ビジネスディベロップメント事業に含まれる㈱アジャイルの全株式を譲渡しました。
当社グループでは、ポストコロナへのシフトが本格化した事業環境を追い風に、コスメ・ファッション、食品・飲料等のPRに加え、商業施設・ホテルの開業、スポーツイベントの開催に伴うPRを順調に受注しました。また、海外PRエージェンシーとの連携が強みとなり、円安等を背景に日本進出を計画するグローバル企業からの依頼が急激に増加するなか、組織を整備して受注拡大に対応しました。
業績につきましては、PRの受注が増加したマーケティング&コミュニケーション事業とIP(知的財産)を活用した販促企画が好調なセールスアクティベーション事業がグループ売上高を牽引したほか、国内の復調が顕著となったフードブランディング事業も増収に寄与しました。増収効果により利益改善も進み、フードブランディング事業に加えて、事業開発の赤字幅が縮小したビジネスディベロップメント事業も黒字転換を果たしました。
なお、前連結会計年度の営業外収益に組合損益分配額と助成金収入を合わせて502百万円を計上したのに対し、当連結会計年度に組合損益分配額の計上はなく、助成金収入も減少しましたが、営業利益の増加により経常利益も増益となりました。さらに、フードブランディング事業の米国子会社の全出資持分譲渡が完了したことに伴い、法人税等負担が減少し、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に増加しました。
その結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下の通りになりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計、負債合計、純資産は、以下となりました。
資産合計 8,595百万円(前連結会計年度末比 1,046百万円増)
負債合計 4,867百万円(前連結会計年度末比 138百万円増)
純資産合計 3,728百万円(前連結会計年度末比 908百万円増)
(経営成績)
当連結会計年度の連結売上高および連結業績は、以下となりました。
売上高 18,956百万円(前年同期比 17.1%増)
営業利益
1,296百万円(前年同期比 68.9%増)
経常利益
1,335百万円(前年同期比
4.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
884百万円(前年同期比 52.2%増)
イ. マーケティング&コミュニケーション事業
当事業では、PRを軸にプロモーション、ブランディング、スポーツマーケティングなど、マーケティング及びコミュニケーションに関する多様なソリューションを提供しております。
㈱サニーサイドアップでは、企画力とメディアリレーションを強みとして、特定の業種に限定することなく、多様な商品・サービス、イベント等のPRを手掛け、グローバル企業の日本ローンチに関するPRも多数受注しました。
㈱クムナムエンターテインメントでは、強力なキャスティングネットワークと企画力を強みとして、日本及び韓国の人気ア-ティスト、有名プロスポーツ選手等を起用したブランディングやコンテンツ開発を手掛けました。
㈱ステディスタディでは、ファッション、ライフスタイルブランドに関する専門的な知見やキャスティング力を活用し、PRやイベントの企画・制作・運営、コンサルティングを提供しました。㈱エアサイドでは、高いクリエイティビティとエンターテインメント業界とのリレーションを武器に、人気アーティストを起用したCMをメディアに紹介するPR等を手掛けました。また、㈱スクランブルでは、インフルエンサーとYouTubeやInstagram等のSNSを組み合わせたマーケティングサービスを提供しました。
当連結会計年度におきましては、㈱サニーサイドアップでリテナー契約の更新及び新規獲得が進むなか、第4四半期連結会計期間に受注が積み上がったことに加え、㈱ステディスタディにおいてハイエンドブランドのPRやイベント受託が好調に推移しました。当事業では更なる成長に向けて、人的資本等への先行投資に伴う費用が増加して僅かに減益となったものの、前年同期並みの営業利益を確保しました。
これらの結果、当事業の当連結会計年度の業績は以下の通りとなりました。
売上高 8,207百万円(前年同期比
6.0%増)
セグメント利益 1,917百万円(前年同期比
1.9%減)
ロ. セールスアクティベーション事業
当事業では、店頭等の消費者とのコンタクトポイントにおいて購買・成約の意思決定を促すためのソリューションを提供しております。
㈱ワイズインテグレーションでは、商品キャンペーンの企画やグッズ制作、雑貨の商品企画及びOEM、大手食品・飲料メーカーのコミュニケーション戦略立案、国際支援団体のマーケティングサポート等を展開しました。
㈱サニーサイドアップのコンテンツ関連部門では、タレントやキャラクター等のIPを活用したコンテンツ制作及び販促企画を手掛けました。
当連結会計年度におきましては、㈱サニーサイドアップのコンテンツ関連部門でIPを活用した大手コンビニエンスストア向け販促企画の受注が大幅に伸長し、事業全体で増収増益となりました。
これらの結果、当事業の当連結会計年度の業績は以下の通りとなりました。
売上高 7,178百万円(前年同期比 30.8%増)
セグメント利益 380百万円(前年同期比 10.3%増)
ハ. フードブランディング事業
当事業では、オーストラリア・シドニー発のオールデイダイニング「bills」の国内におけるブランディング、ライセンシングビジネス及び韓国におけるライセンス管理と店舗運営を行っております。
