【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、経済活動の回復は徐々に進行しており、所得情勢には回復への足踏みがみられるものの、個人消費、生産活動、設備投資、雇用情勢には総じて持ち直しの動きがみられました。
先行きは、新型コロナウイルス感染症の収束動向や国内外の経済情勢など不透明な状況にあります。
消費者心理は、経済情勢の先行き不透明感や消費者物価の高騰等により厳しい状況にありました。また、消費者購買行動は、厳しい消費者心理を反映し、節約志向が継続しています。
水産物流通業界におきましては、需要動向については、新型コロナウイルス禍からの社会活動の回復が徐々に進み、内食関連需要から外食・宿泊関連需要に一部シフトがみられるものの、内食関連需要は比較的堅調に推移しました。また、インバウンド関連需要や輸出についても回復が徐々に進んでいます。
また、価格動向については、円安やロシアのウクライナ侵攻の影響によるエネルギー価格の高騰などを反映し、輸入水産物を始め、国内水産物においても調達価格は上昇し、これに呼応して販売価格も全般的に上昇しています。
業界環境としては、価格上昇により需要が減少傾向にある中、業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況下にありました。
このような環境にあって、当社グループは、全体最適のグループ経営のもと、販売力・調達力の強化、顧客起点志向の追求、地域に対応したソリューションの提供、業務の効率化、諸経費の削減などに注力し積極的な事業活動を展開してまいりました。
また、『OUGグループ中期経営計画2021』(2021年度~2023年度)を実践することにより、バリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、業績を向上させるべく注力してまいりました。
当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて30,112百万円増加し、108,854百万円となりました。増加の主な要因は、受取手形及び売掛金の増加19,916百万円、棚卸資産の増加9,008百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べて28,105百万円増加し、83,005百万円となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金の増加14,223百万円、借入金の増加13,725百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて2,006百万円増加し、25,848百万円(自己資本比率23.7%)となりました。増加の主な要因は、利益剰余金の増加2,452百万円によるものであります。
b.経営成績
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は251,907百万円(前年同四半期比110.1%)となりました。損益面では、売上総利益は22,339百万円(前年同四半期比105.4%)となり、営業利益3,823百万円(前年同四半期比128.9%)、経常利益4,035百万円(前年同四半期比127.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,785百万円(前年同四半期比193.8%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<水産物荷受事業>
中央卸売市場を核とする集荷販売機能をもつ水産物荷受事業は、外食・中食関連の販売に回復傾向が見られる中、内食関連の販売も堅調に推移しており、販売価格の上昇を受け販売数量は減少しましたが、売上高は拡大しました。利益面については、調達コスト上昇と一部冷凍魚の相場下落により売上総利益率が低下したことから、売上高155,138百万円(前年同四半期比108.7%)、セグメント利益2,111百万円(前年同四半期比84.5%)となりました。
<市場外水産物卸売事業>
全国各地を網羅する販売拠点を活かした幅広い流通網をもつ市場外水産物卸売事業は、内食関連の販売が堅調に推移し、外食・宿泊関連の販売にも回復傾向が見られ、販売価格の上昇もあって売上高は伸長し、調達コスト上昇に主力水産物の相場下落もありましたが、売上高97,553百万円(前年同四半期比110.8%)、セグメント利益599百万円(前年同四半期はセグメント損失139百万円)となりました。
<養殖事業>
九州、四国にて、ハマチ、ブリ、マグロの養殖を展開する養殖事業は、年末の最需要期においても販売価格の高値が続いたことから販売数量は減少したものの売上高は伸長し、飼料、資材、燃料費等の値上げによる生産コストの上昇を吸収して、売上高7,300百万円(前年同四半期比116.9%)、セグメント利益1,088百万円(前年同四半期比186.7%)となりました。
<食品加工事業>
消費地にある食品加工センターでの水産加工、量販店向けの米飯加工、カット野菜加工、飲食事業者向けの加工・調理サービスなどを行う食品加工事業は、輸入原材料の調達コスト高騰による販売数量の減少や生産コスト、販管費の上昇により、売上高3,421百万円(前年同四半期比96.8%)、セグメント損失42百万円(前年同期はセグメント利益25百万円)となりました。
<物流事業>
物流センターにおいて、搬入された水産物等を量販店等の配送先別に仕分け・配送を行う物流事業は、配送コストや人件費、光熱費等の上昇により、売上高1,250百万円(前年同四半期比104.5%)セグメント利益9百万円(前年同四半期比78.2%)となりました。
<その他>
グループの水産物流通を補完するリース事業等その他は、売上高3,268百万円(前年同四半期比121.1%)、セグメント損失47百万円(前年同期はセグメント損失109百万円)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。