【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済活動の制約、設備投資の抑制及び物流の停滞による世界的な原材料の供給不足やウクライナ情勢の悪化による資源価格の高騰等、供給面での影響がありました。
当社が属する建設コンサルタント業界では、新型コロナウイルスの影響で中止や延期となる現場は少なく、その影響は限定的でありましたが、営業活動が制限される場面も増加しており、不透明な状況が続いております。一方で激甚化する自然災害に備えるため国が定めた「5ヵ年総額15兆円の国土強靭化計画」が集中的に実施されることにより土木、河川、農業、電力、空港、通信等々の各分野で公共事業費が上乗せされ高需要が続いております。
このような環境下で、当社グループは試験総合サービス事業を中心に基幹業務を進捗させると共に、令和3年から令和5年の中期経営計画である「ソリューション企業へ」の軸であるアカウントマネジメント等、新たな業務も進めております。業界全体も国土交通省が推進するi-Constructionの取組みによる効率化が進む中、当社でも既存事業のICT化を目指し、高速調査・高速解析、WEB立会サービス、AI、自動化(ロボット化)等の開発・導入を進めており、グループ会社と協力してBIM/CIM(Building/Construction Information Modeling Management)への取組みに注力し業務の効率化を進めました。
海外展開の進捗につきましては、ベトナム現地法人(C.E.LAB INTERNATIONAL CO., LTD)とのオフショア事業を中心に活動しており、今後の事業拡充を目指し採用の強化等組織体制を整えております。
北海道苫小牧市にて新たに開設したジオロボティクス研究所のサービスもスタートさせ、研究、実証実験等、様々な分野のお客様に利用して頂いております。今後も自社のみならず業界の技術革新に寄与できるよう対応してまいります。
前年、フランチャイズ店(以下FC店)の出店を加速させ、前年だけで7店舗の出店を行い、今年もFC千葉店を新規出店し全国合計11店の出店となりました。これに伴って当社の既存支店の閉鎖及び出張所化も進めております。少子高齢化、人材不足の中、事業の全国展開を推進するために、地方での事業については地場の企業にFC店としてお任せし、当社は少ない人員でより効率的に既存事業及び新規事業で収益を上げていくことに取組んでまいりました。今期はその転換期となり、FC店の出店による収益と既存店の閉鎖による損失の差を新規事業の推進によって補う構想でありましたが、新規事業は様々な業界へのアプローチが必要なため、オミクロン変異株の蔓延による営業活動の停滞や建設業界全体の原材料費の高騰等によるコスト増の影響から、適正価格での受注が困難となり、全体の業績にも影響がでることとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高につきましては6,998百万円(前期比4.7%減)、利益につきましては、会社全体の業務の効率化、赤字案件の削減、FC店展開による既存拠点の閉鎖によりコストの削減等があり営業利益534百万円(前期比10.1%増)、経常利益565百万円(前期比4.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益349百万円(前期比64.0%増)となりました。
当社グループのセグメント別の業績は以下のとおりであります。
試験総合サービス事業
当連結会計年度の試験総合サービス事業の業績は、土質・地質調査試験においては、土質試験、現場試験において防災・減災、災害の復興関連事業や品質管理業務等で一定の収益を上げることができ、地質調査では、全国的な需要増による受注の増加と大型案件の進捗もありました。
非破壊試験業務においては、橋梁点検やトンネル点検をはじめとする大型の定期点検業務が好調でありました。コンクリート構造物の点検業務では、コンクリート診断→補修工事までの流れを確立できたことで、ワンストップサービスの提供が進みました。
環境調査試験においては、法改正による調査・分析案件の増加で市場環境は良く、特にアスベスト建材の調査・分析案件の増加が目覚ましく、業績向上に貢献しました。
各業務に進捗はありましたが、事業の転換期、地政学的リスク等の影響もあり減収減益となっております。
以上の結果、セグメント売上高5,871百万円(前期比6.5%減)、セグメント利益1,084百万円(前期比6.6%減)となりました。
試験総合サービス セグメント売上高一覧表 (単位:百万円)
セグメント名
第37期12月期
第38期12月期
前期比額
前期比率
土質・地質調査試験
3,898
3,518
△379
90.3%
非破壊調査試験
非破壊CO
1,172
1,347
1,129
1,320
△26
98.0%
非破壊鉄
174
190
物理探査
186
232
45
124.7%
環境調査試験
環境調査
404
847
413
800
△47
94.4%
環境分析
442
386
セグメント合計
6,279
5,871
△407
93.5%
試験総合サービス セグメント利益一覧表 (単位:百万円)
セグメント名
第37期12月期
第38期12月期
前期比額
前期比率
土質・地質調査試験
688
616
△72
89.5%
非破壊調査試験
非破壊CO
281
300
259
292
△7
97.5%
非破壊鉄
18
32
物理探査
0
0
0
-
環境調査試験
環境調査
81
172
85
175
2
101.7%
環境分析
90
89
セグメント合計
1,161
1,084
△76
93.4%
地盤補強サービス事業
当業務は一般住宅及び中・大型建設物の建設予定地における、地盤調査、地盤補強・改良工事が主な事業の内容となっております。一般住宅等の新規着工件数自体は増加傾向との試算もありますが、いまだにコロナ禍前の状況には戻っていない市場環境であります。
以上の結果、セグメント売上高555百万円(前期比2.6%減)、セグメント利益31百万円(前期比21.1%減)となりました。
ソフトウェア開発販売事業
当連結会計年度の業績は、グループ会社である株式会社アイ・エス・ピーと株式会社アドバンスドナレッジ研究所のソフトウェア販売が主な収益であり、解析業務、アカウント利用料、保守料金、ソフトウェアの新規販売が進んだことで順調に推移いたしました。
以上の結果、セグメント売上高531百万円(前期比21.1%増)、セグメント利益158百万円(前期比130.6%増)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、
総資産は6,997百万円となり、前連結会計年度末に比べ82百万円の増加となりました。その内訳は以下のとおりであります。
資産の部では、流動資産が3,669百万円となり、前連結会計年度末に比べ97百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金の減少64百万円、契約資産の増加179百万円等であります。