直営7店舗を展開する国内では、当連結会計年度に出退店はないものの、2022年12月に「bills 横浜赤レンガ倉庫」(神奈川県横浜市中区)が入居する商業施設の大規模改装に伴いリニューアルオープンし、順調に推移しました。当連結会計年度におきましては、国内の回復が続くなか、季節に合わせたメニューの提供やインバウンド向けのプレス試食会等を実施し、銀座店及び表参道店を中心に売上が大幅に伸長しました。
また、2店舗を展開する韓国の売上高も引き続き順調に推移しました。
当連結会計年度におきましては、米国ハワイ州からの事業撤退完了に伴う損失解消に加え、国内の収益改善が寄与し、事業全体で黒字に転換しました。
これらの結果、当事業の当連結会計年度の業績は以下の通りとなりました。
売上高 2,901百万円(前年同期比
22.9%増)
セグメント利益 76百万円(前年同期実績 △366百万円)
二. ビジネスディベロップメント事業
当事業は、新規事業の開発・創出を通じてグループの事業領域を拡充する位置づけにあり、費用が先行する傾向にあります。
㈱グッドアンドカンパニーでは主に、ウェルビーイングや女性活躍推進等、社会課題の解決に資するコミュニケーションサービスを提供しました。当連結会計年度においては、女性のヘルスケアやキャリアとの両立など、ライフデザインを啓発するプロジェクトを中心に手掛けました。㈱サニーサイドアップパートナーズ(現、㈱サニーサイドエックス)では、新規事業の開発及び企画、並びに商業施設及び建物の企画、開発、管理運営等を行いました。また、㈱アジャイルでは、グループが有する資産やIPを組み合わせて、新業態・新商品の開発支援及びコンサルティングサービスを提供しました。
当連結会計年度におきましては、事業開発に係る費用が先行していた㈱アジャイルの赤字幅が縮小し、事業全体で黒字転換しました。
これらの結果、当事業の当連結会計年度の業績は以下の通りとなりました。
売上高
669百万円(前年同期比 12.3%増)
セグメント利益
88百万円(前年同期実績 △82百万円)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて140百万円減少し、3,074百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて338百万円収入が減少し、846百万円の収入となりました。この主な要因は、前連結会計年度と比べて未払金が156百万円、契約負債が113百万円それぞれ減少し、前渡金が98百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ0百万円支出が増加し、274百万円の支出となりました。この主な要因は、前連結会計年度と比べて出資金の払込による支出が136百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出が33百万円それぞれ増加したものの、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が208百万円減少したことによるものです。
これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて339百万円減少し、571百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ449百万円支出が増加し、744百万円の支出となりました。この主な要因は、短期借入金の純増減額が190百万円、長期借入れによる収入が100百万円それぞれ減少したのに加え、自己株式の取得による支出が99百万円、配当金の支払額が90百万円それぞれ増加したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループの主たる業務は、PRを含むマーケティング活動の支援やマネジメント業務等の役務を提供する業務であるため、生産に該当する事項はありません。
(受注実績)
当社グループの主たる業務は、PRを含むマーケティング活動の支援やマネジメント業務等の役務を提供する業務であり、受注販売を行っておりませんので、該当する事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
前年同期比(%)
マーケティング&コミュニケーション事業(千円)
8,207,350
106.0
セールスアクティベーション事業(千円)
7,178,615
130.8
フードブランディング事業 (千円)
2,901,159
122.9
ビジネスディベロップメント事業 (千円)
669,789
112.3
合計 (千円)
18,956,914
117.1
(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自
2021年7月1日
至
2022年6月30日)
当連結会計年度
(自
2022年7月1日
至
2023年6月30日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
㈱ファミリーマート
1,672,175
10.3
6,609
0.0
㈱ハピネット
85,577
0.5
2,474,492
