【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の扱いが感染症法の「5類」に移行し、経済活動の回復は加速しており、所得情勢には回復への足踏みがみられるものの、個人消費、設備投資、生産活動、雇用情勢には持ち直しの動きがみられます。
消費者心理は、経済情勢の先行き不透明感や消費者物価の上昇等により厳しい状況にあります。また、消費者購買行動は、厳しい消費者心理を反映し、節約志向が継続しています。
水産物流通業界におきましては、需要動向については、新型コロナウイルス禍からの社会活動の正常化が進み、外食・宿泊・インバウンド関連需要は回復しつつあるものの、内食関連需要は品種別にまだら模様がみられます。
また、価格動向については、円安やコスト上昇などを反映して、輸入水産物を始め、国内水産物においても調達価格は全般的に上昇し、これに呼応して販売価格も上昇しています。
業界環境としては、価格上昇により需要が全般的に伸び悩む中、業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況下にあります。
このような環境にあって、当社グループは、全体最適のグループ経営のもと、販売力・調達力の強化、顧客起点志向の追求、地域に対応したソリューションの提供、業務の効率化、諸経費の削減などに注力し積極的な事業活動を展開してまいりました。
また、『OUGグループ中期経営計画2021』(2021年度~2023年度)の最終年度に当たり、当社グループは、引き続きグループ横断的な4つの重点テーマである「鮮魚事業(取引)の拡大」、「加工事業(取引)の拡大」、「エリア戦略の推進」、「海外事業の推進」について、バリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、業績を向上させるべく取り組んでまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて9,870百万円増加し、91,858百万円となりました。増加の主な要因は、棚卸資産の増加8,452百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べて9,110百万円増加し、65,170百万円となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金の増加3,231百万円、借入金の増加5,940百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて760百万円増加し、26,687百万円(自己資本比率29.1%)となりました。増加の主な要因は、利益剰余金の増加401百万円によるものであります。
b.経営成績
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は81,643百万円(前年同四半期比107.6%)となりました。損益面では、売上総利益は7,020百万円(前年同四半期比103.1%)となり、営業利益959百万円(前年同四半期比118.3%)、経常利益1,143百万円(前年同四半期比121.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益777百万円(前年同四半期比126.4%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<水産物荷受事業>
中央卸売市場を核とする集荷販売機能をもつ水産物荷受事業は、外食・中食関連の販売に回復傾向が見られる中、内食関連の販売も堅調に推移しており、入荷量の減少を受け販売数量は減少しましたが、販売価格の上昇や販管費の節減により、売上高50,985百万円(前年同四半期比106.8%)、セグメント利益683百万円(前年同四半期比105.2%)となりました。
<市場外水産物卸売事業>
全国各地を網羅する販売拠点を活かした幅広い流通網をもつ市場外水産物卸売事業は、内食関連の販売が堅調に推移し、外食・宿泊関連の販売に加え、インバウンド需要も回復が徐々に進み、販売価格の上昇もあって売上高は伸長し、調達コストの上昇がありましたが、売上高30,775百万円(前年同四半期比106.9%)、セグメント利益46百万円(前年同四半期はセグメント損失86百万円)となりました。
<養殖事業>
九州、四国にて、ハマチ、ブリ、マグロの養殖を展開する養殖事業は、販売価格は堅調に推移しましたが、販売数量が減少したことに加え、餌料、資材、燃料費等の値上げによる生産コストの上昇により、売上高1,798百万円(前年同四半期比86.9%)、セグメント利益199百万円(前年同四半期比66.2%)となりました。
<食品加工事業>
消費地にある食品加工センターでの水産加工、量販店向けの米飯加工、カット野菜加工、飲食事業者向けの加工・調理サービスなどを行う食品加工事業は、輸入原料の調達コストが高止まりしていることに加え、米価が上昇したこと等により、売上高986百万円(前年同四半期比95.8%)、セグメント損失25百万円(前年同四半期はセグメント損失20百万円)となりました。
<物流事業>
物流センターにおいて、搬入された水産物等を量販店等の配送先別に仕分け・配送を行う物流事業は、センターフィーが増加したことにより、売上高411百万円(前年同四半期比104.3%)、セグメント利益0百万円(前年同四半期はセグメント損失7百万円)となりました。
<その他>
グループの水産物流通を補完するリース事業等その他は、売上高1,195百万円(前年同四半期比135.9%)、セグメント利益10百万円(前年同四半期はセグメント損失36百万円)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。