【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間において、地政学的リスクが高まり、中でもロシアによるウクライナへの侵攻の長期化に伴うエネルギーや一部材料等の価格高騰の継続と、欧米各国における政策金利引き上げにより、世界経済の停滞感が強まりました。また、金利上昇は為替レートにも大きな影響を与え、円安ドル高が進行しましたが、11月以降、円高ドル安への是正傾向が見られます。中国経済においては、生産・経済活動の緩やかな回復傾向が見られましたが、当第3四半期連結会計期間に入り、ゼロコロナ政策の方針転換前から続く混乱等により、非常に不安定な状況となりました。
当社の連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場を概観しますと、世界経済の停滞懸念を受け、市場全体の生産は大きく減速しました。自動車市場は、半導体等の部材不足懸念は残るものの、生産台数は緩やかに回復し前期を上回る水準となりました。また、xEV化の進展による部品搭載点数の増加が続き、部品需要は堅調に推移しました。ICT(情報通信技術)市場では、コロナ禍で好調であったノートパソコンやタブレット端末の需要が大幅に減少しました。HDD(ハードディスクドライブ)の生産は、パソコン向けの需要が大きく減少しただけでなく、景気後退懸念の影響を受けデータセンター向け需要も大幅に減少し、前年同四半期連結累計期間の水準を大きく下回る結果となりました。スマートフォンの生産台数は、前年同四半期連結累計期間の水準を大きく下回りましたが、一部の新モデル向けの部品需要は堅調に推移しました。
このような経営環境の中、当社の連結業績は、売上高1,708,965百万円(前年同四半期連結累計期間1,393,855百万円、前年同四半期連結累計期間比22.6%増)、営業利益188,677百万円(同141,311百万円、同比33.5%増)、税引前利益188,102百万円(同146,124百万円、同比28.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益136,875百万円(同117,262百万円、同比16.7%増)、基本的1株当たり四半期利益361円6銭(同309円41銭)となりました。なお、当社は、2021年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり四半期利益を算定しております。
当第3四半期連結累計期間における対米ドル及びユーロの期中平均為替レートは、136円46銭及び140円54銭と前年同四半期連結累計期間に比べ対米ドルで22.8%、対ユーロで7.6%の円安となりました。これらを含め全体の為替変動により、約2,514億円の増収、営業利益で約609億円の増益となりました。
当社グループの事業のセグメントは、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」及び「エナジー応用製品」の4つの報告セグメントとそれらに属さない「その他」に分類されます。
なお、当第1四半期連結会計期間における組織変更により、従来「その他」に属していた一部製品を「受動部品」のその他受動部品に、「受動部品」のその他受動部品に属していた一部製品を「受動部品」のコンデンサ及びインダクティブデバイスにそれぞれ区分変更しております。上記に伴い、前第3四半期連結累計期間の数値についても変更後の区分に組替えております。
受動部品セグメントは、①コンデンサ ②インダクティブデバイス ③その他受動部品 で構成され、売上高は、438,946百万円(前年同四半期連結累計期間379,801百万円、前年同四半期連結累計期間比15.6%増)となりました。
コンデンサは、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサから構成され、売上高は、181,937百万円(前年同期147,712百万円、前年同期比23.2%増)となりました。セラミックコンデンサの販売は、主に自動車市場向けが増加しました。アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサの販売は、産業機器市場及び自動車市場向けが増加しました。
インダクティブデバイスの売上高は、152,198百万円(前年同期134,417百万円、前年同期比13.2%増)となりました。自動車市場及び産業機器市場向けの販売が増加しました。
その他受動部品は、高周波部品及び圧電材料部品・回路保護部品で構成されており、売上高は、104,811百万円(前年同期97,672百万円、前年同期比7.3%増)となりました。産業機器市場及び自動車市場向けの販売が増加しました。
センサ応用製品セグメントは、温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサで構成され、売上高は、130,566百万円(前年同四半期連結累計期間95,654百万円、前年同四半期連結累計期間比36.5%増)となりました。主にICT市場向け及び自動車市場向けの販売が増加しました。
磁気応用製品セグメントは、HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネットで構成され、売上高は、157,287百万円(前年同四半期連結累計期間190,009百万円、前年同四半期連結累計期間比17.2%減)となりました。HDD用ヘッド及びHDD用サスペンションは、ICT市場向けの販売が減少しました。マグネットは主に自動車市場向けの販売が増加しました。
エナジー応用製品セグメントは、エナジーデバイス(二次電池)、電源で構成され、売上高は、933,845百万円(前年同四半期連結累計期間691,260百万円、前年同四半期連結累計期間比35.1%増)となりました。エナジーデバイスは、主にICT市場向け及び産業機器市場向けの販売が大幅に増加しました。
4つの報告セグメントに属さないその他は、メカトロニクス(製造設備)、スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータ等で構成され、売上高は、48,321百万円(前年同四半期連結累計期間37,131百万円、前年同四半期連結累計期間比30.1%増)となりました。メカトロニクスは、産業機器市場向けの販売が増加しました。スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータは、ICT市場向けの販売が増加しました。
2022年12月31日現在の財政状態の状況は、次のとおりであります。
2022年12月31日現在の資産合計は、前連結会計年度末比132,003百万円増加し、3,041,653百万円から3,173,656百万円となりました。
現金及び現金同等物は35,895百万円増加しました。また、棚卸資産が41,694百万円、営業債権が39,996百万円、有形固定資産が21,507百万円それぞれ増加しました。
負債は、前連結会計年度末と比較して26,914百万円減少しました。借入金(流動)が72,931百万円増加した一方、営業債務が73,369百万円、その他の金融負債が48,178百万円それぞれ減少しました。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比較して157,433百万円増加しました。主に利益剰余金が107,946百万円増加しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得たキャッシュ・フローは、184,226百万円となり、前年同四半期連結累計期間比99,700百万円増加しました。これは主に、前年同四半期連結累計期間において長期前渡金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、177,478百万円となり、前年同四半期連結累計期間比21,061百万円減少しました。これは主に、定期預金の預入の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得たキャッシュ・フローは、20,792百万円となり、前年同四半期連結累計期間比99,242百万円減少しました。これは主に、社債による調達額の減少によるものです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、2022年12月31日現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して35,895百万円増加し475,234百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間における、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「要約四半期連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は134,589百万円(売上高比7.9%)であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