13.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績は、次の通りであります。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて1,046百万円増加し、8,595百万円となりました。資産の内訳につきましては、流動資産合計が779百万円の増加により6,622百万円に、固定資産合計が267百万円の増加により1,972百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が140百万円減少したものの、売掛金が661百万円、未成業務支出金が256百万円それぞれ増加したことによるものです。また、固定資産の増加は主に、投資有価証券が169百万円、繰延税金資産が49百万円それぞれ増加したことによるものです。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて138百万円増加し、4,867百万円となりました。負債の内訳につきましては、流動負債合計が432百万円の増加により4,100百万円に、固定負債合計が294百万円の減少により766百万円となりました。流動負債増加の主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金が339百万円、未払法人税等が217百万円減少したものの、買掛金が926百万円、未払費用が100百万円それぞれ増加したことによるものです。また、固定負債の減少は主に、長期借入金が250百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べて908百万円増加し、3,728百万円となりました。これは主に、自己株式を100百万円取得したものの、利益剰余金が703百万円、その他有価証券評価差額金が221百万円それぞれ増加したことによるものです。
当連結会計年度末において、自己資本は前連結会計年度末と比べて866百万円増加し、3,561百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度の35.7%より上昇し、41.4%となりました。また、経営効率指標である自己資本当期純利益率は前連結会計年度の23.4%から28.3%、総資産経常利益率は同17.5%から16.5%となりました。
(経営成績)
当連結会計年度の売上高は18,956百万円となり、3期連続増収で過去最高を更新しました。増収分2,766百万円の主な内訳は、セールスアクティベーション事業で1,688百万円、フードブランディング事業で541百万円、マーケティング&コミュニケーション事業で462百万円となっております。特に、セールスアクティベーション事業で大幅な増収となりましたが、㈱サニーサイドアップのコンテンツ関連部門でIPを活用した大手コンビニエンス向け販促企画の受注が好調に推移したことが要因と言えます。フードブランディング事業の増収は主に国内事業によるもので、行動規制の緩和、インバウンド需要の回復等を背景に、新たなメニュー提供等の販売政策が効果的であったと見ています。マーケティング&コミュニケーション事業は特に第4四半期会計期間の売上高が伸長しておりますが、第3四半期会計期間より次期を見据えた企画提案への注力等が奏功したと考えています。
当連結会計年度の営業利益は1,296百万円となり、3期連続増益で過去最高を更新しました。改善額528百万円の主な内訳は、フードブランディング事業で443百万円、ビジネスディベロップメント事業で171百万円となっております。フードブランディング事業の改善は主に、米国ハワイ州からの撤退に伴う損失解消と国内事業の増収によるもので、構造改革へ取組みが成果として表出したと評価しております。ビジネスディベロップメント事業の利益改善は主に、㈱アジャイルの赤字幅縮小によるものです。同事業セグメントでは、2024年6月期よりXR事業を始めることから、2023年7月に㈱アジャイルの全株式を譲渡するなど、中長期的成長に向けた戦略投資を支える収益構造への転換を進めています。
当連結会計年度の経常利益は1,335百万円となり、3期連続増益で過去最高を更新しました。前連結会計年度の営業外収益に組合損益分配額と助成金収入を合わせて502百万円を計上したのに対し、当連結会計年度に組合損益分配額の計上はなく、助成金収入も減少しましたが、経常利益段階でも増益を確保しました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は884百万円で、営業利益以下の段階利益全てで3期連続増益となり、過去最高を更新しました。経常利益段階までに増益を確保したことに加え、フードブランディング事業で米国子会社の全出資持分譲渡が完了したことに伴い、法人税等負担が減少したことが影響しました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、収益性の改善を評価しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 会社の対処すべき課題」に記載の事項に取り組むことにより、改善を更に継続したいと考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の流動性)
当社は、継続的、安定的に営業キャッシュ・フローを確保することにより、事業活動に必要な流動性を維持す
ることを財務上の重要な目標としております。
また、財務健全性の向上を目指し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を方針としております。
運転資金については原則として、自己資金でまかないますが、一時的な運転資金を効率的に調達するため、当座貸越を利用することがあります。セールス&アクティベーション事業においては、キャンペーン・ノベルティグッズ等の制作について、中国を中心とした海外に発注しており、各案件が大規模になることが多いため、資金繰りに細心の注意を払い、外貨保有のバランスも考慮した資金調達を行っております。
フードブランディング事業における新規店舗開発や既存店舗の設備改修等多額の設備資金を必要とする事案につきましては、投資回収期間を精査した上で、長期借入金として効率的な資金の調達・運用を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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