【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限緩和が継続し回復の兆しが見られたものの、長期化している世界的な半導体等の部品不足、ウクライナ情勢、また円安の影響によるエネルギーや原材料価格の高騰等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。放送・通信業界におきましては「2030ケーブルビジョン」(日本ケーブルテレビ連盟策定)のもと、業界内外のパートナーシップによる連携サービスの実現を目指す取り組みとして、学習・教養コンテンツや双方向ライブ講座を配信できる「テレビでまなびイベント」の提供がKDDI株式会社とケーブルテレビ各社の連携により開始されました。当社におきましても、株式会社ZTVを中心とした13の団体・事業者からなるコンソーシアムにて実施される「ローカル5Gを活用したAI画像認識によるブリ養殖の効率化に向けた実証実験」へ参画しております。また、各都道府県のケーブルテレビ事業者が加盟する協議会は、NHK各放送局と災害発生時に多くの人の命や暮らしを守るため、協力して情報を伝えるための協定を順次結んでおり、放送と通信両方のサービスを提供する社会基盤として、一人ひとりの安心安全な生活に貢献する重要な役割を担っております。株式会社MM総研がまとめた「ブロードバンド回線事業者の加入件数調査」においては、2022年9月末時点のFTTH(光回線サービス)契約数は約3,733万件(半年で約67万件の増加)となりました。半年で100万件以上の増加となった前年度上期に比べると、コロナ禍の行動制限も緩和されてきていることもあり成長率は減少しておりますが、継続して成長しております。
a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ997百万円増加し、11,333百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ705百万円増加し、6,000百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ292百万円増加し、5,332百万円となりました。
b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、当社グループはこれらを背景としたネットワークの高速化・安定化に対する継続したニーズに対応すべく受注活動を展開してまいりました。2023年12月期着工の大型工事案件を受注したものの、今期着工の大型工事案件受注に至らなかったことや、一部機器の長納期化に伴う工事の遅れ、また一部顧客の機器購買計画変更の影響などにより、連結売上高は9,965百万円(前年同期比23.7%減)となりました。利益面では、減収に加え、円安の進行と部品供給不足の影響による売上原価上昇が響き、営業利益は414百万円(同65.7%減)、経常利益438百万円(同66.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益294百万円(同66.2%減)となりました。
当連結会計年度における各部門の業績は、次のとおりであります。
(a) トータル・インテグレーション部門大型工事案件をコロナ禍によるリスク管理のため前期に前倒しで進捗したことから、今年度は中規模工事案件(高速大容量化に伴うインターネット接続サービス用センター設備強化等)の受注拡大を狙いましたが、一部機器の長納期化に伴う遅れもあり、当部門の連結売上高は4,323百万円(前期比30.5%減)となりました。
(b) 機器インテグレーション部門新規顧客案件受注も含め、通信系機器全般の受注及び販売は想定通りの動きを見せましたが、一部顧客の機器購買計画変更の影響などにより、当部門の連結売上高は5,642百万円(同17.5%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,589百万円と、前連結会計年度末と比べ11百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は1,703百万円(前年同期は661百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加1,218百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は341百万円(前年同期比81.7%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出219百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は2,022百万円(前年同期は121百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加額2,000百万円等によるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の実績当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 生産実績当連結会計年度における生産実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
生産実績(百万円)
前年同期比(%)
トータル・インテグレーション部門
4,293
69.3
機器インテグレーション部門
2,918
137.7
合計
7,211
86.8
② 受注実績当連結会計年度における受注実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
トータル・インテグレーション部門
5,637
133.4
2,719
193.6
機器インテグレーション部門
5,578
69.1
2,528
97.5
合計
11,216
91.2
5,247
131.3
③ 販売実績当連結会計年度における販売実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
販売実績(百万円)
前年同期比(%)
トータル・インテグレーション部門
4,323
69.5
機器インテグレーション部門
5,642
82.5
合計
9,965
76.3
(注) 総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がありませんので、主要な販売先の記載を省略しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末における資産の額は11,333百万円と、前連結会計年度末に比べ997百万円の増加となりました。資産の増加の主な原因は、商品及び製品が1,120百万円及び仕掛品が102百万円増加、完成工事未収入金が458百万円減少したことによるものであります。(負債の部)当連結会計年度末における負債の額は6,000百万円と、前連結会計年度末に比べ705百万円の増加となりました。負債の増加の主な原因は、短期借入金が2,000百万円増加、支払手形及び買掛金が431百万円及び未払法人税等が333百万円減少したことによるものであります。(純資産の部)当連結会計年度末における純資産の額は5,332百万円と、前連結会計年度末に比べ292百万円の増加となりました。純資産の増加の主な原因は、利益剰余金が218百万円増加したことによるものであります。(自己資本比率)上記の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の48.8%から47.1%となりました。
② 経営成績の分析当連結会計年度における売上高は9,965百万円(前期比23.7%減)、営業利益は414百万円(同65.7%減)、経常利益は438百万円(同66.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は294百万円(同66.2%減)となりました。主な原因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
③ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものです。これらの資金は、自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループを取り巻く経営環境は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、また、「2 事業等のリスク」及び「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。