固定資産は3,327百万円となり、前連結会計年度末に比べ14百万円の減少となりました。その要因は、有形固定資産の減少110百万円、無形固定資産の増加13百万円、投資その他の資産の増加82百万円であります。
負債の部では流動負債が1,244百万円となり、前連結会計年度末に比べ152百万円の減少となりました。その主な要因は、買掛金の減少65百万円、未払法人税等の減少222百万円等であります。
固定負債は1,180百万円となり、前連結会計年度末に比べ20百万円の増加となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債の増加5百万円等であります。
純資産の部では純資産が4,573百万円となり、前連結会計年度末に比べ215百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加200百万円等であります。
この結果、自己資本比率は65.4%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,566百万円となり、前連結会計年度末と比べて535百万円増加しました。その主な内訳は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、329百万円(前期より311百万円減)の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益556百万円(前期より111百万円増)、減価償却費271百万円(前期より3百万円減)等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、545百万円(前期より1,701百万円増)の収入となりました。これは、定期預金の預入れによる支出720百万円(前期より599百万円減)、有形固定資産の取得による支出43百万円(前期より346百万円減)等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、340百万円(前期より704百万円増)の支出となりました。これは、長期借入れによる収入200百万円(前期より680百万円減)、長期借入金の返済による支出334百万円(前期より151百万円増)等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産活動は行っていないため該当事項はありません。
b.受注実績
当社のサービスは、受注から販売までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、
記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績はセグメント別業績に記載の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当事業年度の経営成績は、売上高が6,998百万円で前期比4.7%減、計画比12.6%減、営業利益534百万円で前期比10.1増%、計画比14.4%減となりました。目標達成のために、中期経営計画の3つの事業戦略、新規技術の開発、完結型サービスの拡充、海外展開の3つに注力してまいりました。新技術開発では橋梁床版の調査・解析の効率化を進め、昨年末に国土交通省新技術提供システム「NETIS」に登録され一定の研究開発成果を得たと考えており、さらなる技術革新を行いインフラストックの維持管理業務に活かしていきたいと考えております。完結型サービスの拡充では、土壌汚染調査にともなう土壌浄化工事、非破壊調査試験における補修工事及び地盤補強工事等の工事案件を全拠点にて受注することによって、案件の大型化及び受注単価の向上を進めました。
基幹業務は、それぞれ順調に推移し、土質・地質調査試験では大型案件の受注が進み、非破壊調査試験では、インフラストックの維持管理業務の全国的な需要を効率的に取込めたことで進捗し、環境調査試験でも法改正によって対応が増加している各種調査試験が増加となりました。さらに近年取り組んでおります新規事業(アカウントマネジメント、FC展開)も徐々に成果が上がっております。会社全体としては、FC展開による営業エリアの拡大と既存拠点の閉鎖をバランスよく行うことが重要でありましたが、今期はFC展開による収益と既存拠点の閉鎖にともなう減収のバランスが想定よりもマイナスとなったため業績にも影響がでております。
また、当社の主戦場である土木建設現場での原材料費の高騰により、適正価格での受注が難しくなったことも今期の業績に影響を及ぼし、減収となりました。
事業の拡大に伴う経費の増加や、M&Aの経費、のれん償却額等の影響で販売管理費は増加しておりますが、赤字案件の抑制、既存拠点の閉鎖による経費の削減等で増益となりました。
今後の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。当連結会計年度における達成状況は、売上高営業利益率7.6%(前期比1.0ポイント増、計画比0.2ポイント減)、1人当り売上高14.5百万円(前期比0.8百万円減、計画比1.5百万円減)でありました。両目標ともに前期比、目標比で未達となりました。これは前述した通り、FC店の進捗により既存店が減少し、拠点全体としての収入が減少したことと大型案件の受注が進まなかったことが原因であります。現状の当社グループの受注単価は25万円程度でありまして、売上件数にすると年間約3万件に上ります。まだまだ労働集約型の業務体系は否めず、技術員の増加にて業績を伸ばしてまいりましたが、昨今の人口減少、技術員、業者不足のなか飛躍的な業績の向上が困難になっております。労働集約型からの脱却は急務となっており、FC展開と拠点閉鎖のバランスを整え、業務の効率化による利益率の改善と案件の大型化による受注単価の向上を目標として取組んでおります。令和5年12月期の経営成績目標を売上高7,750百万円、営業利益650百万円、経常利益660百万円、親会社株主に帰属する当期純利益382百万円と見込んでおり、売上高営業利益率8.4%、1人当り売上高16百万円としております。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は稼動キャストの労務費と販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。設備資金需要につきましては、当社基幹業務である試験総合サービス事業に係る各種試験分析機器の導入費用等が主なものであります。これら資金需要に対する運転資金は、短期運転資金は、営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入とし、長期運転資金は、金融機関からの長期借入を基本としております。また、当連結会計年度末の流動比率は連結ベースで295.0%となっており、流動性の観点からも財務健全性を維持しております。
③重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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