【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、春からの新型コロナウイルス感染症の規制緩和により景気は徐々に持ち直しの動きが見られましたが、夏場の全国的な感染再拡大により、個人消費を中心に回復ペースが鈍化しました。海外経済においては、ウクライナ情勢の悪化に伴う原材料価格やエネルギー価格の高騰、中国のゼロコロナ政策の長期化などの影響を受け、先行きが不透明な状況が続いています。
食品業界では、原材料価格やエネルギー価格の高騰に円安の影響も加わるなど様々なコストが増加し、業界全体で価格改定の動きが顕著になりました。消費者の生活防衛意識の高まりが消費マインドに影響する一方で、フードロスの低減など持続可能な社会の実現に向けた取組みが求められています。
こうした状況のなか、当社グループは、当社グループのありたい姿として中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え成長する会社になる」を掲げ、2022年4月より2025年3月までの3年間を対象とする「新中期経営計画」への取組みを推進しています。
その結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、『国内食品事業』、『国内化成品その他事業』、『海外事業』のいずれの事業も売上が前年同期を上回る実績を確保し、436億31百万円(前年同期比50億28百万円、13.0%増)となりました。
利益面では、引き続き油脂関係を中心とした原材料価格およびエネルギー価格高騰の影響を受けましたが、価格改定の取組みにより売上総利益を獲得したことに加え、広告宣伝費を効率的に使用した結果、営業利益は35億57百万円(前年同期比11億60百万円、48.4%増)、経常利益は為替差益の計上などにより41億49百万円(前年同期比16億31百万円、64.8%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第1四半期連結会計期間に当社の連結子会社であった青島福生食品有限公司の全持分の譲渡による関係会社出資金売却益の計上および繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額の計上があったことなどにより前年同期から減少し、31億46百万円(前年同期比140億16百万円、81.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔国内食品事業〕
『家庭用食品』では、ドレッシングはTVCMや「リケンのノンオイル セレクティ®」リニューアルキャンペーンなどのプロモーション活動を展開し売上が堅調に推移しましたが、内食需要が続いていた前年同期からの反動や価格改定の影響などもあり、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」、わかめスープの売上が振るわず、この結果、部門全体の売上は前年同期を下回りました。
『業務用食品』では、新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きを受けて行動制限が緩和されたことにより外食産業の需要の回復が進んだ結果、部門全体の売上は前年同期を上回りました。
『加工食品用原料等』では、顧客ニーズに対応した取組みの推進に加え、高騰が続く原材料価格を受け価格改定への取組みを推進したこと、またクロセチンやビタミンなど機能性食品用原料の販売が好調に推移したことから、部門全体の売上は前年同期を上回りました。一方で、原材料価格の高騰が続いており、収益面では厳しい状況で推移しています。
この結果、当セグメントの売上高は、前年同期から12億61百万円(4.7%)増加した282億30百万円となり、営業利益は21億40百万円(前年同期比3億60百万円減)となりました。
〔国内化成品その他事業〕
『化成品(改良剤)』では、化学工業用分野(プラスチック・食品用包材・農業用フィルム・ゴム製品・化粧品など)において、顧客ニーズを捉えたソリューションビジネスを展開しています。原材料価格の高騰に伴う価格改定への取組みを推進したことから、部門全体の売上は前年同期を上回りました。収益面では、原材料価格の高騰に加え、一部分野における需要減少の影響を受け、厳しい状況で推移しています。
また、『その他』の事業では、飼料用油脂の売上が前年同期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、前年同期から2億14百万円(6.6%)増加した34億92百万円となり、営業利益は77百万円(前年同期比2億58百万円減)となりました。
〔海外事業〕
原材料価格や物流コストが高水準で推移したことに伴う価格改定や、為替影響による増収効果により、売上および営業利益ともに前年同期を上回りました。東南アジア、北米、ヨーロッパが好調に推移しましたが、中国では都市封鎖の影響で生産および出荷が減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は、前年同期から38億13百万円(42.6%)増加した127億75百万円となり、営業利益は15億99百万円(前年同期は営業損失2億63百万円)となりました。
なお、前年同期実績には当社の連結子会社であった青島福生食品有限公司の実績(売上高3億99百万円、営業損失6億54百万円)が含まれております。
財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は1,059億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億64百万円増加しました。主な増加は、棚卸資産24億45百万円、受取手形及び売掛金12億16百万円、主な減少は、その他流動資産4億81百万円であります。
負債は356億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億82百万円減少しました。主な増加は、支払手形及び買掛金6億52百万円、未払法人税等6億46百万円、主な減少は、長期借入金13億9百万円、その他流動負債5億37百万円であります。
純資産は702億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億47百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益の計上で31億46百万円増加し、剰余金の配当で8億24百万円減少したこと、為替換算調整勘定が17億31百万円増加したことによるものであります。なお、自己株式の消却により、資本剰余金が6億5百万円、利益剰余金が115億27百万円、自己株式が121億33百万円それぞれ減少しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は151億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ79百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは30億98百万円の収入となりました。主な増加は、税金等調整前四半期純利益42億25百万円、減価償却費18億60百万円であり、主な減少は、棚卸資産の増加20億39百万円、売上債権の増加9億93百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは12億85百万円の支出となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出11億85百万円であります。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは18億13百万円の純収入となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは23億43百万円の支出となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出13億9百万円、配当金の支払額8億23百万円であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、15億70百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。