【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで経済活動の正常化が進み、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、サプライチェーンの制約やロシア・ウクライナ情勢に端を発した資源価格等の高騰、また、急激な為替相場の変動などにより、先行き不透明な状況で推移いたしました。このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の売上高は673億39百万円(前年同期比11.2%増加)、営業利益は39億15百万円(前年同期比5.4%増加)、経常利益は45億3百万円(前年同期比6.2%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は30億63百万円(前年同期比0.5%減少)となりました。当第3四半期連結累計期間における、セグメントの業績は、次のとおりであります。
① ガス事業ガス事業を取り巻く環境は、半導体、自動車、建設など仕向け先への需要が回復せず、更に原材料価格の高騰が続く厳しい状況で推移いたしました。このような事業環境のなか、当事業ではシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、生産・販売体制の見直しを行ない、地域に密着した営業に努めてまいりました。また、カーボンニュートラル社会実現に向け、環境負荷の低い液化アンモニアや水素ガス等の供給網整備や溶解アセチレンを用いた新素材の研究開発を進めております。『溶解アセチレン』は、建設・土木関連の現場及び造船業界向けの出荷数量が減少したものの、原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前年同期を上回りました。『その他工業ガス等』は、全般的に出荷数量は減少しましたが、原材料価格の高騰による価格改定やアルゴンが現場工事及びスポット需要の獲得、エアゾールガスが新規獲得、また、LPガス等の石油系ガスでは輸入価格の高騰に伴なう販売価格の上昇によりそれぞれ増加し、売上高は前年同期を上回りました。『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が回復し、売上高は前年同期を上回りました。『容器』は、消火設備装置向け容器の需要回復と原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前年同期を上回りました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は493億9百万円(前年同期比11.2%増加)、営業収入は4億12百万円(前年同期比48.9%増加)、営業利益は42億50百万円(前年同期比29.6%増加)となりました。
② 化成品事業化成品事業を取り巻く環境は、原材料価格の高騰や、供給制限、供給不足が続く厳しい状況で推移しました。このような事業環境のなか、当事業では仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めてまいりました。『接着剤』は、ペガールが木工用が減少したものの、塗料用及び紙用が新製品の開発により増加、シアノンが南米向けが減少したものの、北米向け高機能品が増加、また、韓国・東南アジア向けコンシューマー用の需要が増加、ペガロックが海外向けが中国主要都市のロックダウンの影響により需要が減少、また、国内向けが住宅設備関係の需要が減少しました。売上高は接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり前年同期を上回りました。『塗料』は、建築用塗料が高機能品の「ウォ-ルバリアシリーズ」や「ビーズコートシリーズ」の伸長や塗料製品の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり増加し、また、エアゾール製品は需要が回復し、売上高は前年同期を上回りました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は156億58百万円(前年同期比12.1%増加)、営業収入は0百万円(前年同期比0.0%で増減なし)、営業利益は度重なる原材料価格の上昇の影響を大きく受け6億92百万円(前年同期比47.6%減少)となりました。
③ その他事業その他事業は、LSIカード関連は減少したものの食品添加物の需要が増加し、価格改定もあり前年同期を上回り、売上高は23億71百万円(前年同期比6.3%増加)、営業損失は56百万円(前年同期は21百万円の営業利益)となりました。
(各事業別の売上高、営業収入および営業利益)
(単位:百万円)
事業区分
売 上 高
営 業 収 入
営 業 利 益
金 額
前年同期比(%)
金 額
前年同期比(%)
金 額
前年同期比(%)
ガス事業
49,309
111.2
412
148.9
4,250
129.6
化成品事業
15,658
112.1
0
100.0
692
52.3
その他事業
2,371
106.3
-
-
△56
―
合計
67,339
111.2
412
148.9
4,886
105.7
(注)各事業別営業利益合計48億86百万円と四半期連結損益計算書「営業利益」39億15百万円の差額9億70百万円は、各事業に帰属しない一般管理費であります。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて48億57百万円増加して1,032億58百万円となりました。資産は、主として現金及び預金が減少したものの売上債権、有形固定資産が増加したことにより前連結会計年度末と比べて48億57百万円増加しました。負債は、主として仕入債務、借入金などが増加したことにより前連結会計年度末と比べて28億13百万円増加しました。純資産は、主として利益剰余金の増加により前連結会計年度末に比べて20億44百万円増加しました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費は3億58百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。